第101話
そんなタタにカカはがるる、と唸ってなにかを伝えようとしている。そんなカカを見えて、タタは「この女の子を助けろっていうの?」とカカに言った。するとカカはこくんと小さくうなずいた。
タタがまた生きている人間の女の子を見ると、女の子は眠っているけど、とても寒そうにぶるぶるとその体を小さく震えさせていた。さっきまではそんなことはなかった。きっとあの不思議な光のせいなのだろうとタタは思った。
その不思議な光は今はなくなってしまっている。生きている人間の女の子があんなに高い空の上からゆっくりと落ちてきたのも、影のお城に落っこちても無事でいることも、(きっととてもゆっくりと優しく大地の上に落っこちたのだろうと思った)それから、そのあとでも、この寒い寒い影の世界の中で生きていられるのも、その不思議な光のおかげだったのだと思った。
でも、その不思議な光はもうなくなってしまった。だから、このままほおっておいたら、この生きている人間の女の子はこの場所で、その『大切な命を失ってしまうかもしれない』のだった。
なので、タタは生きている人間の女の子を助けることにした。
助けることにしたのだけど、……。
生きている人間を見るのは初めてだったから、すっごく怖かった。
どうしよう?
勝手に触ってしまっても、いいのだろうか? あとですごく怒ったりしないのだろうか?
と、そんな心配ばかりを、その美しい真っ白な顔のうしろで、していたのだった。




