番外編 金谷千歳と挙児
ずっと考えてる。和泉を子供がいる幸せな家族にしたいなって。ワシが和泉の子供産めたら全部解決なのにな、でもワシは産んでやれないからな……。
なんか不思議な力で和泉の子供孕めたりしないかなあ、なんかの術とか……。朝霧の忌み子の時代はそういうのなかったけど、今はあったりしないかな。
そうだ、和束ハルなら子宝の術式とか作れたりしないかな? いや、そんなのあったらあいつ自分に使うかなあ、でも一応相談だけしてみようか……。
和束ハルにLINEで『相談したいことがあるんだけど、家行っていいか?』と聞いたら「午後空いてるで、茶出したるからええお菓子を持ってこい」と返事が来たので、ワシはウォーカーのショートブレッドとチョコチップクッキーを持って和束ハルんちに行った。
『こんちは! これお菓子! バターたっぷりでうまいんだ!』
「ええやつやん! まあ上がりや」
『うん』
奥に行って、テーブルの椅子に座らせてもらう。和束ハルはアイスコーヒーを出してくれた。
「相談ってなんや?」
『えっとその……あったらあんたが使うかも知れないけど……でもワシならいけるかも知れないし、もしかしたらと思って聞きに来たんだけど……』
「話が見えんのやけど」
『その……子宝の術式とか作れないか?』
「は?」
ぽかんとする和束ハル。ワシは詳しく話した。和泉とデートに行って、フードコートで家族連れをたくさん見て、みんな幸せそうだったこと。和泉をああいう幸せな家族の一員にしてやりたいこと。
『ワシが和泉の精子で子供産めれば、全部解決なのになって思って』
「うーん……子供できにくいならともかく、生まれつき子供できん奴に、子宝の術式は無駄やけど……」
『そっか……』
ワシはしょぼんとした。
「いや、でも今ふと思うたんやけど」
『何?』
「あんた、今は普通の女の姿にもなれるやろ?」
『うん』
「その女で試してみてもええんちゃう? 子供できるかどうか」
『あ!』
そうだ! 今のワシは普通の女の姿にもなれるんだった!
ずっと普通の女の姿でいて、その上で和泉の保存した精子を使えば……ワシは和泉の子供産んでやれるかもしれない! 和泉を幸せにしてやれるかもしれない!




