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VSヤンデレ彼女  作者: 柊夏木ヤヤ
1st season Kanade&Shiho
27/62

答え合わせ~二人で

二十七話です。

今回は前回の続き、そして、奏と志帆が二人で気持ちを伝えあっていく。

そんな回です。

少し長くなってしまいましたが、目を瞑っていただいた上でお楽しみください。

「どういう経緯で倒れたのか全て知ってるもん!」




「「「「 ……え? 」」」」

今日ここに来てからずっとそうなのだが、僕らは何でずっとこうも唖然させられてばっかなのだろうか…。

この子にしてこの親とは正にこの事だ。


「ど、どういうことなのでしょうか……?」

「うふふ。知りたい?知りたいの?」

この人、見かけによらず、かなりの『ドS』なのだろうか。煽る時の顔に悪意が感じられる。

「し、知りたい…です。なぁ、奏?」

「う、うん…。お願いします…。」

「うふふふ。なら教えてあげるー。実はねー、友紀に頼んで皆のお風呂のタイミングに見てましたから。」

「「 いや、あんたらもかい!!! 」」

しかも、主犯の二人と違い、盗聴ではなく、がっつり見ていたということになる。

「と、いうことは…僕らのやり取り、一部始終を……。」

「はい。見てましたよ。」

それは、あまりにも僕らを赤面させる発言だった。

「なんだか皆、青春だねぇー。友紀、あなたはそういう相手いないの?」

「ママ?私、こっちに引っ越してきたばっかりだよ?」

「まぁ、そうよねー…ん?皆、どうしたの?さっきからから黙って?」

「あ、いえ……。」

「ふふ……冗談よ。とにかく、柵の件は気にしなくても大丈夫よ。だから話しておいで。お互い二人での大事な話し合いがあるんでしょ?」

「は、はい!」

「ありがとうございます!」

僕らはおばさんにお礼を言い、二人の下を去った。



「若いっていいわねぇー。」

「ママぁ?折角若いって言われたんだから、おばさんみたいなこと言うのやめたら?」

「あら?友紀もママの事、若いと思ってくれてるの?」

「うーん?どうだろうねぇー?」

「えー!?どっちよ!?」

「少なくとも、こんなふわっとした口調の母親と話してる間はまだまだ私『は』若いなって思うよ?」

「えー!?そっち!?」







僕らは今日の寝室に戻ってきた。戻ってくる間、僕らの間、そして、太一たちの間にも会話はなかった。今頃、あっちは大丈夫かと心配してあげたいが、生憎、今は自分のことで精一杯だ。


そして現在。

今僕達は……

「…………………………。」

「…………………………。」

なぜか、向かい合って座ったまま、黙り合ってる。

「…………………………。」

「…………………………。」

果たして、この沈黙がいつまで続くのか。いや、それは間違ってる気がする。ここは男として僕から特攻すべきな気がする。


「「 えっと… 」」

何でこういう時に限ってハモるかなぁぁ!!?タイミングってものがあるでしょうがあぁぁぁ!!!

「ねぇ、奏君…。」

「え?」

「さっきの続き…。」

「続き?」

そう言えば、さっき……。


『ねぇ、奏君…?この話…二人でできないかな?』


もとは志帆のこの言葉で移動になったんだった。

「うん、いいよ。で、僕に聞きたいことってのは?」

「うん、あのね………奏君は、私と付き合って……私と今、付き合っていて良かったの?」

「………え?」

今、彼女が何を言ったのか全く理解ができない。いや、理解しようとしていないのか。

「志帆、それはそういう意味なの…?質問の趣旨がわからないのだけど?」

「奏君、太一君とお風呂で話しているときに言ってたよね?」


『別れたいって伝えたとき、途中で遮れられ、しかも見たこともないような武器で脅された…。』


「それって、本当は別れたいってことだよね?」

「あ…。」

聞かれてたんだ…。割と聞かれちゃいけないポイント聞かれてました…。

「ねぇ、どうなの?」

ここで、変に取り繕うと、それこそ彼女を傷つけることになる。それなら潔く本当の事を言おう。

「正直に言えば、『最初は』別れたかった。」

「ほら、やっぱり別れたいんだ……って、『最初は』?」

「うん。今はそんな事思ってはいない。」

今のところは。

「ほ、本当に……?」

涙目の彼女が僕に問いかけてくる。その目は本当に毎回毎回反則だろぉ………。

「本当だとも。ここで嘘つくのは志帆に失礼だろうから正直に話すけど、本当は別れたかったよ。だって、怖いもん。見たこともないような凶器を持った女の子と付き合っていられるかと聞かれたら、普通はノーだよ?」

「うぅ……。」

「僕の知り合いの女の子を、皆気づいたら不登校にしちゃうんだもの。そんな恐ろしい光景、これ以上見たくなかったしね。」

「あれは、あのオンナどもがいけないんだよ?奏君の近くにいて、奏君に害を与えるようなあの女どもがいけないんだよ?」

待って!?目が死んでます!死んでますよ、志帆さん!!何があった?君と彼女たちの間には、いったい何があったっていうんだい!?

怖い…。僕は怖いよおぉぉぉぉぉ!!!!!!

「よし、この話は終わりにしようかうん!」

「アノオンナドモ、アノオンナドモ、アノオンナドモ………。」

壊れたぁぁぁ!?志帆さんが壊れたぁぁぁぁぁ!!!

「ねぇ、奏君……。」

「ふぇっ!!?」

「奏君は……アノクソドモなんかどうでもいいよね?当然、私のことが一番だよね…?」

なんか、志帆の伊藤さんたちに対する口調(悪口?)、どんどんエスカレートしていってない!?オンナからクソになってるよ!?

いや、今は申し訳ないけど、自分の身を守ることに徹しよう……。

「も、もっちろんさぁー!」

あれ?なんだろう…。この、某バーガー店を連想させるセリフ……。

そして、なんだろう…。あの志帆の目と手。目に関しては、まるで、標的ターゲットを見るかのように僕を見ている。

そして手に関してだが、右手には、いつものナイフ、左手には……え?スタンガン…?

「カナデクン…。ホントウノコトイッテヨ………。ゴマカサナイデヨ……………。」

自業自得だとわかっていても、さすがに彼女のその持ち物もやり過ぎではないかなぁー?スタンガンとかどこで手に入れるの?Ama◯〇n?

「ネェ、カナデクン、カナデクンカナデクンカナデクンカナデクン…………。」

「待って待って!!それ持ってこっちに来ないで!!?」

ダメだ…。彼女は完全に崩壊してしまったかもしれない。いや『かも』はいらないな…。

「ネェ、ドウナノ、カナデクン?アノゴミオンナタチト、ワタシ、ドッチガダイジナノ!?」

スタンガンがバチバチいってる。もう、話は通じないだろう。こうなったら、行動あるのみだ!

僕はやたら左がバチバチいってる彼女の前に立った。そして、そのまま思いっきり抱きしめた。

「エ…。カナデ……クン………?」

僕は十秒くらい志帆を無言で抱きしめた。そして、体が離れた後……。

「これでわかったでしょ?僕の気持ち…。僕が志帆以外の女の子を見てると思うのかい…?」

「………っ!!」

彼女の顔は、いつの間にか真っ赤になっていた。

「そっ…!えっ…。あっ!うにゅー……。」

え?何、最後の?膝抱えて『うにゅー』って何?可愛い……。もう一回って言ったら、やってくれるかな?

いや、それはさておこう。

「じゃあ、この話はおしまいにしよう。」

きりがない。






一旦、間を取りまして………。


「じゃあ、質問は終わりかな?」

「あ、まだ……。」

あるのかい。

「奏君、私の料理の事話してくれてたけど……。」

「あ、あぁー………あ?」

話しはしたけど、あのドタバタで話した内容がほとんど飛んでしまっている…。

「私、本当に専門学校は入れるかな?」

「違うよ、志帆。入れる、入れないじゃないよ?『絶対に入る』くらいの気持ちでいかなきゃ!僕は志帆を『絶対に入れて見せる』!志帆にその気があればね?」

「う、うん!私、絶対に入れるように頑張るよ!」

「うんうん。」

「そして、奏君が言ってたように、『三ツ星レストラン』とか、『ミシュラン』とか目指すよ!」

「え?」

あ、あぁぁぁぁ!!!!!!

そういえば、そういう会話したんだったわ!!


『あの才能を伸ばしたらきっと将来とんでもないことになるよ!三ツ星レストランとか、ミシュランとか!』


太一にめっちゃドヤ顔であんな事言ったの、今思い出したぁぁぁ!!!!

あぁぁ、本人がやる気出してくれてるのは嬉しいけど、完全に僕、話を盛りすぎてないだろうか…。

いや、大丈夫。志帆ならやり遂げる!きっとやってくれる!何十年後に期待しよう…。




「よし、質問はこれで…?」

「うん、質問『は』以上なんだけど…。」

「質問『は』?」

「うん。あのね、奏君に聞きたいの。別に質問って訳じゃないんだけど…。」

いや、聞いてる段階で質問だと思うんだけどね?

「奏君って、『私の外見が好みのタイプ』だったの?」

「…………………………。」

「奏君?」

「一分時間貰っていい?」

「え?う、うん…。」

しまったぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!

そこの部分の会話聞かれてたかぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!

なんてこった………。これは緊急事態もいい所だぜ、おい………。


「ふぅ……。お待たせ。それで、何の話だっけ?」

「奏君って、『私の外見が好みのタイプ』だったの?」

「ガファッ!!」

「奏君!!?大丈夫!?」

「あぁ…問題ない…。」

「で、でも、吐血……。」

「トマトジュースだと思ってくれれば……。」

「一滴も飲んでないよね!!?」

やっぱり精神的に来るものがあるな、これ。だって、考えても見なされ。自分が外見のタイプを熱弁しているのを彼女が聞いていたんだぞ?それは、きついぞ?

「は、ははは…がふぅ…。」

「奏君!?血の量が!?」

志帆がすぐに駆け寄ってきてくれた。そして気づいたら彼女の顔が近い。けど、天井も見える。なるほど、今、僕は伝説の『膝枕』をしてもらってるのだな。どうりでさっきから頭が気持ちいわけだ。

「いや、何。これは…自分の罪の量だろう……。」

「何をしたっていうの!?」

しかし、ここで話さないってのも男じゃない気もするな…。血吐いたけど。



「よし、素直に話しますか…。」

「え?」

「志帆も仰った通り、僕は志帆の外見がタイプどストレートだったんだよ…。」

「そ、そうな……の…?」

あ、明らかに照れてる。可愛いな。

「でも、奏君さぁ…。」

照れてると思ったら、突然、志帆の体を謎のオーラが纏い始めた。

「私の外見の話してた時、最後の方に、『胸』の話……しなかった………?」

「……………………………。」

した。いや、その言い方には語弊がある。

『した』のではなく、『しようとしていた』が正しい言い方だ。

あの時、確かに志帆のおっぱ………胸について話そうとしたけど、話そうとした瞬間に、柵の音が凄く大きくなって…………………

「……………………………………あ。」

「奏君……………。」

「いや、違うんだ、あれはね!?そのだね…………。」

「…………………………………。」

彼女の視線が冷たい。もう言い訳は通じない。なら、本当の事を言うまでだ!

「正直に話す。確かに、胸の話をした。いや、しようとした。内容はこうだ。僕は巨乳が好きだということ。そして、正直な所、志帆にもうちょい胸があればよかったなぁっと思ってました。」



「バチバチバチバチバチバチバチ…………」


先ほど左手に持っていたものが再び発動された。

「お願い、寝るなら普通に寝たいです…。」

「この話はまた明日ゆっくりね……。」


そして僕は知らない間に寝て(?)いた。

いかがでしたでしょうか?

前書きでも書きましたが、今回、少し長くなってしまいました。

と言うか最近、回を重ねていく度に長くなっていってる感じがします。本当にすみません。

さて、本編に戻って…

志帆もついに奏に色々聞きたかった部分を聞くことができました。

しかし、それより気になるのが……

志帆はついに新武器、スタンガンを手に入れました。皆さんは危ないので決して使わないようにしてください。

そして、それを喰らった奏。果たして目覚めた時、どのような事になるのやら…。

それはまた次回のお楽しみ。


今回も見ていただきありがとうございます。

次回も読んでいただけると嬉しいです。

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