08綿100%は伊達じゃない
「ちょっとぉぉお!なんで攻撃してくるのよぉぉお!!
熱いじゃないぃ!!!」
ヤバイヤバイ。驚きすぎて口調がオネェになってしまった。
俺の体を掠めた炎の跡に目をやる。地面は軽く焦げ付き、落ち葉が灰となって何処かへ流れていく。
衣服にも少し掠ったと思ったのだが、意外にも燃えたり焦げたりという事はなかった。
「これ自宅で着てたフリース素材だったら確実に死んでた…」
(多分)綿100%は伊達じゃないな。
俺は生唾を飲みながら冷静にこの状況を分析しようとする。
「炎タイプの生き物だろ?
なんだ?砂でもかけるか?
いや、違う。
ここは水か?でも、森の中に水なんて…」
ぴきーん!俺は閃く。
このカバンの中にはあのシャワーヘッドが入っているのだ。俺のライフライン|《水筒》であり、母ちゃんのこだわりの一品であるあのシャワーヘッドが。
俺はスライムの方を見ながら、ゆっくりとカバンに手を入れてシャワーヘッドを探る。
スライムは一発攻撃をかましておきながら、追撃をするでもなくただポヨポヨとしながらこちらを見ている。いや、目が無いみたいだからこちら見てるのかは定かじゃないんだけどね。
「ふははははっ、スキあり!」
俺はシャワーヘッドを両手で掴み、腕をまっすぐにスライムの方へ伸ばしてボタンを戻した。
ふぁっさぁ
シャワーヘッドから放出されたのは霧状のシャワー。
「やっべぇ、さっき霧状選択してから戻すの忘れてた!!」
あまりの低威力に俺は焦りを覚えたのだが、どこからともなくぎゅうぅと苦しそうな音がする。
「まさか?」
そうそのまさか。俺の目の前でスライムが水を浴びてドロドロに溶け始めたのだ!
「え、意外とグロ演出なんだけど…」
それはナメクジが塩で溶けるような、単細胞の生き物が死ぬ瞬間のような、徐々に壊れていく感じがなんとも生々しい召され方であった。
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