信じて待つ
「あと何分で本番。」
「えーと、30分かな。」
みゆは時計を見ながら私の質問に答えた。
もっと早く来ると思っていた照が来ずに私は不安で押しつぶされそうになっていた。
「大丈夫かな。」
「照が来ないかもって思ってるの。」
みゆは私の目を見て話しかけた。
「……そうかもしれない。」
言葉を選びながら私は答えた。
「そうだよね。」
みゆは冷静にそう言った。その言葉を聞いて私の心は締め付けられるように痛んだ。
「……みゆ……」
その後の言葉が浮かんでこない。
みゆなら私の不安を吹き飛ばしてくれると思い込んでいた。
だからこそ何と言っていいのか分からなかった。
「ごんちゃん、照が来なかったらどうする。」
「……」
「予定通り配信をする?それともしない?」
頭の中をフル回転させる。口から出たのは頭で考えたものではなく感情から出たものだった。
「……配信する。」
「なんで?」
「みゆと照に約束したから。」
「そっか。」
みゆは満足そうに笑いながら聞いていた。
その顔を見ながら更に言葉を続けた。
「配信終わったら、死ぬ気で探す。」
「探す?照を?」
「うん。」
「でも、照は見つけてほしくないかもしれないよ。」
「それでも探すよ。きっと見つけてほしいと思っているでしょ。」
「でも……」
「遅くなってごめん。」
みゆの話を遮って、照が話しかけた。
「ちょっと抜けるのに時間かかってさ、準備できてる?」
「うん、大丈夫だよ。」
みゆはさっきの話など何もなかったかのように照に話しかけた。




