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Das Heldenlied Neu ヘルデンリート・ノイ  作者: Siberius
Neu Artemidora
36/196

漆黒の魔女バシュヴァ――モルヴァン、マヴァハ、ネヴァハ

ツヴェーデン軍は数を頼みとするのではなく、少数の精鋭による波状攻撃へと戦術を転換してきた。

そんな前線にスルトは立っていた。

180メートルはある長身に、屈強な肉体、全身を覆う甲冑、スルトの姿はひときわ異彩を放っていた。

スルトは豪剣を振るう。

スルトの雷霆がすさまじい攻撃となってエリート兵に襲いかかる。

その時である。

ツヴェーデン軍で動きがあった。

「ベッカー(Bäcker)司令官!」

「むう! いったい何事だ?」

「市民が、市民が蜂起しました!」

「なんだと!? ツヴェーデン軍の通常戦力でつぶせ!」

「は! ぐわああああああ!?」

「!? 何事だ!?」

ツヴェーデン兵たちは頭を押さえて倒れこんだ。

司令官のベッカーも例外ではなかった。

これを見てスルトは。

「戦友諸君! 若き狼がやってくれた! 若き狼はアルテミドラを倒したのだ! 我々の勝利だ!」

「おおおおおおおおお!!」

聖堂騎士たちの叫び声が空にこだました。


「よかった……魔女の洗脳が解けたのね。セリオンがアルテミドラを倒したんだわ」

「その通りだ。もっとも、そのおかげで私自ら相手をしなければならなくなったが……」

「あなたは……?」

そこに赤い魔女が現れた。

魔女は赤い髪で前髪を角のようにセットし、煽情的な赤いドレスを着ていた。

ドレスから大きなバストがはちきれんばかりに強調されており、ドレスの丈にはスリットが入って、魅惑的な太ももをさらしていた。

「あなたは……ドリスさん?」

「ほう……よく気づいたな。ドリスというのは偽名だ。私の名はアルテミドラ。暗黒の大魔女アルテミドラだ。さて、おまえには来るべき戦いの証人になってもらおうか。私といっしょに来るがいい。黒縛こくばく!」

アルテミドラは黒い鞭をからめてエスカローネを拘束した。

「ああ!?」

「さて、では行くとしようか。この私の宮殿『幻宮げんきゅうラビュリントス(Labyrinthos)』へとな。


アンシャルは後方支援部隊の指揮を執っていた。聖堂の中はさながら野戦病院と化し、シュヴェスターたちが運ばれてくる人々を回復魔法で癒していく。

アンシャルは食事と食材の手配まで指示していた。

テンペルがツヴェーデン軍に勝った。

ゆえに少し凝った料理を出すよう、命じた。

後方支援部隊隊長はアンシャルが務めている。

この部隊は補給、糧食、医療といくつかに分かれていた。

アンシャルは聖堂を出た。

「アンシャル!」

「おお、セリオン! アルテミドラを倒したのだな?」

「いや、俺が倒したのは黒魔女ヘカテ……つまり偽物だ」

「なんだと!? ではアルテミドラとの戦争はまだ続いているのか……」

「ねえ、セリオン……」

「母さん? どうしたんだ?」

「私、見たの。赤い魔女がエスカローネちゃんをさらっていくところを」

「何だって!?」

「赤い魔女は言っていたわ。ゲートは開けておく。私の宮殿に来るがいいって」

「……」

「行くんだろう? エスカローネを取り戻しに?」

「ああ、俺がエスカローネを助け出す。そしてアルテミドラを倒してみせる! 闇の支配は終わりだ!」

「セリオン、気をつけて……」

セリオンはゲートに入った。

すると両サイドに階段があるフロアにたどり着いた。

「ようこそ、これはお客人。英雄セリオンよ」

「おまえたちは……」

セリオンの前に見知った三人の魔女がいた。

「漆黒の魔女バシュヴァ!」

「私たちのことをよく覚えていましたね。かつての言葉通り、おまえにはここで死んでもらう!」

モルヴァンは黒い大鎌をかかげた。

モルヴァンは武器を変えていた。

「我らが真の力を、ここで見せてくれよう」

「あたしたちが今度こそあんたを殺してみせるからねー!」

とモルヴァン、マヴァハ、ネヴァハ。

「ゆくぞ!」

モルヴァンは漆黒の翼をはばたかせて、セリオンに大鎌で斬りかかった。

セリオンは回避する。

闇氷槍あんひょうそう!」

マヴァハが闇の氷の槍で突き付けてきた。

セリオンは大剣で払いのける。

「死んじゃえ! 紫炎槍しえんそう!」

ネヴァハが紫の炎の槍を出してきた。

セリオンはそれを大剣で受け止める。

そこにモルヴァンが大鎌を構えて接近してきた。

モルヴァンが大鎌を振るう。

セリオンは大剣でそれを受け流す。

セリオンは蒼気を解放した。

すさまじいプレッシャーをセリオンは周囲に送る。

「くっ!? これほどの力を持つとは……」

「この私が……震えている? バカな!」

「あ、ああ、ああああ!?」

「漆黒の魔女バシュヴァ! 今日はおまえたちが死ぬ日だ!」

セリオンはネヴァハに狙いを定めた。

この手の敵と、複数で戦うのは不利だ。

敵の数を減らすことを最優先にする戦術が有効だ。

セリオンは三人の中でネヴァハが最も弱いと見て取った。

ゆえにネヴァハを狙った。

セリオンが蒼気をまとってネヴァハを攻撃する。

ネヴァハは紫炎槍で防ぎつつ、圧倒された。

「くっ!? この!? なめんな!」

セリオンはネヴァハを蒼気で攻撃した。

ネヴァハの槍が折れる。

「な!?」

「まず、一人!」

セリオンがすかさず、蒼波斬を叩き込んだ。

「がっ!?」

ネヴァハが血を出して落ちた。

「ネヴァハ! よくもネヴァハを! 死ね! 青き狼!」

マヴァハが逆上してセリオンに突き付けてきた。

セリオンには都合のいい展開だ。

マヴァハは槍先から氷を矢のように発射してきた。

セリオンは蒼気でこれを粉砕する。

セリオンは、蒼波刃を二発マヴァハに放った。

「くう!?」

そして一気にマヴァハに近づくと、セリオンは蒼波斬で斬った。

マヴァハの槍が折れて、セリオンの斬撃はマヴァハを斬った。

マヴァハが落下する。

「マヴァハ! おのれ、許しはせんぞ!」

モルヴァンが鎌を構えてセリオンに攻撃してきた。

モルヴァンは自らの技を出す。

「死ぬがいい! 死鎌しれん!」

闇の刃の鎌がセリオンに向けられた。

セリオンは光の大剣を出した。

光と闇がスパークを起こす。

「くっ!? これが私の本気だ! 闇月斬あんげつざん!」

モルヴァンが三日月のような闇の斬撃を出した。

「くっ、やるな! だが!」

セリオンは全力の光輝刃でこれを押し返す。

セリオンはモルヴァンの鎌の柄を斬った。

「なっ!?」

モルヴァンが驚愕する。

セリオンは光子斬こうしざんをモルヴァンに叩き込んだ。

光の粒子が大剣にまとわれ刃となり、モルヴァンを斬る。

「がはっ!? ま、まさか……漆黒の魔女バシュヴァが全滅するなんて……」

モルヴァンも落下した。

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