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相談④
「本当に‥‥辛いよ‥‥未練仏となって会えたはいいが、話を聞くことも、抱きしめることもできない。目の前に可愛い我が子がいるのに、会うこと以外なにもしてあげられない‥‥」
父親の声は震えていた。翔も自分との思いを重ね、涙が溢れてきた。
「でも、私達の泣いてる姿を見たら、息子はもっと悲しく、寂しく、複雑な気持ちになってしまうから‥‥ね、ほら」
父親はそう言いながら、母親の肩をとんとんと叩いた。母親は呼吸を整えた。
「いきなり泣いてしまってごめんなさい。とりあえず、私達も木の下へ行くわ」
母親がそう言うと、3人で木の下へと向かった。
「勝、今日も元気そうで良かった」
父親が男の子へ話かけた。男の子は笑顔でうなずいた。どうやら男の子の名前は勝というようだ。
「今日もお姉ちゃんに遊んでもらったの?よかったわね」
母親が言うと、勝はうなずいた。
「お姉ちゃん、いつも勝と遊んでくれてありがとうね。あなたも大変なのに‥‥本当に本当に感謝しています」
母親がそう言うと、2人は鈴へ頭を下げた。鈴は両手を振って、とんでもないです、という仕草をしていた。




