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誤字報告ありがとうございます!

 


 ストンストンと大きなゴーレムを丸ごと【アイテムボックス術】で【アイテムボックス】に収めつつ進むこと半日。

 おかげでスイスイ移動できたし、そのぶん結構進んできたかんじがする。


 アーシュレシカの情報が合っていたようで、なんの攻撃もすることなくゴーレムを【アイテムボックス】に収納できた。

 なので早速【堅牢なる聖女の聖域】にゴーレムが接触と同時に【アイテムボックス】行きになるように【アイテムボックス術】を組み込んだ。

 コインダンジョンと同じ方式を取れたよ。ヒャッハー。


 そしてアーシュレシカがいうには、のちほどこれらは【アイテムボックス術】のスキルで【アイテムボックス】内の、魔石とゴーレムのガワに分離することもできちゃうそうな。【アイテムボックス術】万能すぎ。


 まあ、俺はほら、アレなんで。

 いつも通り【アイテムチャージ】にそのまま突っ込んじゃえとか思ってたんだけど、通路を進んでいくうちに岩でできたロックゴーレムの他に鉄でできたアイアンゴーレムや、銅製のカッパーゴーレム(ブロンズじゃなかった)その他、銀製金製プラチナ製、ミスリル製にアダマンタイト製のゴーレムなんかも今のところでてきている。


「【アイテムチャージ】もよろしいのですが、魔石や希少ガワの活用もございますので残しておいていただければ幸いにございます」


 なんてアーシュレシカにいわれた。

 なので今のところそのまま【アイテムボックス】に突っ込むだけ突っ込んどくにとどめることになった。

 ガワと魔石に分解する仕訳はアーシュレシカが【アイテムボックス術】でしといてくれるそうなのでお任せする。

 この場合ドロップ品って出るのだろうか?

 出なそうだな。うん。


 それよりも今はお金には困ってないのに【アイテムチャージ】グセがついてしまっていたよ。

 ほどよいレベルの魔石はいろいろと使い勝手がいいらしいから【アイテムチャージ】にいれるより使った方がいいっぽい。


 ここのゴーレムはレベル20から80程度なので、魔石の使い勝手はよさそうだ。

 ん? レベル50以上はアウトなんだっけ?

 ま、いっか。




「シロネを見つけました」


「おお。案外早く見つかったな」


「はい。しかしシロネの周囲に複数の生命体の反応があります」


 ゴーレムしか出ないようなところに生命体?


「敵性反応はありません」


 え、君そんなことわかっちゃう機能あったの?!

 そういやさっきもスルーしちゃったけど、生命体反応があるとかないとかもわかってたよね?

 そんなスキルあった?


 久遠の騎士にもとから備えてある機能かなにか?

 それともスキルブックか? もしかしてスキルブックの数にものをいわせてあらゆるスキル網羅してるのか?

 たくさんあっても使い道ないなーとか思ってたけど、有効活用してくれてるみたいでよかったよ。



 敵性反応がないということなので、とりあえず声をかけ……


「セージさまーー!」


 ようと思ったらあちらから声が。

 だよね。

 獣人だもん。

 そりゃ気づくか。

 人間より目も耳も感覚も優れてるもんね。


 何よりシロネはレベル通りに身体数値が上がってるみたいだし。

 俺と違って。

 俺はレベルだけの人に成り下がってる。やさぐれるしかない。むしろやさぐれて然るべきである。



 俺に気付いたシロネが手を振りながらこちらに駆けてくる。

 めっちゃ笑顔だ。

 普段振らない尻尾まで振ってる。

 あんな胡散臭いシロネ、未だかつて見たことがない。

 あ、なんだか寒気がする。


 俺がとてもすごくしっかりとドン引きしていると、シロネが合流。

 にっこにこのシロネ。


 なんだこいつ。拾い食いして変なものにあたったんじゃなかろうな?


「気持ち悪いですよ、シロネ」


 アーシュレシカがストレート過ぎて頼りになる。


「だってここまで迎えにきてもらえてすごく嬉しいっすもん!」


 そしてオーバーリアクションを込めてそんなことを言った。


 んー?

 なにかのアピールか?

 迎えに行くことは既に知ってたよな?

 アーシュレシカとスマホで連絡を取り合ってた。

 通話じゃなくて文字で。

 てことはここでもまだ話せない何かがあるってことなのか、それともただシロネの猫かぶりが進化しただけなのかだな。


 見ればさっきまでシロネがいた場所から死角になるように、シロネとアーシュレシカがにこやかに無難な会話をしながらスマホをいじっている。


 そして俺は見えている。

 シロネより更に後方に複数の人影が。


 ゴーレムとかではないな。

 人っぽい。

 獣人だな。


 めっちゃこっち見てる。

 ここは視線に気づかないふりをしとくとこだよな。

 それが大人の気遣いってもんだろ?


「あのー」


 ぶおっふっ!


 至近距離から控え目な声が掛かった。


「……」


 隠しきれない驚きを隠しつつ声のしたほうをゆっくり見る。


 困り顔のお猫な獣人っ!

 思ったよりめっちゃ近くにいるうっ!

 耳打ち距離!

 こわっ!


 と思うもなるべくおくびにも出さず風を装いお返事を。


「なにか」


 と。


 ふてぶてしさを視線に乗せて改めて猫さんを見ると、猫さんはずささーっと俺から距離を取って祈りのポーズを決めた。


 なにそれこわい。


「よ、妖精族の方とは知らずご無礼をいたしました! どうか私の命ひとつでご容赦を!」


 おう。

 いつのまにか命のやり取りになってる。

 妖精族って俺が思う以上に傍若無人めとか? 

 なんだかばーちゃんの外ヅラに興味が出てくるよね。


 そしてやっぱりばーちゃんに似ていると言われる俺のこの顔はここ西大陸人に対してはどこ行ってもアレなんだね。


「じ、自分はあまり目がよくなくて、そのっ、近づいて見てしまうクセがあって」


 猫さんだもんね。

 猫って近眼らしいって身近な賢者から聞いたことがあるよ。


 シロネもアーシュレシカも猫さんが俺に近づくことを気にしなかったってことはきっと無害な人物なんだろうし、なにより常時(たまにポンコツ化する)結界があるから俺の精神の安寧以外の問題はないし。


 いや、心の安寧が脅かされるのはあってはならないな。うん。


「危害を加える意思がないのなら問題ない」


「それはもちろんでございます! ありがとうございます!」


 気合いの入った返事に改めて腰が引けると、すっと俺と猫さんの間に情報交換終わりの久遠の騎士さん。


「問題ございます。大声で大げさにご自分が他人にされたら困るような態度を我が主は嫌います」


 ありがとう直球担当のアーシュレシカさん。

 でももうちょっとなにか言い方あったと思うよ。

 嫌いていっちゃってる……。

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