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ロケットパンチが神殺しの剣より弱いのは不満なので覆します  作者: 黒井 冥斗
第2章:村の再興は安全保障という難敵がいます
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第42話:ステーキ店での邂逅

第42話:ステーキ店での邂逅

ユルミナもレイラも可憐な美少女だが、剣の打ち合いに関しては互いに容赦はなく、そして極めて高度なものだった。


「レイラ先生!私の力はまだこんなものではないです!」


ユルミナさんはあらゆる方向から斬撃を加えるが、レイラは全て弾き、「甘いよっ!」と言って、一瞬で鍔迫り合いにまで持ち込み、見た目的には力負けしそうなレイラがユルミナさんを押し飛ばして、体制を崩したところで、レイラが首寸前で剣を止める。


「うん!ユルミナさんだいぶ良くなったよ!良い剣筋してる!」

「ありがとうございます!レイラ先生!」

「じゃあ、振り返りに移ろうか。まず、ユルミナさんの剣の方向は……」


レイラの剣術分析は驚くほど的確と言わざるを得なかった。剣の構えから斬撃方向の順番、全て弾かれたら先に鍔迫り合いに持ち込めば多少有利になる事など。武力教団で護身の剣術を学んでいただけはある。


「じゃあ、ユルミナさん。剣を見せてもらえる?」

「はいっ!先生!」


俺は疑問に思う。剣術指南で剣の状態を見る必要があるのかと。無論錆び付いていたら問題だが、遠目から見る限り、ユルミナさんの剣はかなり状態が良い。


「うーん……力加えすぎかな……斬撃は剣へのダメージも考慮しなきゃいけないから、強く打ちすぎると寿命の低下をもたらすからね。ここ、少し削れてるでしょ?」

「はい、先生!」

「この削れ方は無理やり力を加えられた事による削れ方の特徴なんだよね」

「恐れ入ります……先生」


その後もレイラ先生の講義は続き、時間は既に17:00を過ぎていた。


「2人とも、俺がご馳走するから晩御飯にしよう。アリーナ姉さんも今夜は書類仕事があるって言ってたからね」

「「はーい!」」


2人の美少女を連れながら完成して、営業してるレストランを探してるとレイラが1店舗を眺めていた。


「レイラ、あのステーキ料理店が気になるの?」

「うん、なんだかとても美味しそうな香りがする」


確かに店に近づくと、スパイシーな香りと肉を焼く音が鼻腔をつく。


「ここにしようか、ユルミナさんもここでいい?」

「街長に奢ってもらってる身です。文句は言いません」


俺は「そうか」と返して、お店に入るとアラム中将とエスターリア閣下、ミリエル教官の三者面談が行われていた。


「おっ!ディレオスはん!ええとこに来た!ちょいええか?」

「ディレオス君、せっかくだ。街のリーダーとしても聞いておいて損はないだろう」

「ディレオス、教官として命じる。そこの2人の女の子も一緒で構わない、参加してくれ」

「はぁ……2人ともいい?」

「「大丈夫です」よ」


店員さんがすぐに駆け寄り、席を繋げてくれて、2人は離れた席に座らせ、4人面談へと移行する。


「エスターリア閣下がいらっしゃるということは相当な案件ですね」

「うむ、ロムス家の当主として、ディレオス街戦略防衛の中核の1人として、意見を述べたい」

「それじゃあ、ギルド連合軍の情報言わせてもらうで。既にこの大陸内に人類の天座が拠点を構えてる可能性が高い。おまけにほぼ総戦力や。普通に戦えば莫大な死人が出る。そしてこの街もタダじゃすまへん」


俺は絶句した。レオーサー帝国が本気で動き出したこと他ならない、この現実を。だが、奴らの目的はほぼ確実にレイラだ。レイラを地下室に監禁などはさせたくない。同時にレイラ自身が自己防衛を徹底する必要もある。

厳しい選択肢に、息を飲みながら考えに、考え、自分の世界に入り込む。


「……ス……ディレオス」

「はい!」

「教官として問う。お前なら向こうの目的も理解してるだろ?どう動く?」

「あえて動かない……のも選択肢かと……移動は情報計画に基づいた行動が必要になる以上、漏れたらおしまいです」


ミリエル教官は「うむうむ」と聞き、1枚の書類を差し出す。


「これは……?」

「我々3名の考えた簡略化された計画だ」


俺は書類を見ながら、再び思考に明け暮れる。計画はレイラを階層宮に待避させて、どこの層にいるか分からなくさせるというものだった。しかしこれはレイラには大き過ぎる負担だ。あまり許可は出したくない。


「どこの層にするかは……」


隣に座っているアラム中将がポケットに手紙を入れてくれた。


「機密事項や。簡単には言えへん」

「そうですね……迂闊でした」

「難しい話ばかりしていても頭は回らないだろう。そろそろ食事にせぬか?」

「だな、エスターリア殿」

「せやな、おっちゃーん最高級ステーキ6人分!」


厨房から元気な声で「はいよー!」と聞こえ、俺達は安心しながらお冷を飲む。冷たい氷水が熱くなった頭をクールダウンさせてくれる感じはいつになく、落ち着きを得れるものだった。


「エスターリア閣下、レスティアは?」

「魔導通信機にも応じないな……かなり集中してると父親として信じたい限りだ」

「そう……ですか……」


静かな重い空気が訪れ、ただお冷を飲むだけの時間が過ぎる。

すると店主と店員さんがステーキを黒い鉄の皿でジュージューと焼けてるステーキを各自の手前に置いてくれる。


「難しい話の最中だと思いますが、どうかこのステーキでリラックスして頂けたらと……」

「ありがとうございます」


店員さんと店主が去ろうとした時に、ミリエル教官が店員さんを呼び止める。


「店員殿、さっきまでどこにいました?」

「えっ……店内の掃除を……」

「私の気配探知からは感じなかったぞ」

「本当に店内を掃除してたんです!店主に聞けば分かりますよ!」

「その店主は散弾銃を向けてるようだが?」

「なっ……!」


店内空気は一気に張り詰め、一触即発の事態へとエスカレートした。互いに武器を構え、いつ抜剣や発砲してもおかしくなかった。


「店員は無事だよ。怪我もさせてない。御手洗で眠らせて、拘束してるだけだ」

「店員の安否も大事やけどアンタさんは名乗らんのか?」

「名前は時に呪術の標的にされる要因にされる事くらい理解してるさ。もし、あなた方ディレオス街の幹部の皆様が我々人類の天座と共闘する気があれば3日後に以前異適が出現した階層宮前に話がある人を集めてください。来なければ我々も覚悟を決めます」


そう言うと店員さんに変装した男性は煙幕弾を地面に撃ち、即座に姿を消した。あまりにも一瞬過ぎて、こちらも動く隙がなかった。


「3日か……考えたな」


ミリエル教官の呟いた言葉にアラム中将とエスターリア閣下は頷く。どういう事か俺は尋ねると答えは一致していた。国際ギルド連合軍の最強戦力達が間に合わないギリギリの時間だということだと。


「お兄様……レイラこの街の為なら……」

「ダメだ、レイラは俺達が守り通す。それが大人とお兄様の役目ってもんだ。レイラは安心してくれ」

「でも……レイラ……お兄様達が傷つくのは嫌だ……」

「それは俺達も同じだ。レイラが傷つくのは嫌だ」


レイラは何も言わず黙ってしまい、俺はレイラの手を握り、誓いと共に伝える。


「レイラは俺たちが守る。レイラはいつも通り笑顔でいてくれ」

「う……うん……わかった!お兄様も皆様もどうか怪我しないで……」

「任せてくれや、レイラちゃんを泣かせる真似はレイラちゃんの旦那候補としてする気はあらへん」

「レイラ、君は優秀だ。この件が解決したらぜひうちの生徒になって欲しい。我々は大歓迎する」

「レイラ、君には未来がある。未来がある少女の将来を潰すような真似は私の娘を裏切るようなものだ」


3人の覚悟を聞いて、俺も安心した。3日間で対等な交渉ができるようにならなくては……

「3人とも、明日ディレオス街最高幹部会議を開く」

「「「了解」」」


その後は気まずいステーキを食べ終え、今回は俺が全員分の食費を出して私邸へと戻る。

これからだ、これからが本格的に厳しくなる……

ご拝読いつもありがとうございます!今日早めに投稿したのはこのロケットパンチシリーズが不定期投稿になるのでいつもと違う時間帯に送らせてもらいました。

商業化もあり得れば急いでしっかりしたものをお作りしますが、ちょっと別作品のミリタリー魔法少女作品がかなり自信のある出来栄えになったのでそっちに注力したいと思い判断した次第です…読者の皆様は助けられてもらってここまで来ました!ありがとうございます!

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