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「工藤の過去」
同じ頃、工藤俊一の元に、思いがけない人物が現れた。横浜時代に工藤が追っていた事件の関係者、佐藤明、二十八歳。格闘系の巨漢で、東京のとある組織に属しているという噂の男だった。
「久しぶりだな、工藤さん」
工藤の顔が強張った。
「……佐藤。お前、なんでこんな所に」
「休暇だよ、休暇。俺だって、たまには田舎でのんびりしたい時もある」
佐藤は飄々とした様子で笑ったが、その目の奥には油断ならない光があった。
秋月が横から割って入る。
「お前、工藤の何を知ってる」
佐藤は秋月をちらりと見て、意味深に笑った。
「秋月さん、でしたっけ。工藤さんが横浜で何を追ってたか、知ってるなら分かるはずだ。……ま、今日は本当にただの偶然だ。信じるかどうかは、お二人次第だがね」
そう言い残し、佐藤は去っていった。工藤の背中には、冷や汗が滲んでいた。
「秋月さん、まさかとは思いますが……」
「ああ。あの組織の関係者と、隣に越してきた三人組……偶然にしちゃ、出来過ぎてる気がするな」




