苛立ち
「わざわざ、そんなことで電話かけてくるな!!」
電話も切らずにりなは携帯電話を投げ捨てた。
散らかった部屋に怒鳴り声が虚しく満たす。
「リナ……。」
「なに!!」
恐る恐る話しかけるアーイシャにリナはイラつきを爆発させた。
しかし、アーイシャはそれに怖気ずに言葉を続けた。
「……大丈夫?」
「何が!大丈夫だけど!!」
「……」
みゆと別れてからりなは前面に苛立ちを顕わし始めていた。
前までのりなに戻ったようだった。
ひどい別れ方をしたということもあるがそれ以上にりなにとってみゆが羅針盤となっていたのが大きい。
りなの絶望を救ったのはみゆだった。
全ての負の感情をみゆにぶつけることで自分を保っていた。
「リナ。」
「なに?」
「ミユの……」
「その名前を出すな!!」
アーイシャの顔擦れ擦れにものが飛んできた。風圧で髪が少し揺れた。
普通ならそこで引き下がるべきなのだろうが、アーイシャはそこで引かなかった。
「このままだとリナ壊れちゃうよ。」
「……」
「私にとって、いやリナにとって大きいものだったのは分かるよ……」
「なにそれ、私にとって社長なんて……」
「意地を張るのはやめようよ。私たちはみゆの為にこんな訳の分からない日本なんて国に来たんじゃん。」
「それはアーイシャの個人的な意見でしょ。私を巻き込まないでよ。」
「私にまで意地を張らないでよ!!」
「……意地なんかはってないよ。そもそも私は社長がいなくなって清々としているぐらいなんだから。」
りなはそういうと荒々しいソファーに座った。
アーイシャも何を思うのか黙りこんだ。
このまま嫌な雰囲気が流れるのかと思いきや、アーイシャが喋り始めた。
「リナ…」
「……」
「ミユが出てった翌日電話があったんだ。」
その言葉にリナはソファーから半身を起こしてこちらを見た。




