第47話
47.
山本さんは結局その写真がどんな写真だったのか教えてくれなかった。一抹の不安はあったのだけれど、「あんな写真で青山さんを言いなりにさせようなんて」と言う言葉と、その後の山本さんの笑い方からして、恥ずかしい写真ではどうやらなかったのだということは感じ取れた。それであれば、もう気にする必要はないのだと思う。けれど、逆に山本さんがあんなに笑っていたことがその写真への違った意味での興味を掻き立てた。
数日後、PTAの会合が開かれた。その席には横井さんも来ていた。私の隣には山本さんが居て横井さんをずっと睨み付けていた。横井さんは何度か私たちの方に目を向けたのだけれど、会合の進行役を務めていたこともあって、それ以上の反応は見せなかった。
「今夜も行くでしょう?」
会合が終わると和夫さんがいつものように飲み会のお誘いをした。。
「じゃあ、いつものところで」
横井さんは会議室の戸締りをするからみんなで先に行っててくれと言った。
「青山さんも行くでしょう?」
そう誘われて、私は断ろうと思ったのだけれど、山本さんが「大丈夫よ。私も行くから。あいつの反応を見るいい機会だわ」そう言ったので付き合うことにした。
私の隣にはいつも横井さんが座る。だから、他のみんなは私の隣を必ず開けておく。けれど、今回は山本さんが私の隣にドスンと陣取った。普段、私と山本さんは仲が良くないと思われているようだったので、他のみんなは不思議そうな顔をした。
山本さんが音頭を取って先に飲み始めた。
「横井さんって、なんか、いけ好かないわよね」
山本さんが話題を切り出した。他のみんなはなぜだか私の顔を見て口ごもった。つまりはみんな私と横井さんのことをそういう風に見ているのだと確信した。そんな様子を見て山本さんは私の方を見てウインクして見せた。そして、話を続けた。
「あのさあ、ちょっとみんなに見せたいものがあるの」
そう言って山本さんがバッグから取り出したのはプリントされた何枚もの写真だった。
「あっ…」
思わず声が出てしまった。そこに映っていたのは私だった。しかも、胸元のアップの写真。山本さんがその何枚もの写真をテーブルに広げると他のみんなが一斉に声をあげた。
「なんだ、これ!ひでぇな」
和夫さんが声をあげた。なんとそこには女性役員たちを隠し撮りしたと思われる写真ばかりが並べられていた。中には机の下から撮ったであろうスカートの奥の下着が移っている写真まであった。




