69/99
なぜここに
「ちょ、ちょっと待って。」
「いいから。」
私は再び照に手を引かれ階段を駆け下っていた。
思わず足が絡まり転んでしまいそうな勢いで冷や汗が出た。
「あ。」
「な……なに?」
階段を駆け下った後、照ちゃんは私のほうを振り返った。
「みゆってどこにいるの?」
「え?みゆ?」
「そう。家にいるのかな。」
「多分。今日はここに来てから後でみゆの家に行く予定だったから。」
「そっか。じゃあ。みゆの家まで案内で。」
「ちょっと。待って。」
「なに?なにか予定があったの?」
ーピンポーン
チャイムが鳴った。
最近、私の身の回りでやけにチャイムが鳴っている気がする。
「照。ちょっと見てきて。」
部屋の奥から照の家族の声が聞こえる。
その声にすぐに反応し、照は返事をした。
「今から、出るところなんだけど。」
「いいでしょ。ついでに。」
「……分かった。飛鳥。少し待ってて」
「う、うん。」
照はそういうと私の返事も待たずに玄関に向かっていった。
「はーい。どちら様ですか。」
玄関を開けるとみゆがそこに立っていた。
「すいません八巻さん。ごん……飛鳥さんって。」
「ちょうどいいところにきたじゃん。今からそっちに行こうとしてたんだ。」
「え?」
「ここじゃあ怒られるからそっちの家行っていい?」




