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39話

王城からの帰りの馬車では、父親であるスチュワート侯爵が、「無事に終わって良かった。無事なのか。いや、そうだ。これで良かったんだな。」とあらぬほうを見遣りながら独り言のようにぶつぶつと呟いていたので、ひとりで暇を持て余したメイリーンは、外の景色を眺めたり、宝剣を後でシロちゃんに見てもらおうと思いついたりと、うきうき、そわそわしていた。



そして、王都の屋敷に着いたので、着替えに部屋に戻っていたが、シロちゃんに宝剣を見せる間もなく、メイドから、父親が発熱してしまったと知らせを受けた。

その知らせを聞いて、メイリーンは、父親が朝は顔色が悪かったことからも、溜まりに溜まった疲労と、王族や宰相とのお茶会に娘を連れて行くという大仕事が終わった後の気の緩みが原因ではないかと思った。


メイリーンは身支度が済み次第、メイドのシャーリーを連れて、父親の部屋の前に来ると、すでに母親が中にいて、仕事の書類を執事に片付けさせていた。



「あら。メイリーン。国王陛下から剣を下賜されたそうね。おめでとう。さすが、私たちの自慢の娘だわ。」


「お母様、ありがとうございます。」


「前例もなく、こんなに名誉なことはないわ。さすがは私たちのメイリーン。お父様が発熱してしまうのもわかるわ。おほほ。」


「…私のせいだったのですね…。」


「じょ、冗談よ。お父様はお疲れだっただけよ。もうすぐ医師が来るから、メイリーンは私とお茶を飲んで待ちましょう。あなたもひと息ついて、休まないとね。あなたの好きな紅茶に、好きなお菓子を用意させるわ。そうね、シロちゃんも呼びましょうか。あなたのこと大好きな可愛い子だものね。

そうそう。宝剣授与のお祝いは何が良いかしら。ぜひあなたの希望を聞きたいわ。お母様に聞かせてちょうだい。

ね。ほら、行きましょう。」


「…はい。お母様。」


ちょっとした冗談のつもりが、ショックを受けてしまった娘を見て、慌てて機嫌を取る侯爵夫人だった。


医師の診察が終わり、過労によるものだとつげられた。二日程はぐっすりと眠り、栄養のあるものを食べることになった。その後は体調を見ながらの判断だ。

よって、しばらくは自室にこもりきりとなった。




◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆




貴族の社交シーズンが終わったことで、父親は休養を取ったが、メイリーンは日常に戻った。マクロンが実家の屋敷から通ってきて、授業が再開したのだ。


ただ、講義はできるが、訓練は難しい。当然だが、王都で威力のある魔法を放つことはできない。

そこで、メニューを変えて、いつか宝剣の披露の場があるかもしれないメイリーンには、剣術と、宝剣特有の使い方を学ばせることになった。


マクロンは子爵家の次男なので、当然のように剣術を扱えるが、他人に教えるには経験が足りないので、護衛のジョンも参加していた。



「メイリーン様、素晴らしい動きです。今日中に基本の型を習得してしまいそうですね。」


「そうなのですか。やはり、良い講師に恵まれると捗りますね。」



マクロンとメイリーンのいつも通りの褒め合いだが、側で補助をしていたジョンは些か嬉しさが顔に出てしまっている。



「それにしても、メイリーン様は体を鍛えていらっしゃらないはずなのに、体力がありますね。頭脳だけでなく、身体能力もずば抜けていますね。」


「そ、そうですね。か、神の思し召しに感謝しています。」



生まれた時点でHP100なのだ。ステータスの存在をすっかり忘れて、その後どうなっているか把握していなかったが、これはまずいのでは…とメイリーンは一気に動揺してしまった。



「みなさま、私、しばし、休憩をいただきたいです。」


「ええ。そうしましょう。」


「かしこまりました。」



急に休憩を取りたがったが、七歳児にはやはり訓練はきついのだと思われただけだった。


そして、メイリーンは自室に戻ってひとりになると、気になる、あれを調べた。



「ステータス、オープン。」

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