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俺の愛銃はレールガン【超電磁砲】 剥奪された世界最強の勇者  作者: その辺の双剣使い
三章 召喚者の目的

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第37話 反乱



 日増しに横暴さを増していく、異世界からの召喚者たち。そんな彼らの目に余る行いに対し、王都の市民たちの間ではある事が囁かれていた。

 神の代行者と言われてはいるものの、その実彼らはハルバの使徒を騙る悪魔の遣いなのではないか。

 そんな噂が、市民達の間で広まり始めていた。


 ハルバ教の教会には、いくつかの派閥が存在する。

 その中で、召喚に関わった本部の司祭たちと対立する勢力が、教会の権威を回復させようとその噂を流していたのだ。


 噂が広まった事により王都では、市民たちが街を一斉に脱出する事態に発展していた。

 殆どの召喚者たちが王宮を離れていたことも、それに拍車をかける理由となった。

 更には、その状況を好機と捉えた各地の諸侯が、一斉に反乱の火の手を上げ始める。


 王宮に仕える臣下や兵士達の間でも、その話が盛んに行われるようになっていた。

 彼らは次第に、自分達の立場に不安を感じるようになっていく。

 明らかに不味い状況に、新国王から離れる事を決意する者達があとを立たず。王宮からは一人、また一人と臣下や兵士達が姿を消していった。


 いつの間にか周りから人が消えていく状況に、奏多は当然の事ながら激怒していた。

 自分から離れていく者達に対し、天罰を与える。そう決意した彼は、各地に散っていたクラスメイト達を王都に呼び集めた。


「どんどん人が消えてくって言っても、奏多があたり構わず殺しまくってるからね。逃げ出したのか殺したのか、どっちだか分からない状態になってるようにも思えるけど」


 そう揶揄する亜里奈に対し、特に怒る事もなく。奏多は、不敵な笑みを浮かべながら、戻ってきたクラスメイト達に向かって宣言した。


「王様ごっこはもう終わりだ! お前らにはこれから、神に対する供物を徴収しにいってもらう! この王都とも、もうすぐおさらばだ! それまでに、きれいさっぱり都の浄化を済ませておくぞ!」


 クラスメイト達がゲームを行っている間、奏多は武神体についての新たな情報を得ていた。

 天の声によって、次なる行動を示されていたのだ。


 新たな啓示。それは、ムーンガルド大陸とは別の大陸である、アーリア大陸という場所に向かうこと。

 彼ら召喚者たちに与えられた、新たな目的である。

 もはや、この大陸は用済み。とばかりに、奏多は最後の祭りを盛大に行う事にしたのだ。


 リーダーの宣言により王宮を出た召喚者たちは、好き放題に殺戮と略奪を開始する。

 既に、多くの住民が王都を逃げ出している。とはいえ、半数近く残っていた市民たちは、突然の暴挙により大混乱に陥った。

 理不尽な攻撃に晒された人々は、彼らの無差別な殺戮にただ怨嗟の声を上げるばかり。力を持たない彼らは、逃げ惑う事しかできなかった。


 祭りの様子を見るため、一緒になって町に繰り出していた奏多。その凄惨な光景を目にして、彼は満足そうだ。


 一つ、彼にとって僅かに気がかりだったのは、聖也の安否についてであった。

 彼とは召集の際にも、やはり連絡を取る事ができなかった。

 その状況からみても、フレイアによって殺された可能性が高い。

 奏多はそう考え、彼らの生存を半分諦めていた。


「どうせ必要になれば、略奪しながら移動していくんだし。ここでお宝や物資を沢山手に入れても、荷物が増えるだけじゃないの?」


 そう問う亜里奈に対し、奏多は不敵な笑みを浮かべながら答える。


「これは俺を小馬鹿にしていった連中に対しての、天罰でもあるからな! それにアイツらだって、盛大に楽しんでるみたいじゃないか」


 腹いせというだけで、ここまで酷い行いができるものなのか。

 そう感じる亜里奈だったが、それを口には出せない。

 彼女はただ、この行いを冷ややかに眺める事しかできなかった。



☆☆☆



 仲間たちとの会議を行った結果、俺は実家であるヴァーニア侯爵家の城に帰っていた。

 魔力砲の生産が終わった後すぐに、グリーラッドの領地を出発したのだが。転移陣が使えるため、僅か半日程で実家に到着する事ができた。


 応接間にて。

 俺が帰省した事を、大袈裟に喜ぶ親父殿。


「久々に会えて嬉しいぞ、ディールよ! レイチェルが手紙を送ってから、まだ三日しか経たぬというのに。連絡を受け取り、すぐに駆けつけてきてくれたのだな?」

「実家の危機と聞いては、すぐに駆けつけないわけにも参りません。取る物も取り敢えずに馳せ参じた次第です」

「そうかそうか! 旅の疲れもあろう。すぐにでも、状況の説明を始めたいところではあるがな。まずは風呂にでも入り、ゆっくりと旅の疲れを取るが良い!」


 ありがたい申し出だ。ここの風呂場は、広くて気持ちがいい。

 兄達が、陰で何を言うか気になるところだが。俺は久々に、実家の風呂を満喫させてもらうことにした。



☆☆☆



 ディールが応接室を出ていくと、すぐに次兄のスネイクは舌打ちをしながら悪態をついた。


「ちっ! あの野郎、フレイアを連れてきたのかと思いきや、一人で帰ってきやがったぜ! 召喚者に一撃で倒されるような奴じゃ、糞の役にも立たないだろうな」


 長兄のレイチェルも同意見のようで、期待外れの結果に残念そうな顔だ。


「やはり、フレイア殿の説得は失敗したようだな……まぁ、状況はかなり変わったようだから、あんな奴でも居ないよりかはマシか……」


 二人の言い様に、スコットはいい加減に呆れたといった様子。

 しかし彼は、いつものように怒る事はせず。今回に関しては、淡々と息子たちに向かって説き始めた。


「どうしてお前達は、ディールの事をそんなに目の敵にするのだ? 実家の危機と聞いて駆けつけてくれた弟に対し、労いの言葉の一つでもかけてやったらどうなのだ?」


 いつもとは感じが違う父に少し驚きつつも、スネイクはあくまでもその主張を貫き通す。


「しかし、父上! 聖剣も返納させられた今の奴では、召喚者を相手にするには役不足。それに兄上だって、期待を裏切られたんだ! こんな反応をするのも仕方がないでしょう」


(私はそんな事を訊いているのではない)


 そうは思いつつも、呆れたスコットは完全に黙ってしまう。


 もはや、どうにもならない我が子らの確執。

 父は、この兄弟の行く末を案じずにはいられなかった。

ここまでで、約10万文字となります。

三章ごとに、10万文字を少し超える構成となっております。

と言うことで、次の回で三章は終了です。

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