クレーマー【3発目】
正直なところ、クレーマーネタ3連打になるとは予想もしてなかった。
今回は苦情の電話で内容は以下になる。
先々月の半ば頃、S君の仕事が終わる直前頃に電話が掛かってきたという。
4号店で働き始めて1ヶ月経過もしてない
若葉マークをブラ下げた
一番の新参者なのにも関わらず
何故かその時点で既に責任者扱いになっていたので
電話を取り、マニュアル通りに
「申し訳ございません、お待たせ致しました。
コンビニ○○、××店のSが御用件を承ります。」
と言った途端に
「さっき買い物したんやけど、何なんあの外人は!?
日本で働いてるんなら、日本人を敬え!
アイツを即刻クビにしろ!」
と言われたとか。
確かに、その時のシフトに外人のバイトが居たらしい。
今一よく分からないので、
「確かに外国人スタッフは在籍しておりますし
本日も出勤しておりますが、
彼が何か失礼を致しましたか?」
と話を聞くと
「睨んだり笑ったり、とにかく目付きが気持ち悪い。」
「商品を袋積めするのも、レジを打つのもチンタラしてる。」
「客を見て笑う。」
単に外国人が気に入らんだけじゃないかと思える。
2号店に居たベトナム人の娘なら、
新聞の漢字が読めないので詰まるため
レジ打ちが遅くなっていたらしいが
彼はそういうこともないらしい。
『睨んだり笑ったり』
も、商品を間違えないように真顔になっていて
そのあと、彼なりの
『笑顔で接客』
を実践していただけだろうと思われる。
S君のみならず、他のスタッフも同感だった。
外人バイト君本人じゃないので真相は知らんけど。
最後には
「知り合いの議員さんにチクって
厚労省経由で国を動かしてでもクビにしてやる!」
とまで言われたとか。
間違いなく動かないと思う。
あと、推測だが外国人を相手にするんなら、
外務省の管轄じゃないだろうか。
労働と言えば労働なので厚労省の管轄かもしれんし
留学生という学生が対象なので文科省かもしれんが、
役人でも法律家でもないので
正直、その辺は知らんし
本気でどうでもいい。というか、その程度で動くんなら
どの国とは明記しないが、とっくに国交断絶してる国が3つはあると思う。
たかだか外人バイト1人を辞めさせるのに大層な話である。
繰り返すようだが、俺は法律家ではないし
六法全書を暗記するような趣味もないので、
そういう法律があるかどうかは知らないが
「日本語学校に通う留学生は
日本の国費で留学していて
生活費も出ているため
アルバイトをしてはならない
と法律により定められている!」
のだそうだ。
多分、そんな法律は無い。
俺が知らんだけであったとしても、
『日本語学校に通う留学生』
とかピンポイント過ぎる。『日本に勉強しに来ているのに、働くのはおかしい』
と言いたいのだろうと思うが
個人的には空いた時間に何をしようが勝手だし
遊ぶ金を捻出するのにバイトしてるというのなら
『生活費は出して貰っているんだから
遊ぶ金くらいは自分で稼ぐ』
になるので、普通だと思う。
1人暮らしを始めた大学生がバイトするのと同じだろう。
『奨学生はバイトをしてはならないと法律により定められている。』
と言っているのと同じにしか思えない。
そんな法律も無いと思うが。
もし違うと言うのなら、どこが違うかお聞かせ願いたいが
話がループしたり脱線したり面倒くさそうなので、
要点のみ原稿用紙3枚未満でお願いしたい。
とりあえず、2時間ほど苦情の電話を聞き、
その結果、1時間半ほどの残業(?)になって
終電を逃し、1時間ほどかけて歩いて帰る羽目になったらしい。
S君は
「2時間の間、最初に用件を聞いたのと
最後の
『貴重なご意見ありがとうございました。』
以外は
『はい、はい、仰る通りです。』
『はい、はい、申し訳ございません。』
『はい、はい、本人にその様に指導致しますので、今回はお収めください。』
しか言ってないッス。」
と言っていたが、
「S君、それさぁ、話の途中でも
『お客様のお話の途中ではございますが、
スタッフをクビにするとなりますと
私の一存ではどうにも出来ない御用件でございますし、
本日は責任者が不在ですので
明日にでも責任者に報告し、
後日ご連絡させて頂きたいと存じますがよろしいでしょうか。
つきましてはお名前と電話番号をお聞きしてもよろしいでしょうか?』
みたいな感じで連絡先を聞いといて
翌日報告、後は丸投げで良いんじゃね?」
と言ったら
『ぬぅ、そんな方法が…』
みたいな顔をした辺り、
S君はまだまだ青いようだ。
仮にこれが
『観光に来た外国人のマナーが悪いから
同じ国出身の外国人が気に入らん』
というのなら分からんでもない。
所謂、
『坊主憎けりゃ袈裟まで憎い』
である。
それでも、
『日本で働くんなら、日本人を敬え!』
というのは流石に極端すぎると思う。
その理屈だと、
メジャーリーグで活躍しているアメリカ人以外の野球選手はアメリカ国籍の選手に対して接待プレイをしなければならなくなるし
イタリア人以外のサッカー選手はイタリア人のゴールキーパー相手にはシュートしてはならない
になると思うのだが
それは極論ですらない暴論というものだろう。
この話になったのは、クレーマーと思われるというか、
間違いなくクレーマー本人が来店したので思い出したそうだ。
クレーマー本人はバレていないと思っているのかもしれないが
話し方というか発音に特徴があるらしく、
全員一致で
『その発音なら、間違いなくあの人だろう。』
となっており、
さらにこの外国人スタッフは『フィリピン人』らしいのだが
彼を『ベトナム人』と間違えているのはクレーマー本人しか居ないので
どう考えてもクレーマー本人で間違いないとされている。
この来店時には、幸いにも、件の外国人スタッフは休日だったので
何事もなかったそうだが、
この話を知っているスタッフは全員
『あの子が休みで良かった。』
と思ったらしい。
ちなみに彼は、
『ジャパニーズ・コトワザ。
スマイルゲートにハッピーカモン!
(笑う門には福来る)』
という、明らかに間違っている謎の英語を誰かに教えられ
笑顔を絶やさないように指導され
日々練習しているらしい。




