初めて
「はじめまして。雪城なぎさです。皆さん聞こえていますか。」
初めて自分の声が電波に乗って誰かに届いていると考えると緊張とも興奮ともとれる不思議な高揚感に包まれていた。
とはいってもまだ視聴者数が0を指しているので誰にも届いていないのだけれども、後ほどアーカイブを残すといっていたという事を考えると益々緊張した。
そんなことを考えていると視聴者数が増えた。
「初めまして。今日から配信を始めました。よろしくお願いします。」
事前に視聴者とコミュニケーションを取って配信をしていったほうがいいとアドバイスをもらっていたのを思い出し声を掛けてみる。
そんなことをしていると気が付くとあっという間に2桁の人が見てくれるようになっていた。
「ありがとうございます。こんなに来てくれるとは思っていなかったので。」
普段の自分から考えられない程言葉が出てくる。
『声良いですね。』
『かわいいですね。』
良いコメントが何度も飛び交っていく。
時には少し馬鹿にしたようなコメントもあったがほんのごく一部だった。
そういったコメントが流れたり、人が少しでも減ったりすると気分が落ち込んだが、そう言った感情は出さずに配信することが出来た。
「それじゃあ、また明日。毎日この時間で配信するからねー。」
視聴者はその後も順調に増えていき最終的には80人近くの人が視聴してくれた。




