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第48話

48.


 その場に居た女性役員たちは怒りをあらわにした。その中の一人が山本さんに向かって言った。

「一体誰がこんな写真を?まさか山本さん…」

「違う、違う!麻美ちゃんも撮られてるぜ」

 和夫さんが言った通り、山本さんの写真もあった。かがんだところを上から撮られた写真で胸元から下着が見えている写真だった。

「本当だ。じゃあ、いったい誰が?山本さん、この写真どこで手に入れたの?」

 山本さんが入口の方を指した。みんなが入口の方を向いた。ちょうど横井さんが店に入って来たところだった。

「ま、まさか!」

「そのまさかなのよ。この前、あいつの携帯からこっそりメモリーカードを抜き取ったのよ」

 そんな事とはつゆも知らない横井さんがテーブルの前までやって来た。

「あれっ?俺の席は…」

 いつも空いているはずの指定席が無いのに戸惑っているようだった。けれど、その場は空いている手前の席に腰掛けると、みんなを労うように声を掛けた。

「お疲れさん」

 しかし、誰も返事をしないことに何かを感じ取ったようだった。そして、すぐに山本さんの顔を見た。


 その後、横井さんはみんなに無視されながらもその場に居続けた。写真のことは本人には言わずにみんなで無視しようと山本さんが提案し、みんなもそれに賛成した結果だった。横井さんは堪らず、みんなを問い詰めた。

「なあ、今日はみんななんかおかしいぞ。俺、なんかみんなに嫌われるようなことをしたかなあ?」

 けれど、その横井さんの問いに応える者はいなかった。まるで、横井さんなどいないかのように会話を弾ませていた。その光景に私は何とも言えない恐ろしさを覚えた。そして、そのまま飲み会はお開きになった。


 店を出ると、山本さんがそっと耳打ちしてくれた。

「あの時壊したのは別のメモリーカードだったの。あいつの携帯を奪い取った時に青山さんの写真以外のも見えたから、これは使えると思って咄嗟にそうしたのよ」

 山本さんは得意気に微笑んだ。



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