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お嬢様と高校生。  作者: 折道
9/9

夢とホラー。①

俺は朝早くから勉強机に向かって夏休みの課題に取り組んでいた。理由は特にない、なんとなくやる気になったんだ。普段なら絶対ないんだが、強いて言うなら今日までの夏休みの濃度が高いからかもしれない。

「ユースケおはよー…」

とそこにパジャマ姿のレイラが来た…が、何か様子がおかしい。

「…なんか眠そうというか、元気なさそうだな?」

「ちょっと嫌な夢見たから…」

そうだったのか。いつも元気ハツラツなレイラがここまでなる夢って一体…?

「イヤホンつけて音楽聞いてたら突然片方だけ聞こえなくなって、そのままの状態でずっと曲を聞かされたわ」

「嫌なのは分かるけどそこまでなるか」

なんだそのプチ拷問。

「まあ夢でよかったな」

「いや本当にそうね」

どうやら心配する必要はないらしい。

「ユースケはどんな夢見た?」

「え、俺?今日は特に見てないな」

「夢のないつまらない人なのね」

「うっさいわ!つまらない自覚はあるけど!」

「夢のない人と書いて儚いって」

「言わねぇよ!人の夢と書いてだ!」

儚い人て。いや訂正しても結局は残念な感じだけど。

「そうだ、今日は何かイベントあるのか?」

話題を変えてみる。イベントがあれば元通りに―――

「今日は怪談をやるつもりだったわよ!夏の定番だと思って、昨日色々考えたのにっ!」

「つもり?いいじゃん、やりたい!やろうぜ怪談!」

「ダメダメ中止っ!怖すぎたのっ!」

えー。というか、このお嬢様にそんな弱点があるとは。いや怖くなきゃ怪談じゃないだろ。

「だって自分で考えたのが夢に出るなんて思わなかったんだもんっ!」

「その一つがイヤホンのヤツかよ!!!」

…まあ、夢の中だと実際と違って強調されるから仕方ないのか。

「一番不思議なのは私イヤホン持ってないってことなんだけど」

「それは怖いな!!」

「私イヤホンとは前世でなにかあったのかしら…」

さあ、どうだか。真相は隠されたままだろうな。まあ大したことじゃないのは確かだ。

「だから怪談は中止なの!」

「そっか、分かった。じゃあ変わりに肝試しだな」

「ホラー系じゃんっ!!アタシ怪談すらダメなのよっ!?」

「俺がやりたいんだ。今夜決行だからな!」

「結構よっ!!!」

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