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日常
「じゃあ、みんな帰ってきたら配信しよう。」
「わかった。」
「じゃあ、学校行ってくるから。」
みゆと照は玄関先で挨拶を交わした。
その姿を見ているうちに私の心のどこかに何かが生まれた。
「今日ってどうしても学校行かないといけないのかな?」
「え?飛鳥どうしたの?」
治雄なんてわからないが気が付いたら次の言葉を喋っていた。
「いや、今日わざわざ行かなくてもいいんじゃないと思ってさ。」
「なんかあったの。」
照は靴を脱ぎ、私の近くまで寄ってきた。
一日ぶりにカラコンを付けた照に見つめられ一瞬挙動不審になりながらも答えた。
「なんかあったわけじゃないけどさ。」
「なんか準備してないことあった?」
「ないけど……」
「私が出来ることある?」
「あるかもしれない……」
「なに?」
「……」
一つ一つ可能性を潰され、私は勝手に追い詰められていた。
「飛鳥、私は今やらないといけないことがあるの。そのために昨日はやるべきことをやったの。」
「うん。でも学校って……」
「卒業しておきたいの私は。」
まっすぐに言われると私は何言えなくなっていた。
「ごめん。言い過ぎたかな。私にとってはとりあえずは卒業しておきたいの。それ以上でもそれ以外でもないからさ。」
「わかった……」
「じゃあ、またあとで。」
閉まった扉を私はしばらく見つめていた。




