40 不労所得 ヒャッホイ!
昨日の昼過ぎに街へ戻り、メミズ討伐のいきさつをギルドに報告した。
依頼内容<メミズ討伐>
1匹小銀貨2枚 討伐数4~5匹 人数4~6人 Dランクへの依頼だった。
だから本来 激昂の請け負う仕事では無かったが、E ランクのボク達に経験を積ませるため選んだものだった。
ボクだけDランクだけどみんな知らないし、パーティーで考えるとEになるからね。
だから今回の仕事は、報酬一人900シリ程度の 全員にとってさほど旨味の無い仕事のはずだった。
思いがけずメミズの数が多かったので、ギルドの手数料1%を差し引き一人9,675シリの報酬になり、さらに追加の報酬が付いて一人12,000シリになった。嬉しい誤算だ。
清算の時 依頼書に不備があったことをアリスが謝っていた。
俺達のいい経験になったし怪我無く報酬も多かったから問題ないよ!と、ラグが軽く受け答えをしてた。
その日は、そのまま休養を取るため解散になり、村長さんからお礼にと渡されていた土産のジャボデンを持って、セルジュと家へ帰った。
二日続けて食べるジャボデンの感想は、評価しがたい味でした。
家族には、好評だったけどね。
今朝のドライは、とても静かで窓辺に置いた植物にもたれ癒されているようだ。
砂漠の乾燥した空気が合わなかったのかな。
ラグ達と会うのは、午後約束だから、ゆっくりできる。
そう思いながら朝食を食べに降りて行くと、セルジュも家にいた。
そして、ミアもいる。
兄さんと二人で食事をとりながら一昨日のメミズ討伐の話に花を咲かせていると、突然ミアが横から不機嫌な調子で話し出した。
「本当なら5日後 セルジュ兄さんも一緒に仕事で王都に行く荷馬車に乗る筈だったのに。ノアと一緒に冒険者したいなんて理由で、家の仕事ほっぽり出すなんて…無責任よ」
「その事は、チャンと話し合っただろ?たった3年なんだよ。僕にもそれくらいの自由あってもいいと思わない?」
兄さんは、少し呆れた顔でミアをなだめる。
小さい頃からセルジュの後を追ってばかりいたので、同じ年頃の友人がミアにはいない。
これは半分 ボクのせいかもしれないなと少し責任を感じてしまう。
ミアも冒険者登録してれば、もう少し状況が違ったかもしれない。
お店の従業員は、年の離れた人ばかりだしな。
そこへ 母さんが少女を連れて居間に現れた。
「今日からお店で働くことになった、レイチェ10歳よ。初めて仕事をするの、年も近いしミア貴方が色々教えてあげてね」
前から妹を欲しがっていたミアの顔が、パッと明るくなった。
それにしても、何処かで見た事のある顔だなと思っていたらシャーが答えた。
((ノア ストラダム村で助かった女の子と同じ匂いがします))
((どおりで…))
母さんが、レイチェについてそれ以上詳しく話さなかったので、ボクも黙っていよう。
嬉しそうなミアが、母さんと一緒にレイチェの手を引いて店に向かった。
ミアのいい友人になってくれたらいいなと思いながら見送りふとセルジュを見ると、きっと同じ気持ちなんだろう微笑んで見送っている。
今度は、入れ違いで父さんがやって来た。
一昨日の晩 セルジュに言われた設計図とついでに実物を持って、昨夜父さんにハンモックを見せていた。
父さんは、普段の雰囲気と違う顔でボクに向き合う。
「この設計図を店の職人と一緒に見せてもらったよ。いい出来だ。ノア 設計図をトーマス商会で買い取っても良いか」
プレゼントしたと思っていたので、余りの言葉に驚いた。
「父さんそれは、アイテムバックのお礼だよ」
「アイテムバックは、お祝いの前倒しだからお礼なんていらないよ。それより設計図は、ノアの発案だが、制作する時友人の協力があったんだろ?なら 報酬を受け取って皆に分けてあげなさい」
そう言って、鞄から革袋を4個出した。
随分重みを感じる膨らみ方だなと思い 恐る恐る中を確認すると、一人大銀貨500枚 5,000,000シリ!大金だ。
「皆に渡す時は、ギルドにお願いをして個室で渡しなさい。係の人を呼んで、そのまま入金して貰ってもいい」 と助言も忘れない。
それからボクには、利権があるから商品の売り上げから2%を支払うと言われ 売値は、椅子が1つ中銀貨1枚 ハンモックが大銀貨1枚だそうだ。
「利権の事は、他の人に話さない方が賢明だ」 と軽く釘を刺さ終え仕事に戻って行った。
父さんを見送った後セルジュが興奮してボクの手を取りはしゃいだ。
「凄い ノア良かったね!おめでとう」
「ありがとう。兄さんのおかげかな」
「そんな事無いよ助言しただけで、何もしてないんだから」
セルジュは、自分の事のように喜んでいる。
ボクが助言のお礼だとお金を渡そうとしたが、頑として受け取らない。
本当に出来た兄貴だ。
革袋を鞄にしまい部屋に戻った。喜ばしい事だが、落ち着かない。
約束の昼まで少し時間があるし、どうしようかな。
何かに没頭したい気分だったので、ディメーションに砂場を作る作業の続きをする事にした。
ディメーションも最初は、4畳ぐらいの広さで狭かった。
それを 数年かけて学校の体育館2個分の広さになったのが、9歳の時。
まだ 広げる予定。
サンドを使役した時から 先に砂場がいるなと考えていた。
砂場と呼んでいるがイメージは、深さ3m幅3m長さ25mのプールだ。
これが、なかなか進まない。
半年かかって、やっと2mの深さになった。
イメージで掘り下げるので労働力はいらないが、精神的に疲れる作業だ。
作業にもだいぶ慣れて、進み具合も早くなっているので、
今週中に掘り下げたい。
それが終わったら、長さ20m地点に深さ2.5mの仕切りを作る。
大きい方に砂 小さい方に水を入れるつもりだ。
水を入れる理由 海岸の砂は、湿った部分と乾いた部分があるので必要かと思い、今まで定期的に砂にミストをかけていたけど、完成したらその手間が省けるだろう?
ぶっちゃけ 後々楽をする為のひと手間だ。
そろそろ時間かな?ディメーションの外に出て隠蔽を解く。
部屋に鍵が無いから見つからないように用心するのは、当然だよね。
「穴に落ちないよう気を付けるんだよ!」サンド達に一言声を掛け閉じた。
噴水広場で3人を待つため腰かけていると、シャーが話しかけて来る。
((ノア 相談があるのです)) ((ん 珍しいね。何?))
((我が掌握したウルフに 街や人間に興味を持つモノが出てきました))
((へ~それで?))
((そのモノが、是非ノアに会いたいと言っています))
((ん~会ってどうするのかな?面倒くさい事にならないかな))
((分かりません。街に立ち入らないように止めていますが、勝手に来られても迷惑になるかと))
((そうだね…いつ会うの、遠いの?))
((呼べば すぐにでも近くの林まで降りてくるでしょう))
((ん~分かった。じゃ~する事も無いし今日会いに行くよ。そう伝えて))
((承知しました))
話が終わったシャーは、そのまま微動だにしない。
ドライのように 同じ種族だと伝える手段があるのかもしれない。
3人がやって来たので、広場は人が多いから金額を隠して手早く話を伝える。
臨時収入だと喜ぶ3人を見て、金額を知ったらどんな顔するかな?と少し楽しくなってきた。
皆でギルドに行き、アリスに個室を借りたいと伝え暫く待つ。
アリスに呼ばれ部屋に入り、皆が椅子に落ち着くのを待って鞄から革袋を出したが、この時の皆の表情!吹き出すのを堪えたよ。
「これ一体 いくらあるんだ?」「何かの冗談だったら許さないぞ」 スミスは、呆然として声も出ないみたいだ。
「落ち着いて聞いて、これは正当な報酬。トーマス商会が支払ったんだ。金額は、一人大銀貨で500枚。父さんは多分 皆の親に言わないと思う。だから それぞれの親に報告するかしないかは、皆の自由だよ」
「これはさすがに、両親に黙っていられないな 僕」
「半分通帳に入れて半分持って帰るかな。父ちゃんビックリするぞ」
「そうだな、串焼き一本20シリだぞ食い放題だな!」
トリルの意味不明な発言は、置いといて 係の人を呼んで入金手続きのお願いをした。
部屋を出て処理を待っている間 ラグが依頼を受けるか聞いてきたが、ボクはシャーの用事でウルフに会いに行くと話したら、皆も一緒に付いて来る事になった。
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