普通がいいぞ普通
どうやら持っている身分証明メダル? が偽物であったらしい。
でもそれをどうして、僕の母は見抜いたのだろう?
そもそもどうしてこれが家にあったのか?
膨れ上がる疑惑だけでなく、僕の中で更にむくむくと普段から父と母が呟いている言葉が思い出される。
「普通がいいぞ普通!」
「そうそう、この村でゆっくり暮らすのがいいわ」
そう言っていた父と母だが、そういえば父が前に魔物を一撃で切り伏せていたような気もする。
あの時父は、畑仕事はやはり体力がつくなと言っていた。
そして母は、僕も知らない魔法を幾つか見せてくれたが、
「タクヤが大人になったら教えてあげるわね」
と言われた気がする。
そして現在、僕は母の使っていた魔法をいまだ知らない。
もっとも、僕の能力図鑑がそこまで埋まっていないし攻撃魔法にはそこまで労力をかけていないので埋まっていないという事もあるのだが……。
あれって本当は結構強い魔法なのかなと今思い出してみればそう思う。
あの時の魔物に後に出会った時は倒すのに、あの魔法とか、あの魔法が必要であったわけで……。
これはあれですか?
物語によくある、実は両親が凄い人でした展開に僕は今遭遇しているのだろうか?
そこで彼らの一人が、
「こんな田舎の村に本物を知る人間がいるとはな! 彼らが見つけた有望な子供をかすめ取る作戦だったというのに……」
「説明をありがとう、それでうちの息子にどういった御用があったのかもう少しお話が聞きたいのでまずは、全員倒すか。いや、久しぶりに腕が鳴るな」
そこで楽しそうに父が言うのを聞きながら、僕が何かをする前に、両親がこの謎の人物達を倒してしまったのだった。




