回収完了
それから僕はメメルに連れられて家に向かう。
なんでも、風邪をひいていて、熱が出ているらしいのだが、
「風邪薬が効かないのですか?」
「うん、どうも質の悪い風邪にかかったらしくて。近くの人達もそうなったらしくて」
「……リリルとアリサは、ついてこなくてもいいんじゃないかな? 病原菌が舞っているかもしれないし」
集団での風邪。
その可能性があるから二人はどうだろうと僕は思っていたけれど、ついてくる気らしい。
ちなみに父とマリンは母を家に入れて、少し休むそうだ。
ただ僕がメメルの父を魔法で治してから、マリンも一緒に街の方に向かう事に。
事情説明の大人がいた方がいいし仲間とも話を、との事だそうだ。
ちなみにメルルが本気を出すと、馬なんて目じゃないくらいに一気に道を進めるのだ。
だから僕は町まで運んでもらえるようメメルにお願いしたのだ。
そういった理由から僕はメメルの家に急いで向かっていた。
早く治してしまおう、そう思っている所で僕は何かを感じた。
「あれ?」
「? どうしたの、タクヤ」
「……微弱だけれど魔力を感じるなって。でも、まずはメメル姉ちゃんのお父さんを治してからだ」
僕はそう答えながら、メメルの家に入り込む。
なんでも今朝がた体調を崩したらしい。
それを聞きながらそちらに向かい、回復魔法を使う。
母に今日教わったばかりだが、こんなにすぐに使う機会が来るとは思わなかった。
そう僕が思っているとそこで、先ほどまで苦しそうな息をしていたのが安らかなものに成る。
良かった、そう僕が思いつつ、気になる物があった僕は、
「今朝からおかしくなったんですよね?」
「うん、そうだけれど……それがどうかしたの?」
僕はそれを聞きながらアリサに、
「都市ではやっている風邪って、こんな感じなのかな?」
「! 確かにこんな風ではあったかも。でもそれは自然な風ととても似ているから、一概には言えないけれど……」
「ここ周辺の人でも同じように風邪を引いた人がいるみたいだから、ちょっと直してくる。それに、さっきの微弱な魔力が気になるし」
そう僕は答えて、僕の家に後で戻るからと言って走り出す。
とりあえず周辺の村の人を訪ねて回復魔法をかけてから、先ほど感じた微量な魔力を追いかけて行く。
人が多い場所では感じ取ることは難しいかもしれない、そんな魔力の萌芽を僕は感じ取りつつも、探査の魔法を行う。
それを追っていくと一つの場所に集まっているのに気づく。
もしかしたなら後に回収に行くつもりだったのかもしれない。
でもそれが出来ない状況になった?
「僕の家に訪ねてきた人達だったりして……ありうる」
そう呟きながら僕は、とある家の納屋のような場所に辿り着く。
その裏側にタルヤ農具などが雑多に置かれている場所がある。
この奥に隠されているようだ。
そう思って周りを探していくとそこで、小さな香水瓶のようなものを僕は見つける。
すでにその中にはほとんど液体は残っていなかったけれど、先ほどマリンが使ったような結晶化のような魔法を僕は使う。
僕の頭位の大きさに封じ込めたそれを僕は回収しながら、
「うん、回収完了。さてと、後は来れも持って行ってマリンたちにも聞いてみよう」
そう僕は呟いたのだった。




