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一章~別れそして出会い~
それは一瞬の出来事だった。青に変わった横断歩道を俺と秋羅が渡っている時、もの凄いスピードでトラックが突っ込んできた。その時、秋羅が俺を突き飛ばしてくれてなければ、一緒に轢かれていただろう。
俺はまた、助けられた―
「―いが、大河!」
「…!」
身体を揺すられて、我にかえる。そこには目の回りを赤く腫らした千鶴がいた。
悪い、一人にしてくれ、と何か言いたげな千鶴に呟き、俺は火葬場を出る。
陽はとっくに沈み、暗い空には幾つか星が瞬いている。
ぼんやりと空を見上げながら、¨あの日¨の事を思い返した―
俺は小、中学、高校の始め、いじめを受けていた。小学校の頃は物を隠すとか可愛いらしいものだったが、中学からは一変、暴力が増えた。高校の始めも変わらなかった。そんな中、俺は秋羅に出会った。秋羅は俺をいじめていた連中を殴り―その後何故か俺の事も殴り―、友達になれと言ってきた。初めてだった。他人から友達になれと言われたのは。
¨あの日¨が無ければ、今の俺は此処にはいない。アイツには色々と迷惑をかけてきた。次はこっちがアイツに何かしてやる番だったのに、なんで…
『なんで死んじゃったんだってね。ケケケ』
「!」
突然後ろから声が聞こえた。振り返るとそこには、
一体のかかしが立っていた。




