13 娯楽を通して様々な文物を吸収させる。民度はこうして上げてく
人は物語で疑似体験をするという。
時に悪と戦い、時に人生の不条理に泣く。
普段の自分が知らない世界を、創作を通して体験する。
もちろんこれらは空想の中での話だ。
しかし、創作を楽しんでる間、人は自分とは違う人生をたどる。
普段は出来ない冒険におどりだす事が出来る。
そこで人は普段の生活では出来ない人生を歩む。
擬似的な体験・経験になる。
様々な考え方に触れる事にもなる。
本当にそうなのかは分からない。
だが、もしそうならと利用しない手はない。
娯楽を通して様々な考えをひろめていく。
人としてするべき事などを伝えていく。
そうでなくても、文字を読ませたい。
読む事を習慣にしたい。
読むというのも慣れが必要だ。
そして、やってない事は必ず衰える。
知識も技術も。
だから、読む事を日常化させていきたかった。
そうすれば、様々な伝達が出来るようになる。
書いて残しておけるようになる。
書いた事を読むのが苦痛でなくなる。
全員がそうなるのは難しいだろうが、より多くの者が書いてある事を読めるようにしたい。
その為にも読む事になれてないといけない。
馴染んでないものを使いこなす事は出来ない。
だから、娯楽という形で浸透させる。
楽しい、面白い、だから読む。
そういう状況を作り出していく。
こればかりは洗脳だけでどうにかなるものではない。
娯楽を通した洗脳ともいえる。
別に珍しくもない。
前世の世界でも行われていた方法だ。
面白い、楽しい、そんなものを通して人を集めていくなどは。
だからこそ、娯楽を規制したがるものもいる。
自分に都合の悪い事を宣伝してひろげる道具となるかもしれないから。
また、ある一定の者達には娯楽が危険に見えるだろう。
娯楽を使いこなせない、生み出せない、作り出せない者達にとっては。
自分が使えない武器を他の者が使う。
これほど恐ろしい事はない。
だから躍起になって潰そうとする。
マコトの近くにも出て来た。
その多くが宗教だった。
宗教の教えに背くといったものが理由だ。
そういえばと思い出す。
前世でも宗教とか道徳とかを理由を娯楽潰しが行われてたなと。
「邪魔だな」
滅亡・消失させる事に決めた
マコトにとってこういう連中は邪魔である。
せっかく楽しめるものを作ろうとしてるのに、それを遮ろうとしてるのだから。
さっさと消すに限る。
生かしておいても害にしかならない。
だいたい、民度を上げるための方法でもある。
それを阻害するとは何ごとかというもの。
娯楽の規制・排除は民度を下げる。
せっかく娯楽を通して色々な考えを浸透させようとしてるのに。
民衆を愚かにしておきたいなら、この方が良いだろう。
だが、マコトの望みとは相容れない。
ならば潰すしかない。
周囲に危害を及ぼす連中と同じように。
ただ、宗教からすれば商売敵なのだろう。
神話や伝承という、それこそ創作としかいえない物語。
基本的なやり方は娯楽と同じだ。
事実か空想なのか分からない話を使って支持者・ファンを集めるというのは。
今までは宗教が独占してきたものだ。
それを他の者達が勝手に作り出して楽しんでるのを黙って見てるわけにはいかない。
「そんなところか」
宗教関係者などの頭の中を覗いて相手の考えを読む。
呆れるしかなかった。
他にも、世論誘導が思うようにいかない貴族なども動いてる。
こういった者達にとっては邪魔で邪魔でしかたないのだろう、娯楽が。
マコトからすれば、そんな連中こそが邪魔だ。
良い機会だから、全員まとめて処分する。
せっかく浮かび上がってきた問題だ。
見つけたなら処分しなくてはならない。
こうして支配地域から敵対勢力が消えていく。
マコトの支配はより確固たるものになった。
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