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ではみんなで行きましょう

 僕の索敵魔法はなかなか効果的だったようだ。

 マリンがしばらく呻いてから、


「……では、タクヤだけはついてきていいという事で」

「私も行きたい!」


 そこで真っ先にアリサが手を挙げた。

 すると今度はメメル姉ちゃん達が、


「じゃあ私も」

「私も行きたいです」


 リリルまでそういいだしてマリンは少し黙ってから、


「それで敵の位置と、クラリスの家はどのあたりですか」

「ここですね。そしてクラリスさんの家には……一人、魔法源がありますね。もしかしてクラリスさん隠れているのかな? 周りには、ちょっと離れた所に人影があるだけ。これ……敵かな」


 僕が小さく呟いてそれを見つめる。

 けれど今の所の情報では、クラリスは運がいい事に無事のようだ。

 そして敵の数も少なそう。


「これなら僕達全員で言っても良さそうですね。薬草を持っていく係もいた方がいいと思いますし」

「……それでその地図はどの程度信用できるの?」


 そこでマリンが渋るようにそんな事を言い出した。だから僕は、


「実際に見て頂ければ。もし信用できないのであれば……」

「そうでなければ?」

「僕一人で直接クラリスさんの所に行きます」


 にっこりと笑ってそう告げると、それ以上マリンは何も言う気がしなくなったらしく、深々とため息をつきながら、


「ではみんなで行きましょう」


 そう答えたのだった。








 静かな町の中を歩いていると、そこかしこに石像が並んでいる。

 大通りのような場所は人が混雑していたからだろう、みっちりと石像が並んでいてそれ自体が、道をふさいでいる状態だった。

 だから、そういった混雑する場所は避けて、裏道を使う。


 時々だが僕はこの町に来ていたとはいえ、こういった事情に僕は詳しくなかった。

 ただ、メメル姉ちゃんはよくこの町に来ていたらしくそういった事情もよく知っている。

 だから人通りの少ない場所を案内してくれていた。


 とはいえ、それでも途中途中人はいたらしく、


「服を着たまま石化していますね」

「石化の魔法は洋服から露出している部分にかかって、発動するようだったから」


 僕の何気ない疑問に、さらっとマリンが答える。

 どうやら皮膚に触れると石化に向かうらしい。

 でもこの石化の魔法は“特別”であること以外に特に僕は知らない。


 珍しい魔法だとか歴史に出て来たとか、そういった話しか僕は習っていないし本にも書かれていない。

 けれど今目の前にあるこの危機から、どうして彼等はその石化の魔法に拘り、そしてその魔法を特別に使っているようなのだろうと僕は疑問に思う。

 もっと簡単で使いやすくて敵を拘束できる魔法は幾らでもあると思うのだ。


 その選択には果たしてどんな意味があるのか?

 蛇の果実に、邪教。

 僕はちょっとした疑問を持って、マリンに聞く事にした。


「“邪教”というのは一体どんなものなのですか? 僕はただ歴史に出てきたものでも、“邪教”といった形でしか教わっていません」

「では、誰かに気付かれないよう小声で説明しましょう」


 そうマリンは話し出したのだった。

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