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道標
ーガチャ
「おかえり。」
「……ただいま。」
帰ると真っ先に親から返事があった。
私はなんとなく気まずく気持ちを込めずに返事をした。
「大丈夫だった?」
「うん。泊まりにいっただけだし。」
「今日はこれからどうするの。」
「夕方また、みゆの家に行くから。」
「また……」
「まただよ。」
そういい捨てると私は自室に籠った。
「ふぅー」
1日だけだったが自室が随分と懐かしく感じた。
みゆの家にいたのは苦痛ではない。間違いなく楽しかった。
抉られる様な辛さがあるときはあったがトータルで見たら間違いなく楽しかった。
それなの自室に帰ると自分が外で落とした何かが補給されるように感じた。
「考えることがいっぱいあるな。」
床に雑に座ると私は誰に言うわけでもなくそう呟いた。
今日の配信の事。vtuberの事。持った先の未来。
考えるだけで頭がいっぱいになった。
だが同時に私にはひとつの道標があった。
『毎日配信を続けていく事。』
この先どんなことがあるか分からないがみゆと約束したこの事だけはどんなことがあって守っていこうと心に深く誓った。




