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第六章 拡散 第二十七話「斎藤の失態」
同じ頃、ロドリゲス斎藤は、一石たちとの一件をすっかり忘れたかのように、別の「ネタ」を探して県内を飛び回っていた。
「今日はこっちの品定めだ……お、これは良い掛け軸だな」
骨董品店での買い付けの合間、斎藤はふと気を抜いて、以前削除したはずの位山での映像の「下書き」を、うっかりSNSの限定公開設定で投稿してしまっていた。
「え、これいつの間に……あ、しまった、消し忘れてた!」
慌てて削除したものの、時すでに遅し。数人のフォロワーが、その動画をスクリーンショットで保存し、拡散し始めていた。
『多治見近郊で謎の外国人グループ発見!? YouTuberが激写』
そんな見出しとともに、断片的な情報がSNS上で少しずつ広がり始める。
「らくか」で報告を受けた四人は、頭を抱えた。
「斎藤さん、あれだけ口酸っぱく言ったのに!」江戸川が声を荒げる。
「す、すまん! 本当にうっかりで……」
安藤がため息をついた。
「うっかりじゃすまねえぞ、これは。一石さんに何て報告するんだ」




