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子々孫々まで祟りたい 〜転んで祠を壊しちゃったら怨霊が子々孫々まで祟りに来たけど「俺で末代」と言ったら怨霊が困り始めて子孫を残させようと奮闘しだした件について〜  作者: zingibercolor・種・がくじゅつてきあかげ
第8シーズン

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いよいよ後には戻れない

 富貴さんの会社から、そのうちメンズメイク記事を頼むとはっきり言われた。なので、俺はメンズメイク学習をちゃんとやらないといけなくなった。

 しかし、咲さん(埼玉9号さん)に頼むにも、狭山さんからどれだけ話が行っているやら。とりあえず、普通にDiscord経由で咲さんにメンズメイクをお願いしたら「ぜひ! うちに来てくれませんか? しっかりメイクしたいです!」と快諾をもらった。俺は、とりあえずホッとした。

 千歳に、今度の日曜に咲さんにメイクしてもらうと伝えたら、とても喜んだ。


『よし、口説いてこい! うまく仲良くなれ!』

「いや、そんな、俺だって会ってから考えたいし……」

『まあ、それはそうだけどな』


 千歳は腕組みして考え『あのな、考えてたことがあるんだけどな』と言った。


「何?」

『ワシさ、お前が結婚できたら、お前に家買ってやる』

「え!?」

『無理じゃないだろ? 一億だぞ、この辺に土地買って家建てるには十分だろ』

「それは……金額的にはそうだけど、でも千歳のお金だしそこまでしてもらうのは……」


 俺が躊躇する素振りをすると、千歳は言い切った。


『ワシは、ワシの金をお前が結婚しやすくするのに使いたいんだ!」

「そ、そう言われると何も言えないけど……」

『家もつくって言ったら、女釣れやすくなるかもしれないだろ? 結婚相手の考えも聞いて、家作るぞ』


 あ、相手のこともちゃんと考えていらっしゃる!


「それは……確かに相手の要望聞くのは大事だけども……」

『ワシさ、昨日緑さんに八月分まで組紐渡したから、七千万はもうもらえるんだ。あと三本作ればいいから、一億もすぐそこだ。だから、お前がいい相手さえ見つければ、全然夢物語じゃないんだぞ?』

「う、うん……」

『もしものためにとっておくのも考えてたけど、お前が結婚しやすくするのに使えるならそうしたいんだ、ワシは』


 千歳の顔は、真剣だった。ごまかしちゃいけない気がした。


「じゃ、じゃあ……もし結婚が決まった相手がいたらお願いするかもしれないけど。でも、別に咲さんとのやり取りでは、そういう話まだなんにも出てないからね、咲さんにばっかり期待するのは止めて」


 ごまかしちゃいけないとは思ったのだが、咲さんと絶対、と言われてもそれはそれで困る。

 千歳もそれはわかったようで、頷いた。


『まあ、絶対に咲さんとじゃなきゃダメとは言わんが、婚約できる相手が出来たら、家買ってやる』

「う、うん……」


 翌日、富貴さんの会社から宣伝してほしいコスメが届いた。くそー、いよいよ咲さんに会って教わらなきゃいけない。いよいよ後戻りできなくなってきたぞ!

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