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子々孫々まで祟りたい 〜転んで祠を壊しちゃったら怨霊が子々孫々まで祟りに来たけど「俺で末代」と言ったら怨霊が困り始めて子孫を残させようと奮闘しだした件について〜  作者: zingibercolor・種・がくじゅつてきあかげ
第25シーズン

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これからずっと繋ぎたい

 千歳は俺の一生恋人宣言に怒ってたけど、やがて気を取り直したらしくて、ため息をついて言った。


『しばらくは付き合ってやるけどさ。尻は準備大変だから、やりたいときは事前に言え』


 雰囲気というものが何もないな。いや、でもお尻って普通はそういうことに使わないし、準備大変ではあるのか。

 というか。

 千歳には性欲も恋愛欲もないわけで。俺は千歳と恋人らしいことをたくさんしたいけど、恋人らしいことを求めすぎて千歳に嫌われたら嫌だな……。


「そっ、その……普段抱きしめたりキスしたりはダメでしょうか……」


 恐る恐るそう聞くと、千歳は『んー』と首を傾げた。


『人のいないところでならいいけど』


 いいんだ! やった!!

 千歳は、少し考えてから言葉を続けた。


『そのさ、ワシお前にドキドキもムラムラもしないけどさ、お前に触られるのも触るのも嫌じゃないんだ。お前がうれしいなら触らせてやりたい。だから……ワシ、相当お前のこと大事なんじゃないかな?』


 そ、そうなの!? 嬉しい……千歳がそんなに俺を想ってくれてたなんて。

 俺は、思わず涙ぐんでしまった。


「じゃ、じゃあ、これからよろしくお願いします……」

『うん、まあ、付き合ってやる』

「ありがとう!」


 これで俺と千歳は晴れて恋人同士なわけだが、しかし。

 恋人らしいこと。スキンシップやセックス以外にもいろいろあるけど、いろいろをどうすればいいだろう? もっと日常的にイチャイチャしたいし、デートだって行きたいけど、体調的に遠出はまだ不安だし……。

 話しながら朝ごはんを食べ終わって、ひと休み。いつもみたいに軽く散歩したら、帰って二度寝したいな。

 食器を洗い終えた千歳が『散歩行くよな?』と聞いてきたので「行く!」と返事して、お互い寝巻きから外出着に着替えた。

 千歳と2人でぶらぶら歩く。季節は梅雨の走り、雨がちだけど気温は低め。歩くのにはちょうどいい。近所の木々はクチナシのつぼみが出てきて、紫陽花も咲いてきている。季節は少しずつ進んでいくなあ。


『うちのクチナシもさ、しばらくしたら咲きそうなんだよな』


 千歳が去年、うちの庭にクチナシを植えてくれた。クチナシの香りを楽しめるのは、植えている家の特権だ。


「うん、楽しみ」


 時刻は8時半。通勤も通学も落ち着いて、住宅街にも公園にも人気はない。

 千歳が『誰もいないからいいか』と言い、すっと俺の手を取った。すべすべで柔らかな千歳の手が、俺の手をきゅっと握る。


「え!?」

『言っとくけど、ワシがしばらくお前の恋人やるの言いふらしたら怒るからな! こういうのは人がいないときだけだ!』


 そ、そうだ、手をつないで歩く、まさにこれが恋人同士でやることだ!

 千歳と恋人になれた実感が、ようやく湧いてきた。俺は、千歳の手を握り返した。


「俺、俺、今、ものすごくうれしい……」


 俺がそう言うと、千歳は笑って、『デレデレしやがって』と言った。

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