第一章 目覚め
書き溜めしてから投稿すればよかったと絶賛後悔中です
----------------------------------------------------------------------
23/02/16 一部修正と途中投稿してしまっていたので追記しました。
「キャーーーーー!!!!!」
ある晴れた気持ちのいい春。心地の良い眠気に誘われるお昼を少し超えた頃、散歩の帰り道にそれは突然聞こえてきた。
声の方を見ると高級そうな馬車を囲う三人組の男たち。声の主は馬車から引き摺り出された女性のものらしい。従者らしき二人は地に伏している。すでに敗れたようだ。
「ど、どなたかお助けをーーーむぐっ」
女性は髪を振り乱し、必死に逃げ出そうとしている。しかし、男二人に組みつかれており、遠目には猿轡のようなもので口も塞がれてしまったようだ。万事急須にみえる。
周囲を見渡すが、助けてくれそうな人はいない。否、そもそもあたりに人がいない。
馬車からわかるようにこの人たちはどこかの王族かなにかだろう。この道を通ることを予め調べ、人払いまで済ませていたに違いない。
となるとボクは子供ということで見逃されたのだろうか。ボクは意を決して近づくことにした。
「どうされたんですか?悲鳴のような声が聞こえたんですが・・・。」
ボクは三人組に問う。
「あ?見てわかるだろ?オレたちは今忙しいんだ。あっちにいきな!!!」
しっしっと手で追い払うことができると思ったのか、まるでコチラを見向きもしない。
明らかに悪いのはこの人たちだろう。仕方ない、天に代わって誅伐を下そう。
「おじさん。その女性を離してあげてよっ・・・と。」
「ぐぁぁぁぁぁ!!!!!」
ボクは腰につけた剣を抜き、一番側にいた盗賊の右手を切り落とした。
ようやくボクが剣を構えていることに気付いた仲間たちがこちらに目を向ける。一人はナイフを、一人は斧を構え、血走った目で睨んできた。
「て、てめぇ・・・!殺してやる!!!」
「ガキが!イキってんじゃねぇぞ!!!」
まずナイフの男が突っ込んできた。
ボクは剣の腹でナイフを捌き弾く。キンッという甲高い音が鳴り響く。
「うぉらーーー!!!!!」
次に斧を持った男が振り上げ構えている。ボクは自分から斧を持った男の懐に潜り込む。ブンッという空気を切り裂く音を聞きながら、すれ違いざまに切りつける。
「ぎゃぁぁぁぁぁ!!!!!」
男は痛みのあまり地面をゴロゴロ。子供が駄々をこねてるみたいだ。
次第に痛みに耐えられなくなったのか静かになる。
「な、なんなんだよオマエ・・・。こんな話は聞いてないぞ!!!」
ナイフを持った男の顔が恐怖に歪む。まさか十と三つばかりの歳の子供にここまで簡単に負けるとは思ってもいなかったのだろう。
男は逃げ出そうと背中を見せる。しかし、そんな暇は与えない。
「がぁぁぁぁぁ!!!!!」
ボクは男の脚を切りつける。これで逃げることはできないはずだ。
「い、命だけは・・・た、たすけて、、、」
男が命乞いをしてくる。ボクはそれを無視して、女性の猿轡を外す。
「助けてくれてありがとうございます、勇者様。ワタクシはリアリーナ・プリマベーラ・ロドクロース・レフコス。レフコス領の王の娘でございます。アナタ様はどちらの方でございますか?」
「申し訳ありません。ボクは答える名がないんです。この先にある教会で育てられました。・・・もうボクしかいないんですけどね。」
「まぁ、そうだったんですの!アナタ様がいなければワタクシは身ぐるみ剥がされ、きっと彼らの慰み者となっていたことでしょう。感謝してもしきれません。なにかお返しできることはありませんでしょうか?」
彼女はボクの顔を下から覗き込むように上目遣いで聞いてきた。淡いピンク色の髪の毛が地面についてしまいそうだ。しかし、王の娘か。
「そうですね。では名と新しい仕事をいただけませんか?」
ボクはかなりの難題を吹っ掛けた。名をいただくとはつまり、ボクの身を貰い受け、新たな人生を歩ませてもらうことだ。いくら王の娘でもそれは・・・。
「では、ワタクシの騎士になってくださらない?ご覧の通り、付人は伏しておりますので。騎士になってくださるのであれば、名を授けましょう。」
まさか、、、即答とは恐れ入った。そんなにボクの存在って軽いの・・・。でもまぁ、自分で言ったんだし、、、。
「喜んで。アナタの騎士となりましょう。」
「はい!アナタ様はこれからハーミタイル=フリューリング。よろしくお願いいたしますわ。ハル様?」
こうしてボクとリリ姫は出会った。
ーーーーーーーーー------------------ーーー-
頭が痛い。とにかく痛い。いったいボクはなにをしていたのだろうか。記憶もあやふやだ。長い夢を見ていたようなそんな気分。二度寝をキメたいが布団がない。仕方ないので起きるとするか。
目を開け周囲に目を凝らす。薄暗いのはまだ夜中だからなのだろうか。ほんのり見えるのは書斎のような本棚に本や骨董品と見られる壺、年季の入っ甲冑や儀礼用の剣など。
思い出した。
そうだ。ボクは魔王を倒した。それからリリ姫に駆け寄って、それから・・・。
「おはよう、マイマスター。お目覚めはどう?」
声の主の方を見るとそこには探し求めていたリリ姫が座っている。
手には湯気が立ち昇るカップを持っている。
「・・・?」
少なくともこれまでリリ姫はボクのことを『マイマスター』などと呼んだことはない。まだ夢でも見ているのだろうか。
ボクは問う。
「アナタは誰・・・ですか?リリ姫・・・いえ、リアリーナ様ではないのですか?」
「まぁやだ!ワタクシはリアリーナですわ、ハルくん。ワタクシを疑うんですの?ひどいですわねっ!」
やっぱりおかしい。リアリーナ様、いや、リリ姫ではない。
ボクは身体を起こし、立ち上がる。
「アナタがリリ姫でないことはわかりました。姫を返してください!」
「まぁまぁ、落ち着いてよ。おかしいな、ちゃんと真似したつもりだったんだけどね?ハルくん・・・いえ、ハーミタイル=フリューリングくん?」
そう言うと彼女はカップを置き、ボクの名を呼んだ。
「なぜその名を・・・!!!!」
ボクは後ずさる。この名を知っているのは名付け親のリリ姫のみ。姫からいただいたこの名は知るものはほかにいない。騎士団にも『ハル』としか登録していない。いや、正しくはできなかった。
『フリューリング』。この名は敵対する陣営の神の名だった。
当時、無知だったボクに冗談半分で付けたらしい。いかにも品行方正でお淑やか(に見える)雰囲気を醸し出していたリリ姫がそんなイタズラをしている可能性を全く考慮せず、名を授かってしまったためだ。
「ふふっ」
彼女は不敵に微笑む。
設定の矛盾とか直してたらだいぶ過ぎてました。。。
書き溜めしよう、そうしよう。




