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僕と俺の異世界漫遊記  作者: P・W
第一部 覚醒編
42/285

第40話 昇格試験を受けよう(3)

 鉱山はメガラニカの街と魔の森とを挟むような形で存在する高山の中腹にあった。

 このように魔の森と山は接してはいるが、そのあまりにもの山の高さと険しさゆえに、魔の森の魔物もその山を越えることはできず山のメガラニカの街の方面には魔物は殆ど認められない。村娘の説明では、スカルスネイク自体発生するのはおよそ20年ぶりらしく、そのせいで今回はその救助の要請の判断が遅れたらしい。

 簡単な自己紹介をした結果、このしっかり者の街娘の名前は、アレシアと言うらしい。

 彼女はずっと翔太を鉱山までの道中睨み続けていた。おそらく翔太が最終的に本件クエストを引き受けたのが原因だろう。

 その視線が嫌で翔太が何度も笑顔で話かけるが、射殺さんばかりの視線を向けられる。

 チェスはそれを面白そうに傍観していた。チェスに地獄に落ちろと念じながら翔太は山道を歩く。





 2時間程度で目的の鉱山についた。

 目の前の光景に翔太は絶句するしかなかった。スカルスネイクだらけだったのだ。おそらく50体はいるだろう。鉱山にゴキブリのようにウジャウジャ(うごめ)いていて気持ちが悪いことのこの上ない。

街娘アレシアも顔が青くなっていた。

 いくらスカルスネイクの討伐推奨がDクラスでもこれほどいればクラスはDでは済まないだろう。チェスに確認をするが、全く気にする様子もなく『チャッチャとかたずけてね(笑)』などとほざいていた。

 再び地獄に落ちろと念じながら、翔太は頭からスカルスネイクの情報を引き出す。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――


○スカルスネイク  討伐推奨クラスD

■形態:骸骨の蛇 大きい個体は数メートルにもなるものもいる。

■生息地:墓地など

■性質:大蛇などがアンデットしたもの。通常夜間行動をする。

■対策:アンデットであり、聖水、光魔法、聖魔法が弱点。打撃系の攻撃にもろい。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――


(スカルスネイクは夜にしか活動しないはず。なぜこんな真っ昼間からこんなに沢山?)


 まだ日も出ている。それにも関わらずこの凄まじい数のスカルスネイク。若干の違和感を覚えないでもないが、どの道倒す以外に道はない。戦闘にはいる事にした。


「チェスさん。アレシアさんをよろしくお願いします」


 チェスが再度ドヤ顔で親指を突き出すのを見て軽くイラッと来た。もう翔太の好きなようにさせてもらおう。

 目の前には50体ものスカルスネイク。これだけいれば、スキルの等級上げには事欠かない。

 だが《灼熱の石化ブレス》は鉱山に人がいる可能性が高いから使えない。使うとしたら攻撃範囲が狭いスキルのみだ。チェスからラーニングしたスキルを使って等級上げるのも面白いかもしれない。チェスの驚き悔しがるさまを思い描いて悪い笑みを浮かべながら翔太は戦闘を開始した。


 まずスカルスネイクの強さの把握からだ。

刀を抜いて高速で切りつける。一振りで3体ものスカルスネイクがバラバラの骨の残骸と成り果て崩れ落ちる。あまりにもの手応えのなさに拍子抜けしてしまう。

 楽勝だと悟ってから後はスキルの等級上げに使う事に決めた。速く終わらせてもどうせ数分しか違わないだろう。


 一体のスカルスネイクにスキル《雷光》を使ってみた。刀が金色に帯電し大変格好が良い。刀を軽く振ってみる。自分の手がぶれて翔太でさえも視認するのがやっとの速度で振るわれる。スカルスネイクに刀が触れると、雷がスカルスネイクの身体中を暴れまわり、一瞬にして消し炭にした。この帯電は強力なスタンガンのようなものなのだろう。

 確か地球のテレビで以前雷についての特集をやっていた。

 雷は電圧と電流で威力が決まる。スタンガンは電圧については非常に強いが、殺傷することが目的ではないので電流はかなり抑えられている。この電流をあげれば小型の雷と変わらなくなる。おそらくスカルスネイクを一瞬で消し炭にした威力からみてこの電流が異常に高いのだろう。

 こうして、雷光で8体のスカルスネイクを倒して《雷光》の等級をあげた。

 次にまだ一度も使ったときがなかった《毒吐息》を吐いてみた。翔太が口を開けて身体の中から毒を吐き出そうとすると、翔太の口の前に緑色の如何にも毒々しい球体ができた。

 それをスカルスネイクに吹きかけるイメージをすると、球体が泡のようになって広がり前方のスカルスネイクに衝突する。スカルスネイクには何の変化もなかったが、翔太の身体の中に力が湧き上がるのを感じた。スキルのラーニングである。おそらく《毒耐性》でも持っていたのだろう。面白くなって吐息を吐きまくった。

 あまり遊び過ぎたせいか、アレシアが鬼のような顔になっていた。さっさと終わらせろということだろう。仕方ないから終わらせることにする。

 ただ倒すのも何か負けた気がするので、《破斬》により空気の刃を一つだけ出して、スカルスネイク一体ずつ当てて命中の練習に使って倒した。その結果結構命中率が上がったと思う。《破斬》に飽きたら、《水龍》を1体だして、スカルスネイクに当ててスキル上げを行った。その結果、ものの数分でスカルスネイクは全滅していた。

 スカルスネイクの討伐中にレベルが1上がりいつものごとくレベル上昇の際の激しい負荷がかかったが、スキルラーニングの際の負荷がなかったせいか動くこと自体は何の問題もなかった。

 戦闘終了後、戦闘に入る前の表情がアレシアとチェスで完璧に逆転していた。

アレシアはスカルスネイクがさほど強くなく本クエストを楽勝と判断したのだろう。真っ青な顔に赤みが戻り顔一面にご満悦の笑みを浮かべている。

 これに対しチェスは顔面蒼白となり、ブツブツと何やら独り言を言っている。

無論、翔太の人外の耳にはばっちり聞こえてしまう。ヴァージルやネリーのときもそうだったが、ギルドの職員は独り言いう性癖でもあるであろうか? そんな事を思いつつチェスの独り言に耳を傾ける。


(何? あの出鱈目さ。強いとか弱いとかそんな問題じゃない! どれだけ多くのスキル持ってるのさ。

 最初の剣術スキルあれ僕の《雷光》だよね? なぜ使えるの? 

それにスカルスネイクも確かに彼なら楽勝だとは思っていたけど、一応あれでもDクラス、ゴブリンやスライムとはわけが違うはず。普通の冒険者ならAクラスでもパーティーを組んでないとあんな数とても無理なんだけど……)


 このチェスの独り言を聞いて翔太の目論見が達成したと分かりほくそ笑む。初めての戦闘をみて興奮したアレシアから話しかけられた。


「ショウタさん。強かったんですね。見直しました。でも魔物が弱くて安心しました。これでお父さんを探せます」


「ははは……本来弱くはないはずなんだけどね……」


 チェスの呟きも虚しく、アレシアはそれをガン無視して早く捜索をしようと提案してきた。その提案を否定する理由も意味もなかったので翔太達は捜索し始めた。


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