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ある意味怪談

「あれは、夜中の1時頃でしたかねぇ。」


S君は自分が経験したことを語り始めた。



〜回想〜


その日は他の人達が都合悪く、

僕が1人で深夜勤だったんですよ。

発注し忘れたのか、本当に発注してなかったのかは分かりませんが、雑貨の納品が無くて、

珍しく、お客さんもゼロだったんですよ。

完全に僕1人で、退屈してたんで、

丁度いいから、普段掃除されてないトコでも掃除すんべやと思って掃除を始めたんですよ。


そしたらね、電話が鳴ったんですよ。


プルルルル…プルルルル…

ってね。

こんな時間に誰じゃろべ

と思ってレジ横の子機に行ったんですけど

鳴ってないんですよ。

でも、電話が鳴ってる音はしてるんです。


プルルルル…プルルルル…


って。

お客さんが携帯を忘れてて、

それが鳴ってんのかとも思ったんですけど

それらしい携帯もないんです。

その間も、ずっと店内に電話の音がひびいてるんですよ。


流石に不気味になりましたけどね

よく聞くと、ATMの電話が鳴ってたんです。

夜中にATMの電話が鳴るんだから、急用だろうと


「はい、お電話ありがとうございます。

コンビニ○○、××店のSが御用件を承ります。」


って、メモとペン用意してマニュアル通りに返事したら


『あ、ユーちゃん?

アタシアタシ。

こんな時間にごめんなさいね〜』


って、女性の声がしたんですよ。


「申し訳ございませんが、

こちらはコンビニ○○の××店でございまして、

電話番号をお間違えではないでしょうか?」


『あら、ユーちゃんじゃないの?』


「はい、私はSと申します。」


『あら〜、こんな時間にごめんなさいね。』


「いえ、電話番号を確認の上、お掛け直しください。

失礼いたします。」


で、電話を切りました。



〜回想終了〜



「それ、電話に出た後に相手が無言を貫かれてたら

怪談だよな。

ガチャ切りされたらイタ電か怪談か迷うけど。」


「いやぁ、僕もね。

ATMの電話って一方通行だから、内線みたいなモンだろうと思ってたんで

あん時ゃ、オペレーターがかけてるんだと思ってましたよ。

アレに個別の電話番号があんの、初めて知りましたわ。

無銘さんは知ってました?」


知るわけねぇよ。

使ったこともねぇよ。

S君に今の話を聞くまで、俺も内線だと思ってたわ。

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