9 東仁ノとは
最近少し投稿止まってて申し訳ないです!!!新しい季節で体調が少しやばくて……。これからも少しずつですが投稿していきます!!!
「これが……、アタシ……?」
鏡に映っているのは、誰が見ても女の子だと思えるくらい可愛いアタシだ。
可愛い……。
「ね、完璧でしょ?」
「うん……」
いつものアタシよりも、輝いてる……!
嬉しさと一緒に、『なにか』も心から弾けた。
ポロッ
アタシの目から、大粒の涙が流れる。
「えっ!? ど、どうしたの!? あ、あんまりだった……?」
「ち、違うよ! 嬉しいの」
『嬉しい』この言葉がこんなにもありがたいなんて。
この言葉の意味が、好きになれるなんて。
アタシの、アタシらしさ、これが。
「やっと……出会えた……!」
アタシの、アタシだけの、特別なアタシ。
「ありがとうっ……! 飛鳥ちゃん……!」
嬉しくて嬉しくて、心の底から感謝の気持ちが湧き上がってくる。
ずっと探していたアタシ、これが……本物の、本当の、かけがえのない、アタシ……!
「うわぁっ!」
思いっきり抱きしめたせいで、バランスを崩してしまった。
ガタッと音を立てて、二人で椅子から転げ落ちる。
「「……プッ、あはっ、あはははははっ!」」
それを見て、二人で吹き出した。
「よかった! やっと自分らしさをちゃんと見れたね!」
「うん! うん!」
自分らしさに目を背けてた日々なんて、もう知らない。
今は、今はもうアタシ自身が誇りだ。
「ボクも、助けられてよかった。とりあえず、嬉しい気持ちはわかるけど、メイクが落ちちゃうから、ね?」
「ぐしゅっ、うん」
飛鳥ちゃんを離して近くにあったティッシュケースからティッシュを取り出す。
優衣……、この姿を見たら、どう思うんだろう。
嬉しさとは反対側に、不安がせり上がっていく。
アタシの近くには必ず不安があるのかなぁ……。気がついたら不安は影みたいにくっついてくる。
移動しても移動しても、どんなことをしても、ついてくる。
「大丈夫。仁ノちゃんは仁ノちゃんらしくいないと」
アタシの心を読み取ったかのように、飛鳥ちゃんは微笑みかける。
「でも……、」
「東仁ノとは何だ?」
「っ!」
重い空気が、飛鳥ちゃんの言葉によってこの部屋全体を包み込む。
急に雰囲気が変わった……。さっきまでの優しい飛鳥ちゃんじゃない……。
試されてる……。ここでアタシが戸惑えば、優衣に認めてもらうなんて簡単に考えるな。そう言ってる気がした。
「あ……、東仁ノは、アタシ。アタシすべてが、東仁ノ。誰にも曲げさせない、曲げられない。それが、東仁ノ」
震えたけど、ちゃんと声は出た。今までだったら、きっと何も出なかったけど……、今回は……。
すると、飛鳥ちゃんはフッと笑って、アタシの頭をなでる。
「ね、なら、大丈夫。自分を信じて、東仁ノを証明してみて」
「優衣に……アタシを」
胸に手を当ててみる。いつもより鼓動が速い。
緊張してるんだ……。手もいつもより震えている気がする。
「見せる……。やってみるよ……、アタシ」
怖いからって、今まで逃げてきた。ずっと、ずっと、否定されるのが怖くて、仲間はずれにされるのが怖くて、でも、実際されてもないのに、勝手に決めつける自分が嫌だ。
そんなアタシが、誰かに認めてもらおうなんて、バカな考えはもうしない。
やらずに後悔するより、やって後悔したほうがいい。
「このまま挑戦せずにこの後、後悔するなら、やって後悔をしたって実感できるほうがいい。そっちのほうが断然マシだよ!」
どこかで聞いた名言、変に心の隅にこびれついていた。
でも、この意味もやっとわかった。
「だね。行ってきな。今の仁ノちゃんなら、世界を変えられるよ」
そっと飛鳥ちゃんは、アタシの背中を押してくれた。
「うん!」
大きく頷いて、自分の部屋の扉を開ける。
「ボクも、片付けしてから行くね!」
飛鳥ちゃんの優しいけど、どこか凛とした声を聞いて、優衣たちがいる下の階へ向かう階段をゆっくり降りていく。
「優衣……」
恐る恐る、優衣と朝陽くんがいる場所に顔を出す。
「……………仁ノ……?」
優衣と朝陽くんの驚く顔。朝陽くんは察したように、アタシの方を見て苦笑いを浮かべる。
朝陽くんの笑顔は、変なものを見る引き気味の笑顔じゃなくて、ただ、自分のことのように考えている笑顔に見えた。
「そうだよ。アタシ……だよ…………」
不安になりながらも、引きつった笑顔で頷く。
「っ!」
血相を変えて、優衣はアタシの家から飛び出した。
「ゆ、優衣っ……!?」
優衣が走って通った道が、アタシには、涙の道にしか見えなかった。
まだまだ優衣と仁ノの話は続きそうです……。ご了承ください。次はやっと飛鳥視点……にはならず優衣視点です……。よろしくお願いします!(何にですかっ!?)




