第12話 固有スキル
遅れてしまって申し訳ございません
ヒロに見せてもらった紙を見て最初姫衣は目を疑った。
固有スキル。
まさかヒロさんがもっているとは。
聞けばすでにアリシアから固有スキルについては説明は受けているらしく、それを踏まえてヒロの持つスキルについて知ってることを説明して欲しいと言われたのですが。
強力なスキル、珍しいスキル。
それ以外の言葉が思いつかない。
といいますか……実際その通りでそれ以外に言いようがないんですけどね。
もう一度固有スキルの一覧を見る。
心に応じる者《発動条件:ただ一つの求める声に応じる》
《効果:声が求める限り自身の全能力が大幅に補正、並びにその定着》
とりあえずわかるのは補正系の能力ということですね。
効果の欄を見て、次に発動条件に目を移してしばし考える。
求める声に応じる…なんとも曖昧な条件づけですね、それに求める限りに大幅補正ですか。
大幅というのがどこまでを示すのかはわかりませんが固有スキルなのですから、まず間違いなく常識外の性能なんでしょうね。
補正に関してはヒロさんは理解できているようなので、これについては説明は不要でしょう。
となりますと説明してほしいのはもう一つのほうですね。
発動条件のただ一つの求める声に応じる。
ここで再度姫衣は頭をうならせる。
発動条件を持っているスキル自体は珍しいものではなく、私自身結構条件もちを持ってはいるのですけどね。
ではなぜこんなに悩んでいるのかというと。
”求める声に応じる”
初めて見る条件なんですよね。
大抵の条件付きスキルはもっと具体的に書いていたりするはずなんですが。
例えば、特定の魔物との交戦時とかや同じように特定の武器の装備時、特定の行動制限なんかを指定するものもありましたね。
そういえば最近新しいスキルが見つかったんでしたね、何でしたっけ?……ああ確か体を縄で縛ることことでダメージ耐性を上げるんでしたっけ……なんなんですかねそのスキル。
それにしても求めるとはどういったことをさすんですしょうか。
普通に考えるなら望むこと、要求することなんですが文脈から察するに自分ではなく第三者、他者の声に応じるのが条件なんでしょうけど、第三者を条件に出てること自体珍しいですね。
さて冒険者的に考えるなら求める声とは助けを呼ぶ声なんですけど……だめですね情報が少なすぎて憶測にしかならないですしこれはもうヒロさん自身で確かめていただくしかなさそうです。
そう考えを終えるとここで姫衣は一旦一息ついた。
吐く息とともに揺れる胸に両側から視線を向けられるのだが、気づかないまま姫衣はヒロに説明をしはじめた。
♢
なるほどようするに現状だとよくわからないスキルなのか。
姫衣の説明というか、憶測に近いのを聞きながらヒロは紙を机の上に置いた。
「すみません、あまり力になれなくて」
「いや、むしろ頼りっぱなしでこっちこそすみません」
さてこれで一応ステータスについて聞きたいことは終わりになるのかな。
まぁ何かあったらそのつど考えれば大丈夫でしょう。……大丈夫だよね?
若干不安になったがそれは未来の自分にまかすことにした。がんばれ未来の自分!
「ん、終わったのか?」
「うん、一応聞きたいことは聞けたから一旦おわりかな」
「ふーん、姫衣いいのか」
「はい、ヒロさんがいいのでしたら私からは特には」
ナディアが確認するように問いかけた。
そして、
「そんじゃまぁ終わったようだし行くか!」
んーっと伸びをしだすと待ってましたとばかりにそんなことを言い出す。
他の面々もその言葉を理解したのか次々に立ち上がり何か準備し始めた。
「バゼットとベゼルはどうするの?」
「いないし別にいいだろ、それより装備はどうする? ランク0だし軽いもののほうがいいよな?」
「駆け出し用のが一式ありますしそれでいいのでは?」
「ああ、騎士団からかっぱらってきたやつだっけ?」
「違うよ! 期限決めないで借りてるだけだよ!」
「あれ? おかしいですねなんか最近耳が遠いような……」
「一式、あったよ」
「おお、アリシアナイス。そんじゃヒロ、とりあえずこれに着替えてきてくれ」
そういってナディアが差し出してきたのは、上下の服と胸当て。
押し付けるように持たされると今度はその上に短剣を置かれた。
「見た感じお前が着てるのよりはこっちのほうが丈夫そうだし、破けるのが嫌ならこれに着替えといだ方がいいぞ、後武器は最初だし短剣でいいよな? てか短剣しかないし他のが欲しけりゃ自分で買ってくれ」
そう一方的に告げるとそのままどこか別の部屋に入っていく。
って、え? なにこれ? 今一体何の準備されてるの?
棒立ちのまま突っ立っていると横ではアリシア達が。
「回復薬、持ってく?」
「んー? 一応? 浅い所までしか行かないって、ナディ言ってたけどヒロヒロのために持ってっといは法がいいんじゃない」
「いいと思いますよ、ついでに何個か依頼もこなしておきましょうか。ちょうどいい採取依頼ありましたし」
「ん、了解」
緑色の液体やカウンター近くの掲示板らしきものから数枚の紙を取っていた。
えーとコレはアレかなどこかに行くってことなのかな?
ようやっとというか少しだけ理解してきたのだがそれでもまだ疑問が残る。
着替えろって言われたけど、ええとこれなんだか物騒なもの付いてきてるんですけど。……あ、でもなんか採取って聞こえたしそのためのものだったりするのかな?
チラッと短剣を見る。
なんだろう赤黒いものが少しついている。
……なぜだろう嫌な予感が。
頬を伝う汗が、なぜか冷たい中ヒロの様子を見に来た姫衣が声をかけてきた。
「ヒロさんどうかしましたか? ……ってナディアこの短剣汚れているじゃないですか、もう前に使ったときちゃんと洗わなかったんですか!」
ああ、やっぱただの汚れだよね! びっくりしただって乾いた血みたいだったから。
だが次の言葉でふたたび冷たい汗が出る。
「すみません、以前狩った魔物の血が取れてなかったみたいで、でも大丈夫ですよすぐに落ちますし切れ味にもそんな影響ないので」
そういうと姫衣は笑顔で短剣を洗い場に持って行った。
あ、やっぱそうなんだ。……いやいやいやおかしいでしょなんでナチュラルに刃物に血がついてるの? というか魔物? 狩る? え、まさかのまさかですけど……
両手の服が嫌に重くなるなか別室に行っていたナディアが戻ってきた。
その装いはさっきの服装とは違い、綺麗な服と不釣り合いな剣が腰に飾られていた。
「あ? そんな所で突っ立って何してるんだ? てかお前早く着替えてってそういえば着替える場所知らないんだったな、ほれあそこ、一応着替え所だから」
そういって自分が出てきた扉の隣を指さす。
だがそれでも動かないヒロも見てナディアは首を傾げた。
「どうしたんだ?……っあ! まさかお前着替えるの手伝ってほしいとかいうんじゃ……」
「いや! 違うよ! そうじゃなくてコレ着替えるのはいいんだけど、どこかいくの?」
「あ? どこってこれから魔物狩りに行くんだよ、言ったろ?」
「聞いてないよ! えっ俺もいくの?」
「行くも何もヒロのために行くんだぞ?」
……はい?
「とりあえずランク1にならないとだしな、まっ一日じゃ無理だろうけど三日位あれば平気だろ?」
……え?
「ほれっいいから着替えてこい、スミレ達はほとんど準備できてるみたいだし、後はヒロの着替えまちだ」
……はへ?
「さっさと着替えて一狩り行こうぜ!」
そういってナディアに押されながら着替え室に入っていった。
ここで思ったことは。
あ、服のサイズあってるんだ。
これだけだった。
ステータス
氏名:香月 ヒロ
性別:男性
年齢:16
ランク:☆0
取得魔法一覧
《先天魔法》
火炎魔法 ブレイズ〈詠唱…その身を焦がし、求めよ〉
《後天魔法》
なし
取得スキル一覧
《スキル》
なし
《固有スキル》
心に応じる者《発動条件:ただ一つの求める声に応じる》
《効果:声が求める限り自身の全能力が大幅に補正、並びにその定着》
説明文変ですよね。
自分こういった文苦手なんだなと痛感しました。
やっぱり勢いだけで書くんじゃなかったです。




