16 発展著しい、しかしまだまだ途上の世界
洗脳旅行の成果もあり、大陸はゆるやかに統一されていった。
表向き、誰が上に立ってるという事はない。
各国がゆるやかな条約を締結し、不要な争いは起こさない事にした。
その上で、文物の行き来の自由化をした。
輸入・輸出の規制を取っ払った。
これにより、様々な食材や資源などが出回る事になる。
ただし、人の行き来はさすがに難しい。
習慣・風俗・考え方に生活の仕方が違うのだ。
そんな人間がいきなり別の場所にいっても問題が起こるだけ。
なので、人が国境をまたぐ事にはそれなりの制限がついていく。
こればかりはどうしようもない。
マコトが望む平穏が乱される可能性があるのだから。
それでも各国が無駄な争いを控えていく事の意義は大きい。
おかげで様々な資源がマコトの国に流れこんでくる。
材料がなくて作れなかった物も生産されるようになる。
おかげでマコトの生活も更に大きな変化を見せていく。
「凄いな」
久しぶりの帰国。
その目にうつる景色は大幅に変わっていた。
舗装された道路が通り、高層建築が目立つようになった。
高架線路も出来上がり、その上を蒸汽機関車が走ってる。
少しずつ量産されるようになった自動車も道路の上に見る事が出来る。
電気も使われるようになり、電柱・電線が目に入る。
生活水準が大幅に上がってきている。
洗脳旅行から帰る度に町の姿は変わっていく。
世界中を巡るといっても、様々な事情で国に戻る事はある。
その都度、文明の発展を目にする事になる。
なにせ、数ヶ月から一年は外国を巡ってるのだ。
その間に変化するのだ。
一気に様相が変わるように見えるのも当然だ。
その変化の恩恵をマコトは体感していく。
家には冷蔵庫、洗濯機、空調機などがおかれている。
これらによって、生活はかなり楽になった。
ただ、まだ求める段階には至ってない。
生活水準としては、大正時代や昭和の初期くらいだろうか?
生まれた直後くらいに比べればかなり便利になってる。
しかし、漫画・アニメ・ゲームがあふれてるわけではない。
創作関係では、映画やラジオドラマなどが活況を呈している。
しかし、その水準はマコトの望むものではない。
前世の水準の娯楽が楽しめるのはまだ先になるだろう。
それだけが残念である。
こればかりは蓄積がものをいうのでどうしようもない。
それでも、生まれてからの間でかなりの発展をした。
この調子でいけば、あと10年か20年で多少は楽しめるものが出来るかもしれない。
そう思って、今は時を待つ事にした。
幸い、この世界には悪書追放運動などはない。
娯楽を排除する勢力はない。
これらはマコトが既に殲滅している。
創作や娯楽の邪魔は誰もしない。
ただ、競争相手として同業者がいるだけだ。
「がんばってくれよ」
切磋琢磨して創作・娯楽産業が発展するのを願うばかりである。
そんなマコトは生活の為に働く必要がない。
収入というか、必要なものは自動的に手に入るようにしている。
生活の心配は無い。
あとは娯楽が出来上がるのを待つだけ。
そして、今後もまた不穏な何かが出て来たら動くだけ。
悠々自適な堕落した人生を歩めるようになっていた。
この時、マコトは25歳。
まだまだ長い余生は幸せなものになる。
そう確信していた。
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