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神が終わりを告げた世界で  作者: てんま
第1章 変わる世界
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帰宅と母強し

学校を脱出した俺達は、しばらく道なりに、車を走らせていた。途中、乗り捨てられた車や、奴らがい居たが、青山先生のドライブテクで、難無くと交わしていく。


「この後は、どこに行けばいいだ?」


青山先生が、そう尋ねてくる。

青山先生、口調もちょっと、変わってるな、、、。


「俺は少し先にある、小学校へ、、、」


そう言おうとしたとき、俺のポケットにある、スマホのバイブレーションが、起動した。

スマホを取り出し、確認すると、母親からのメッセージを、受信していた。

内容を確認すると。


「娘は私が預かった!貴様はさっさと、家に帰宅しろ!」


俺がスマホの画面を、見ていると。横から誠が、のぞき込んでくる。


「なんだ、そのメッセージ。魔王からか?」


「ある意味、魔王からの方が、俺はうれしいよ、、、」


冗談を言ったつもりの誠は、遠い目をしている、俺を見て。?マークを浮かべていた。


「それで。どこへ、向かえばいいんだ」


口調のおかしい、青山先生が、再度訪ねてくる。


「俺は家に帰りたいと、思っています。妹も無事、母が救出した、みたいなので」


俺は、自分の行きたい場所を、青山先生に伝える。

俺以外の人は、どうしたいのだろうか?


「私も、家に帰りたいです。両親も、家にいるそうなので」


佐城も、家に帰りたいと、そう言う。

佐城の家って、どのへんなんだろうか?


「俺は新と、、、」


誠はそう言いかけ、途中でやめ、俺の方を見てくる。


「別に、うちに来てもいいぞ。覚悟があるなら」


俺がそう伝えると、新は嬉しそうな顔をしたが、覚悟って言葉に再度。?マークを浮かべていた。

俺は最後に、青山先生に。行き先を聞く。


「俺は独身で、こんな歳だ。両親も死んじまってる。こいつと一緒なら、どこでもいいぜ」


変な口調のまま、ハンドルを撫で、そう話す。要するに、行く当てがないってことか。

てか、青山先生。独身なのに、ファミリーカーなの、、、。


「佐城の家は、どのへんだ?」


俺が佐城に、そう質問すると、ムスッとした顔になり、こう答えた。


「貴方には、教えたくない」


おい。なんだその子供みたいな、返答は。状況を考えろ。

俺は諦めず、再度同じことを聞く。


「家は、どのへんだ?」


「あんた、耳聞こえないの?教えたくないって、言ってるの!」


よし。この女は、ここで置いていこう。

そんなことを、本気で考え始めていると、佐城が話し出す。


「青山先生。こいつの家に、向かってください」


俺のことを、指差しながら、青山先生にそう伝える。

俺を降ろしてから、自分の家に、行こうってか。どんだけ、知られたくないんだよ。


「任せろ!神田、案内を頼むぜ」


俺は助手席に移動し、自分の家までの、道のりを指示していく。

俺の家までは、そこまで距離はなく、10分を程で、たどり着いた。


「青山先生。そこの十字路を右で、その先がうちです」


最後の指示を出し。のんびりと、見知った風景を眺めていると、車がスピードを落としていく。


「どれが、神田の家だ?」


青山先生が、俺の方の窓を見ながら、訪ねてくる。


「えっと、、、。これです」


俺は少し気まずそうに、青山先生が見ている、反対を指差す。

先ほどの十字路を、曲がったところから、ずっと続く長い塀、そちらを指差す俺。

俺の家は、この塀の中にあるのだ。


「壁が、神田の家なのか?」


「違いますよ。この塀の中に、俺の家があるんです」


俺の言葉に、青山先生と誠が、ポカンっと口を、開けていた。


「もう少し先に、入り口がるので。そこまで、進んで下さい」


青山先生は、口を開けたまま、車は進ませていく。俺の言う通り進むと、門が見てくる。

車をそこで止めてもらい。俺は念のため、周囲を確認してから、車を降りる。

門の横には、小さな扉と、インターホンがあり。俺は、インターホンを鳴らす。


「新です。今帰りました、、、」


俺がそう言うと、門が開く。開いた門の先には、金属バットを地面に突き刺し、腕を組んだ女性が、立っていた。


「遅い!!」


女性は大声で叫ぶと、俺の方へ金属バット片手に、近づいてくる。俺は数歩後退り、言い訳を始める。


「か、母さん。こんな状況だし、すぐに帰るのは、大変だったんだ。学校も、奴らが沢山いたし」


そんな言い訳を、聞く気もないのか、母さんはどんどん、近づいてくる。

目の前まで近づかれると、俺は、バットで殴られる覚悟を決め、目を閉じた。


ゴツっ!


何かが、バットで殴れる、鈍い音が耳に入った。

俺が殴られてないのか?

恐る恐る、目を開ける。俺の気づかぬうちに、近づいていた奴の、頭がつぶれた死体があった。


「情けないわね。引きこもって、ゲームばかりしてるから。こんな雑魚に、苦戦するのよ」


雑魚、、、。俺は、今日の学校での、逃走劇を思い出す。


「鍛え直しが必要ね」


その言葉を聞いた刹那、俺の意識は飛んだ。


『誠視点』


女性によって、奴が瞬殺されたあと。新は、バットで顎を殴られて倒れた。女性は、新を片手で肩に担ぐと、こちらに近寄って来た。窓を軽くノックされ、青山先生は窓を開ける。


「すいませんね。うちのバカ息子を、送っていただいて」


「い、いえ。きょ、教師として、当然のことです」


青山先生は、いつの間にか、元に戻っており。青い顔をしながら、会話をしている。


この女性は、新の母親なのか。いや待て、息子をバットで殴っていたし、殴られた新は、生きてんのか?


新の母親は、俺達の方に視線を移し、微笑みかけてくる。

見た目は、20代前半のように若く、髪はショートで、肩あたりで揃えられていた。

さっきの光景を、見ていなければ、惚れてしまうほど、整った顔をしている。


「あら、雪音ゆきねちゃんじゃない。無事だったのね、よかったわ」


「は、はい。お久しぶりです」


佐城は、顔をひきつらせた状態で、返事を返す。

2人は顔見知りなのか?新とは、初対面のように、みえたけど。


「ご両親も、心配してらっしゃったわよ。早く無事を、知らせてあげなさい」


「そうですね。では、私はこれで」


佐城はドアを開け、門の反対にある家に、駆けこんでいった。


お向かいさんなのかよ!!佐城は、自分だけ新の家を知ってるから、何も知らない新に、家を知られたくないわけだ。

新も今までよく、気づかなかったな、、、。


新の母親の視線が、俺に向く。


「あなたは?」


「長谷部誠です。新と一緒に、学校から脱出してきた、友達です」


「そうなのね。この子、友達の話なんてしないから。学校に、友達が居ないのだと、思ってたわ」


新の母親は、そう言うと、少し嬉しそうに、微笑んだ。


「長谷部君、家はどちかしら?」


俺はそう聞かれ。自分の生い立ちと、新の家に、お邪魔する予定だったことを、説明した。


「そうなのね、もう大丈夫よ!ちょうど、もう1人息子が欲しいと、思ってたの!いつまでも、家に居ていいからね!長谷部君、違うわね誠君!」


そう言われると、なぜだか、背中に悪寒が走った。


「先生は、どこか行く当ては?」


新の母親は、次に、先生にそう問いかける。


「わ、私も、特に行く当が、ありません、、、」


「なら、うちのドライバーとして、歓迎しますわ」


こうして俺達は、神田家に、迎え入れらることとなった。

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