しばらく様子を見る必要がありそうね
僕は何も知らなかったんです、という子供ならではの“無知”を装って問いかける。
これで何とか疑惑を払拭出来ればいいと思った僕だがそこで、
「ではどうしてあれほどまでに、魔法の扱いが上手いのですか? あれほどまでに上手い動き、戦闘に従事していなければあのように動けないと思いますが」
さらにマリンは問い詰めてくる。
く、今のでは納得してくれなかったようだと僕は思いながら、この人はどういえば納得してくれるだろうと考える。
戦闘、田舎で起こる戦闘というのは何だ? と僕は考えて、普段やっていることの一つを思い出した。
「えっと、その戦闘はよく分かりませんが、田舎では森の中で獲物をとってきたりするのに、魔法を使っていました。この魔法、目的の獲物に打ち付けると簡単に捕まえられるので。それに襲ってきた時の防御も必要だったのでそれで使えるようになりました」
「それを今回の戦闘で使ったと?」
「……はい」
僕はそうやって話して頷いた。
田舎なのだから狩猟をしたりするのもままあるだろう。
それに魔法を使うのはそれほど不思議ではないはずだ。
その魔法を使う手段を僕が持っていたとしたなら、だが。
そこでマリンは頷き、
「確かにそうかもしれません、長く引き留めてしまってごめんなさいね」
微笑むマリン。
ようやく納得してくれたのだと僕は思って胸をなでおろす。
そして僕は挨拶をして、その場から立ち去ったのだった。
タクヤが去った後、タクヤの姿を見ながらマリンは一言呟いた。
「やはり、何かに違和感を感じるわ、あの子供。……しばらく様子を見る必要がありそうね」
そしてマリンは、タクヤの“正体”を探るべく動き出したのだった。
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