番外編 金谷千歳と女の姿
もし女の姿で妊娠できるなら、ワシずっと女の姿でいなきゃいけないのか。まあ、そんなに大変じゃない。朝霧の忌み子の姿で過ごすのはゆったりパジャマ着て過ごす感じだけど、女の姿(女子大生くらいの姿)は普段着で過ごす感じだから。
そういう訳で、ワシは女の姿に変わってみた。和泉は仕事してたけど、ワシを見て「久しぶりだね、その格好」と言った。
『あのさあ、ワシしばらくずっとこの格好でもいいか?』
「ん? うん」
『朝も昼も、夜もずっとこの格好でも気にしないか?』
「気にするも何も……どの姿でも千歳じゃない」
『そっか』
ワシはホッとした。和泉は首を傾げた。
「でも、ずっとその格好だと個人証明しなきゃいけない時大変じゃない?」
『それはまあ、大変だけど、何とかする』
和泉は心配そうな顔になった。
「どうしたの? その格好でないといけない理由があるの?」
『えっとえっと……』
まだ理由は隠しとかなきゃ! もしうまくいかなかったとき、和泉をがっかりさせちゃうから!
『そうだ! 今夜この格好でやらないか?ちゃんと女のついてるぞ!』
「別に、ついてなくても俺千歳のこと好きだよ?」
『お前、ワシのこと好きすぎだろ……』
ワシはあきれた。
『ええと、まあ、もしやりたくてもしばらくこの格好じゃないとダメかもなんだけど、それでもいいか?』
和泉は不思議そうだ。
「まあ、千歳がそうしたいなら……いや、でも、どうしたの?」
『い、今はまだヒミツだ』
「そうなの? 困ったことなら相談してよ?」
『困ってはない』
「そう……話せる時になったら教えてね?」
『うん』
それでも今の姿が和泉に気に入られるか不安だったので、夜、和泉を押し倒しておいた。
『なんでもしてやるぞ?』
見下ろして微笑んでやると、和泉は顔を両手で覆った。
「俺、こんなに幸せでいいんだろうか……」
『大げさだな!』
ワシは笑って、和泉にちゅーした。
和泉は本当にいつもと同じ感じで喜んでて、本当についてるかついてないか気にしてないんだなとワシは思った。




