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自分自身
「失敗したね」
「そ、そうだね。」
後ろから急に声を掛けられ、つっかえながら返事をした。
「みんながみんなやるべきことがあるんだよ。私もそうだし、ごんちゃんもそうでしよ。」
「そうだけど……」
「そうだけど?」
「ごめん。なんでもない。配信の練習しよう。」
「そうだね。ごんちゃんが戻ってきたら打ち合わせしよう。」
「……そうだね。」
「もしかして、帰らない気?」
みゆは私の事を見透かす様に言った。
「そ、そんなつもりはないけど。」
「ごんちゃん。約束は約束でしょ。ちゃんと帰らないと。」
「そうだけど……」
「みんなやらないといけないことがあるんだよ。無理にやれとは言えないけど出来るだけやろう。」
「うん。」
「ごんちゃん。じゃあ約束しよう。」
「約束?」
「そう。今日帰って、毎日配信続けていけばこれから先もずっと私達2人は繋がっているから。」
「つながる?」
「そう、友達よりも家族よりももっと強い何かで繋がっているから。」
「配信を通してって事?」
「そう。ずっと私はごんちゃんの事を見ているから。」
「うん。」
「だから、今は少しのお別れをしよう。」
「また、絶対に会えるから。」
「わかった。」




