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神が終わりを告げた世界で  作者: てんま
第1章 変わる世界

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一息と妹

目を覚ますと。俺は居間で、寝かされていた。

顎が痛い、、、。

確か、、、母さんに、門で殴られたんだっけ?


俺は起き上がり、周りを見渡す。

居間の中央には、テーブルがあり。その周りに誠と、青山先生の姿があった。

2人は座布団の上に座り、茶菓子と、お茶を楽しんでいるようだ。


「新。起きたのか。ちゃんと、生きてたんだな」


茶菓子を食べていた誠が、起き上がった俺に気づき、話しかけてくる。


「あれで死ねたら、一番良かったんだけどな」


俺のその返しに、誠は顔を引きつらせていた。

俺はテーブルに移動し、誠の横に座る。反対側には、青山先生が座っている。


「あの後、どうなったんだ?」


俺がそう問いかけると、先生が答える。


「佐城さんは、無事に家に、帰られました。私たちは、お母様に事情を説明し、神田家に迎えられた形です」


そうか、佐城は無事に、帰れたのか。家近所だったのか?

母さんは基本、来るものを拒まないからな。そこはあまり、心配していなかった。

てか、青山先生も、うちに居候かよ。


「今は、ここに案内されて。一息つかせてもらってる、感じだな」


お茶を啜りながら、誠はそう付け加える。


「そうか、、、」


あの地獄のような場所から、家に帰ってこれたのだ。そう考えると、全身に疲労感がやって来た。

少し、俺も休むとするか、、、。


しばらく沈黙が続く。

俺は、特に理由もなく、居間の壁に埋め込まれている、テレビの電源を入れた。

最初に映し出されたのは、ニュース番組だ。当然のことだが、今起きている現状について、報道されていた。


「予想はしてたけど。どこも、あいつらだらけなんだな」


「ここに居れば、奴らは入ってこれなし、安全だよ」


誠の言葉に、俺はそう返しておく。その後も、ニュース番組では、各地の悲惨な状況が映し出され、観ていて、気分が悪くなるばかりだ。


「この先。世界は、どうなっちまうんだろうな」


誠の言葉に、俺は、何も言うことができなかった。誰にも、この先のことなんてわからない。きっと平和な未来は、もう無いのだと、俺は思ったからだ。


そんなことを思っていると、居間に、母さんが入って来た。両手には、母さんの手作りであろう、料理を持っており、テーブルへと、並べていく。


「新。葉月を、呼んできてちょうだい」


気づけば、外は暗くなっており。夕飯の時間らしい。俺は、言われた通り、居間を出て、葉月の部屋へと向かう。葉月の部屋に、たどり着くと。


ドンっ!


勢い良く、扉が開く。扉の前に居た俺は、顔面に扉が当たり、痛みでのたうち回る。


「あ、生きてたんだ、お兄ちゃん。あと、邪魔だからどいて」


おい葉月よ。無事に帰還した兄へ、第一声がそれか?泣くぞ、、、

俺は立ち上がり、顔面を抑えながら、話をする。


「邪魔とはなんだ。飯ができたから、呼びに来たんだよ」


「匂いでわかるよ、それぐらい。そんなことより、汗臭いよ?血とかついてるし、着替えてから来てよね」


そう言われ、自分の服を確認する。所々に、返り血などが付いていた。葉月は、それだけ言うと。先に、居間へと、向かっていった。


ふむ、着替えるか。


俺は隣の自分の部屋へ入り。適当な服に着替る。誠用に、着替えを持って、部屋を出た。居間に戻ると、全員がテーブルに着いており。俺は、葉月の隣に座る。


並びはこんな感じだ。左側に俺、葉月。右側に誠、青山先生。廊下側に、母さんだ。

俺が座ると、母さんが話し始める。


「今日は、いろいろあったけど。新しい息子と、おじさんが、我が家に加わった、記念日です!腕を振るったから、たくさん食べてね」


ツッコみたいところが、多数あったが。全員が箸を持ち、手を合わせたので、俺もそれに合わせる。


「「「いただきます」」」


全員でそう言って、食事が始まる。

最初は遠慮気味だった、誠達だが。母さんに、どんどん料理を取り分けられ。次第に、箸が進むようになっていった。


青山先生は途中「久しぶりのまともなの食事です、、、」と言っていたが。普段、何を食べっているのだろうか?顔が青いし、ほうれん草ばっかり、食ってそうだな。


食事も終わり。母さんが、後片付けしている間に。誠と青山先生を、風呂へと案内した。

誠は「青山先生と一緒かよ」と言っていたが。うちの風呂の広さ見ると、黙って入っていった。


居間では、俺と妹の2人で、並んで座っていた。妹は退屈そうに、あくびをしており、普段と変わらないように見える。


「学校で、なんかあったか?」


俺は何気なく、そう聞いてみる。


「別に、、、」


思春期かな?いつもより、冷たいぞ。


そんな返事だったが。俺には何となく、伝わって来た。

俺と違い、友達が多い妹は、学校できっと、悲惨な状況を、目の当たりにしたんだと思う。それは、小学生の妹にとって、耐えがたく、悲しいことだらけの、1日だったろう。


俺は黙って、軽く頭を撫でてやる。


「うざ、、、」


そう呟く妹の目には、涙が少しずつ、溜まっていった。


「普段通り、過ごしてるつもりだと思うが。お前の兄貴だぞ、何も言わなくてもわかるさ。母さんも、心配していると思うぞ」


俺がそう伝えると、妹は少しずつ、学校で起こったであろう出来事を、話し出した。


「私、友達を助けられなかったの、、、。みんな私の目の前で、あいつらに、、、食べられて。私は強いはずなのに、体動かなかったの、、、みんなを、守ってあげられなかった」


妹は、母さんに鍛えられ、確かに強い。それは、俺も知っている。

でも、友達だった人間が、突然奴らに変わり、他の友達を襲いだす。そんな光景を前にしたら、誰だって何もできず、立ち竦んでしまうだろう。


「強くても。出来ること、出来ないことはあるんだ。お前は優しいからな。ただ、友達を傷つけることが、出来なかっただけだよ」


俺はそう言って、涙があふれだした妹の頭を、涙が止まるまで撫で続けた。

途中、母さんがやって来て、妹の泣いている姿を見ると。テーブルに、妹が好きなアイスを置いて、片づけに戻っていった。


暫くして、泣き止んだ妹は。黙って、テーブルに置かれたアイスを、食べている。

そのタイミングで、誠と青山先生が、風呂から戻って来たが。

妹の様子が、先ほどと少し違うことに気づき。


「縁側で、涼んでくるぞ」


誠はそう言って、青山先生を連れ、居間を出ていく。

また、2人きりになってしまった。さき程から妹は、俺の前に置かれている、アイスを見ている。


「食うか?」


「別に、要らないもん」


素直じゃないよな、、、


「腹いっぱいで、もう食えないんだよ。代わりに、食べてくれよ」


妹は仕方ないなっと、言う顔をしながら。俺の前に置かれたアイスを、自分の前に移動させ、食べ始める。


「お兄ちゃん。さっきの人たち誰?ママは、新しい息子とか、言ってたけど」


「学校の友達の、誠と、青山先生だよ」


俺がそう紹介する。かあさんが言っていた、息子の件は。いつもの暴走だと思うので、流しておこう。


「お兄ちゃんって、友達いたんだ。ボッチかと思ってた」


失礼な!俺だって、友達の1人や2人居るぞ。高校では、今日まで、ボッチだったけどな。


「しばらく、一緒に生活することになるけど、仲良くしてくれよ」


そん会話を終えると、母さんと、誠達が居間に戻って来た。


「新も、お風呂入っちゃいなさい」


母さんが、俺にそう言ってきたので、俺は立ち上がり、妹の方へ向く。


「久しぶりに、一緒に入るか?」


「しね」


殺意の籠った、鋭い目を向けられたので、俺は寂しく、一人で風呂場へと向かう。

居間を出る際に、誠の顔を見ると、さすがに、ドン引きしてる顔をしていた。


誠には、妹の尊さが、わからないようだな。

そして妹よ、兄は悲しいよ。お前が、思春期に突入してしまって、、、

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