38話
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王城でのお茶会では、国王ヨハンの遊び心から始まったゲームの末に、見事に正解を言い当てたメイリーンに宝剣が下賜された。
「陛下、幼い子女に剣を与えるとは前例もなく、意味深長に捉えられますぞ。」
「良いではないか。既に社交界に出た身であるし、なによりメイリーン嬢ならその宝剣も使いこなせる日が来るであろう。まあ、飾っておいてくれても良い。そんなに重く考えるな。」
「はあ…。」
「ほれ、盛り上がっておるだろう?」
宰相ディーンの諫言をさらっと躱した国王ヨハンは上機嫌のまま、そう答えた。ディーンはやれやれとため息をついて引き下がった。
国王たちのやり取りも聞こえないほど、王子たちはまだ興奮していて、次々にメイリーンに話しかけていた。
「メイリーン嬢、そなたは鑑定の能力があるのだな。素晴らしいな。」
「他の宝剣や魔道具もわかるのかな?試してもらってもいい?」
「僕も鑑定したい!宝剣をみてもいい?」
「ええ。アウグスト様、ありがとうございます。フェルディナント様、エドゥアルト様におかれましては、ご随意に。」
「こら、フェルディナント、エドゥアルト。良さないか。」
「お兄様、気になりますよ〜。鑑定ですよ!鑑定!」
「そうですよ。この宝剣がどんな音色になるか気になります。」
「お前たち、陛下の御前でのお茶会だぞ。少しは落ち着くんだ。」
「うう…。すみません。」
「えー。宝剣のこともっと知りたいのにー。」
「ごほん。メイリーン嬢、騒がしくして申し訳ないな。」
「いえ、皆さま、大変仲がよろしいようですね。私には兄弟がいませんので、羨ましいです。ふふふ。」
そう言って不意にメイリーンはくしゃっとした笑顔を見せた。そして、傾国の美少女の笑みは、王子三兄弟の心臓を一瞬ぎゅっと鷲掴みにした。
メイリーンとしては、前世が年上だった記憶から、王子たちの子どもらしいはしゃぎっぷりに気が抜けてついつい微笑んでしまっただけだけれど、王子たちは急に美少女のパワー全開の笑顔を受けて、どきっとさせられていた。
「ほうほう。さすがはアンドレの娘だ。」
「陛下、楽しんでますね。しかし、なんとも予想以上の威力ですな。」
「………。」
楽しそうな国王ヨハンに、ツッコミをいれつつ感心する器用な宰相ディーン。スチュワート侯爵だけが、渋面になり、無言だった。
大人たちが小声でこそこそと話し合っているのに気がつかず、王子たちとメイリーンは四人で話すようになっていた。
「それでは、メイリーン嬢はあのマクロンから魔法を習っているのか。それはスパルタで大変だろう。」
「それが、訓練は長くても午前午後を合わせて一日四時間程度なのです。日によっては、講義があるので、更に短くなります。」
「そうなのか。意外だな…。噂では、新進気鋭で己に厳しい人物と聞いているが、他者には優しいのだろうか…。」
「ねえ、メイリーン嬢、魔法はどのくらい使えるの?」
「そうですね…。マクロン様が指定した魔法に限りますが、中級魔法を訓練中です。」
「すごい。中級かあ。私も素質があったらいいなあ。」
「僕も。早く使ってみたい!」
「私も少し中級魔法は習っているが、素質が一属性のみだから…、メイリーン嬢は余程習得が早いようだな。」
フェルディナントとエドゥアルトは、まだ扱えない魔法自体にはしゃぎ、アウグストは若干七歳のメイリーンが既に中級魔法の訓練に入っていると知って舌を巻いていた。
アウグストは学院生活で王族として自身が周囲に持て囃される場面に何度も遭遇していたが、メイリーンと知り合ったことで、世界の広さを感じていた。
「陛下、そろそろ仕事に戻らねばなりません。」
「そうか。皆、名残惜しいが本日のお茶会はこれにて終了となる。実りのある時間を過ごせて嬉しく思う。また会う日を楽しみにしている。特にアンドレ、数日後に会おう。」
「承知いたしました。」
「うむ。それでは。」
そう言って、国王ヨハンの周囲に侍従たちが侍り、部屋の外にいる騎士たちが礼を持って迎え入れていた。
そして、王子たちも別れの挨拶をすると、名残惜しそうに帰っていった。
そして、最後に宰相とスチュワート侯爵、メイリーンが退室した。
これにて、無事に王族や宰相とのお茶会が終わったのであった。
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