20 『☆』のない双くん
おはようございま〜す!毎日暑いですねぇ〜。さぁ……私は二度寝でもしますか……。(起きろや
「ねぇねぇ〜、今日ってみんな予定空いてる?」
文化祭の出し物が決まった一週間後、また平和な日々が戻ってきていた。
そんなとある放課後、いつもは語尾に『☆』をつけるくらい元気な双くんが真剣な声色で尋ねる。
「え〜、珍しいね、双が予定聞いてくるなんて。オレは空いてるよ〜」
「うん、アタシも今日は空いてる」
「私も〜」
「ボクも空いてるっ!」
朝陽、仁ノちゃん、優衣ちゃんにボク。みんな予定が空いてるようだ。
朝陽の言う通り、双くんが真面目な顔でみんなの予定を聞いてくるなんて……絶対何かあるよねっ?
「ならさ、俺の用事付き合ってよ」
「……いいけど、今日の双、何か変じゃない?」
仁ノちゃんが双くんのことを心配した。けど、双くんは一瞬暗い顔になり、またすぐにいつもの笑顔に戻って『大丈夫だよ』と笑って誤魔化す。
彼なりに誤魔化せてるつもりなんだろうけど、少なくともボクから見た双くんは、しんどそうに見えてしまった。
「俺、今から病院行くんだ。それで、『紹介』したいからさ、ついてきてくれない?」
「病院っ!?」
「双、お前どこか悪いのかっ!?」
朝陽は驚きすぎて、自分が持っていた棒キャンディーをガリッと噛む。
顔面蒼白のまま双くんの肩を掴んだ。
「あは☆ 俺じゃないよ、俺の知り合い。毎回反応面白いねぇ、朝陽☆」
すごく心配されたことに、双くんは気が抜けたのか、心の底から笑って見えた。
双くんの知り合い……。彼女さんとかかな?会えるのは楽しみだけど、病院って単語が出てきたわけだから、入院中?
「彼女とかじゃないよ〜☆ 俺、彼女作らない性格だからさ☆」
「ボク声出てたっ!?」
「飛鳥ちゃん顔に出やすいからねぇ〜」
いつの間にか朝陽は双くんの肩を離していたみたい。だってその肩を掴んでた手は、今ボクの頭の上にあるから。
絶対ボクのことちっちゃい幼稚園児か何かだと思ってるよねぇ!?
振り払いたい気持ちを我慢して笑ってごまかす。
すると仁ノちゃんの顔がちょっとずつ赤くなっていた。
「えっ、意外。普通にいるかと思ってた……。ほら……その……意外と、イケメンだし、意外とノリいいし……」
最終的に湯気が出るくらい真っ赤っかになる。声もだんだんちっちゃくなっていって、可愛かった。きっと仁ノちゃんは相手を褒めるのに慣れてないんだろう。
けど、優衣ちゃんは不機嫌そうに口を尖らした。
「あ〜!! 仁ノが浮気したぁ〜!!!」
「し、してないよっ! アタシはゆ、優衣一筋なんだからっ!!」
今、ボクから見た仁ノちゃんはマジで頭から湯気が出てたように見えた気がする。
なにに対しても本気で受け止めて本気で返す仁ノちゃんはすごいなぁ〜。
「んふっ、仁ノちゃんまた顔真っ赤じゃん」
「「「「うわ、朝陽 (くん)の笑い方キモ……」」」」
さっきまでの和やかさは、朝陽の変な笑い方に飛ばされたようだ。
北風よりも冷たく、ボクたち三人の声と視線が朝陽のことを攻撃した。
仁ノってなんだかんだ愛されキャラなんですよね〜。このメンバーの中だったら一番純粋でピュアピュア(???)だと思ってます!!




