17 生まれてくる不穏分子も排除する
暫くは平穏な日々が続いた。
ちょっとした摩擦や衝突は世の中にあったが、事件らしい事件などはなりを潜めた。
騒動を起こす気質や性質の人間が消えてるのだから当然だ。
だが、何年かするとこれらが再び浮上する。
その多くは、若年層から発生していった。
「ガキの中にクズが混じっていたか」
テレパシーで状況を把握したマコトはため息を吐く。
予想はしていたが、実際に出て来ると憂鬱になっていく。
おそらく、遺伝によって悪い形質が出て来たのだろう。
どんなまともな親からでも、クズが生まれる可能性はある。
そのクズが問題をおこしてる。
実際、問題をおこしてる連中は、かつて殲滅したクズと同じ素質や形質を持つ者達ばかりだった。
早速これらを洗脳して自殺させていく。
ただ、これだけでは意味がない。
マコトが動かないと対処が出来ないからだ。
「楽が出来ない……」
それでは困るのだ。
マコトが望んでるのは、何もしなくても出来る快適な生活。
働くなぞ論外だ。
そうしなくて済むように、様々な自動化をしている。
産業の機械化もその一つ。
更に、洗脳した者達に自分の生活環境をととのえさせる。
その為にマコトの周りには使用人やメイドが多数いる。
これらを支えるための費用も税金などのように周りから少しずつ提供させている。
おかげでマコトは自堕落な生活が出来るようになった。
ソファに寝転がって漫画を読みながらピザを食べてコーラで流しこむ───
そんな前世のどこかで見たような言葉通りの毎日をだ。
ここに来るまでに様々な人間を洗脳した。
アカシックレコードから知識や技術をダウンロード、人々に植え付けた。
邪魔になる人間も自殺させて処分した。
この為に世界各国を巡って洗脳を施してきた。
不便な馬車に乗り込み、体を揺らしながら。
その苦労を再びしなくてはならない。
周囲に危害を加える危険人物を排除するために。
必要なのは分かるが、もう自分から動きたくはなかった。
なので、この辺りも自動化していく事にした。
問題のある人間を見つけ出して選別する。
そして、即座に処分する。
その為の方法をアカシックレコードから探っていく。
答えはすぐに見つかった。
ただ、その為の機構・機関作りに時間がかかる。
科学をもっと発展させないといけない。
「しょうがない」
時間については諦める事にした。
必要な設備などが揃うまではマコトが頑張る事にする。
ただし、機構・機関・設備・機能を作るために全力を出させていく。
一秒でも早く自堕落な生活に戻るために。
その為にマコトは全力を尽くしていく。
手は抜かない。
こんな場合ならば。
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