八巻照
青のカラコンに金の長髪は何度も脱色したおかげできれいに色が入っている。
髪質のおかげで髪がほとんど傷んでいないことが彼女の自慢だった。
八巻照は今日もいつも通り学校に向かっていった。
「マッキー。おはよう。」
「おはよー」
後ろから同級生に話しかけられ照は頭を必死に回し始める。
照にとって高校からできた友人の会話はパズルに近いものがあった。
流行をおさえ、空気を読み会話を積み上げていく。そこには一瞬も気の休まる瞬間はなかった。
ふと昔の事が懐かしくなる時がある。何も考えず馬鹿みたいに夢に進んでいった昔の事を。
「マッキー。ちょっと調子悪くない?」
「ごめん。ごめん。すこし寝不足かも。」
「マジー。」
中身はないのに緊張を強いられる会話にもう一度気合を入れなおす。
今日も慣れない一日が始める。
高校デビューをしてから始まった苦行を続けながら照は今日も一日を変わりなく過ごそうとしていた。
過ごす筈だった。
だから、照は今この状態に困惑していた。
いつも通り始業ギリギリに教室に入った所、この前転校してきたばかりのみゆと友達だった飛鳥に立ちふさがられていた。
みゆは転校した初日からクラス全ての人間に話しかけ既に人気を得ていた。私もみゆに関しては特に悪い印象を持っていなかった。
問題なのは飛鳥の存在だった。
「えっと。あの。その。」
飛鳥は何かを言いたいようだが言葉に出来ずにいて、不思議な間が生まれていた。
「え?なになに?なにがいいたいの?」
一緒に登校してきた、無神経な友人が飛鳥に話しかける。
「えっと……八巻……さんに……話したいことがあって。」
「え?なに。マッキーに?だってよマッキー。」
飛鳥は視線を泳がしながら話した。
照はその様子をじっと見つめていた。




