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すれ違い⑦

翔がふと我に返り、大きく、優しく息をついた。鈴も翔に合わせるように大きく、優しく息をついた。そして2人は抱き合っている体をゆっくりと離した。その時だった。

「パーン、パパーン」

花火が上がった。この花火もまた、ねずみ遊園地では定番のシチュエーションになっている。そして、閉園時間まであと2時間になる合図でもある。

翔は改めて面と向かって、鈴に言った。

「鈴ちゃん、なんか色々うまく伝えられないけど、俺が一つだけ間違いなく言えることは、鈴ちゃんのことが大好きだってことだよ。もっとうまく、もっとちゃんとした形で伝える予定だったけど、俺が不甲斐ないせいでうまくいかなくてごめん。でも、想いはちゃんと伝えたい。まだ高校生で、これから先のことも何もかもまだ見えない、わからないことだらけだけど、俺はずっと鈴ちゃんと一緒にいたいと思ってる。だから、こんな俺だけどずっと一緒にいてほしい。これからも、よろしくお願いします」

「カッくん‥‥うん。私もカッくんとずっと一緒にいたい。私の方こそ、まだまだ子供なところも多いけど、見離さないで一緒にいてほしい。こちらこそ、よろしくお願いします」

鈴もそう伝えると、2人はまた抱きしめ合った。

「カッくん、あと2時間で閉園だよ。この2時間でいかに遊び尽くせるかだよ。ここからが忙しいよ。次の乗り物を乗りに行こう」

「あ、うん」

2人は立ち上がり、再び手を繋いでねずみ遊園地の中へと消えていった。2時間めいいっぱい楽しんで、帰りの電車でもねずみ遊園地の乗り物や、食べ歩きしたことなど、ずっと話は尽きなかった。2人はずっとお喋りをし続けていた。本当に楽しく、素敵で、幸せな一日だった。お互いにそう思った。

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