仲間
「聞いてないんだけど」
りなは冷静な口調で言った。その口調は冷静なろうとして努力しているものでなく怒りが頂点まで来たが故のようなものに見えた。
アーイシャはその事に気がつきながらも、落ち着きながら答えた。
「ごめん、言い辛くて。」
「謝るのは先に何を言ったかにしてくれる?」
「金剛寺飛鳥のイラストを使いたいって。」
「……」
嫌な空気が流れた。
二人の間に言葉にならない言葉が多く交わされたが、実際に言葉を発したのはアーイシャだった。
「それで……」
りなの発した言葉は短かったがそこには多くの意味が込められていた。何より怒りを感じた。
アーイシャはりなを再度見つめ直して言葉を発した。
「許可したよ。」
「なんでそんな勝手な事するの!!」
これまで感じた事がない絶叫だった。
目付き、顔付きからも明らかに変わっていた。
それでもアーイシャは全く怯まなかった。
「なんでダメなの」
「そんな事もわからないの!!」
「わからないよ!みゆはみやで進んでいるんだよ。私は私達で進まないと行けないじゃん。」
「なにそれ。」
「そのまんまだよ。りなは私の事をなんとも思っていないかもしれないけど、私はみゆと同じくらいりなが好きなの。」
「なにそれ……」
「私の気持ちだよ。」
「……」
「私達は私達で進もうよ。」
りなは黙ってその部屋から出て行った。
部屋に残された私は黙ってそこの部屋で待ち続けていた。
私の物語が始まる。
私の主人公の物語では無いもしかしたらずっと脇役なのかもしれない。
私が出演する物語が始まった。
みゆ、りなも全て私が背負ったら行く。
10年、20年、もしからしたら死ぬ間際かもしれない。私はみゆとともにずっと先の未来を目指して歩みを始めた。




