十四話
「心配すること無い、神置。僕のエタニティはあくまでもSPに依存したものだから、僕の攻撃全ては物理攻撃ではない。痛みは無いから、安心して大丈夫だよ。」
「へえ。言っとくけど、俺の攻撃は全て物理攻撃になるからな。そこは気をつけとけよ。」
「分かってるよ。・・・まぁ、僕には効かないけどね。」
「「「「「キャァァァァァァァァァァ!!!!!!翼様、頑張ってぇ!!!」」」」」
これが、翼への声援。
「「「「「神置ぇぇぇぇぇぇぇ!!!!そのいけ好かない翼を殺るチャンスだぞぉぉぉぉ!!!」」」」」
これが、俺への声援。・・・俺のことを想って声援を飛ばしてくれてる奴は、果たしてこの中にいるのだろうか。
「いくぞ、神置!」
翼の姿が掻き消える。それと同時に、俺は翼が元いたところに向かって、直線的にフィールドの砂を投げる。そして横へと思いっきり飛ぶ。間一髪セーフだったようで、俺がいたところに拳を振った翼の姿があった。ウォンと拳から音がなる。・・・マジか、あんな拳、直撃すれば一発でKOだろ・・。
「なかなかやるね、神置。」
そういい、翼の姿はまた掻き消える。
(感じろ、感じるんだ俺・・・!)
俺は目をつぶる。そう。無我の境地へ。翼を、心で感じるんだ・・・!
「見えグフォォォォ!!!」
どうやら翼の頭突きを背中らへんに喰らったらしい。HPが一気に50近く減る。
「・・・おい、神置さっき目をつぶっていなかったか?」
「・・・ああ。あいつは一体、エタニティを持っている翼に対して何をやろうとしていたんだ?」
「これ、もう勝負は決まったな・・・。」
「よくよく考えてみれば、あの神置が翼に勝てるわけ無いよな・・・。」
「時間、損したわ・・・。こんなの見るくらいだったら、栞羽VS羽燕の試合でもみようぜ・・・。」
「お前らぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
数少ない俺の応援団が女子バトルの方へ。俺は何を心の拠り所にすればいいんだ!応援団は、結構な割合で勝敗を決めるんだぞ!
「ねぇ、神置。・・・僕の応援団を少し、分けてあげようか・・・?」
「クソォォォォォ!!!!敵に同情された!!!」
っていうか、応援団は貸し借りできるものなんだろうか。
「しかたねぇ!おい、おまえら!この俺が、まさかお前らのことを考えていないと思っていたのか!」
「「「「「なにぃぃぃぃ!!!!!」」」」」
一瞬で俺のところに戻ってくる馬鹿。扱いやすっ!
「ああ。お前らのために、今回の試合にもサービスシーンを入れている。」
一瞬で俺に向かって頭を垂れる馬鹿異端審議会の連中。
「あと、五分だ!その時刻ぴったりに、サービスシーンをお前らの為に用意してやる!だからそれまでは、俺を鼓舞しておけ!」
「よっしゃあ!!お前ら、神置を気合入れて応援しろ!」
「「「「「「「「フレー、フレー、神置神置 おっせーおせー神置神置!!」」」」」」」」
「おい、気合がたりねぇ!今度は透けるなんて生ぬるいことはしねぇ、裸は流石に刑事沙汰になるからやめておくが、下着なら大画面いっぱいに見せてやるよ!」
「フレー、フレー神置神置 おっせーおせ、神置神置!!」
欲情した異端審議会が力を振り絞って叫んでる姿。まさに奇人・・・ではなく、鬼神。そのあらん限りの大音量に、翼応援団は圧倒されて声が全くでていない。・・・あとちなみに、羽燕の顔色がどんどん悪くなっていくっていう。まぁ、このままだったら可能性は少ないとはいえ自分の下着姿を全校生徒の前でさらさなきゃならないからね。
「さて、翼。此処からどうする?」
応援の力もあってか、完全に俺に圧倒されている翼。孤立無援とはまさにこのことだ。・・・すまん、恨みは無い。
殴りかかってくる翼。しかし、キレがなくなっており、俺でも簡単によけることができる。所詮速いだけなのだ。・・・本来こいつは温厚であり、あまり喧嘩をしたことが無い。だから、こいつの攻撃は全部ストレートパンチのみ。弱い。おれは、翼の拳と真正面にいなければそれで良いだけなのだ。・・・そして、俺はかなり場慣れをしているため、簡単に筋が読める。しかし、
「ツッ!」
かすっただけ。それだけで、30がもっていかれる。・・・まじか、もう25しか残っていない。完全に逃げの体勢を取る俺。・・・すると、なぜか翼は止まった。そして、羽燕の方を向く。鳴り止まぬ神置コールの中、翼の声が聞こえてきた。
「神置はどうやって、啼の服をはぐんだ・・・?」
時刻を見ると、あと30秒で俺が指定した時間になるところだ。
「啼、気をつけろ、神置が何らかの策を仕掛けてくるぞ!」
そう聞いた啼は、また何か知らない不気味な妖気を纏う。
「・・・おい、神置。お前まさか嘘をついてないよなぁ?」
「まさか。・・・ただし、俺は俺が服をはぐとは言ってはいないぞ。」
「ッッッッ!!!!」
あわてて栞羽とロウキュピテスに目を移す翼と羽燕。
15、14、12、11、10、9、8・・・。いつのまにか、戦闘は完全に沈静化し、沈黙が訪れていた。その沈黙を、俺はあえて破る。
「おい、羽燕に翼。やめて欲しいなら、負けろ。あとでこうかいするなよ。」
「は?なにいってるのよ神置。あなた、この状態で私の服を本気で脱がそうと考えているの?」
「ハハッ。」
思わず笑ってしまう。
「あー、羽燕、お前に言ってるんじゃない。翼にいってるんだ。」
「なんでよ!被害が及ぶのは私なのに、なんで翼を心配するのよ!」
「おいおい。俺の発言を見返せよ。いつ何時俺が、お前の服を脱がすと言った?」
「は?・・・まさか神置、時運が優勝するためにとか言って桜の服を脱がすなんてこと、しないわよね。」
「当たり前じゃないか。・・・・・・なぁ、サービスシーンの意味、分かるか?」
「知っているわ。女性のエロを見せることでしょう?」
「違うな。それが、偏見と言うんだ。」
「はぁ?」
「正解はな・・・。」
俺は一呼吸おく。
「異性のエロを、見せることなんだよ。」
「は?私の言ったことと大して変わりないじゃない。」
「いいや、違う。」
「?」
「異性・・・。つまり男子→女子ということだよな。」
「そうだけど・・・。」
「それ以外にも、女子→男子もある。」
「そうだけど、それは今の状況にあてはまら・・・!!!」
俺はそれを言うが速いか翼にむかって突進する。翼は一瞬反応が遅れたようだが、その反応は反射に過ぎなかったようだ。また前を向く。・・・エタニティを起動している限り、何をやっても傷はつかない。俺が突進してこようと蟻が突進してこようと核ミサイルが向かってこようと全く関係ないのだ。閉めようと殴ろうと蹴ろうと痛くも痒くもない。・・・だからこその、油断があった。勘のいい羽燕は俺の今からやることを察したようで、必死に逃げろと翼に合図を送っているが、もう遅い。
「くらえこのリア充王子!」
俺はそう叫ぶと、翼を引っつかみながら翼のズボンを引き脱がした。
1,0。ジャストタイム、と俺は心の中で叫ぶ




