↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
60/62

第4話 僕の合格発表



 朝少し早く目覚めてしまった。

 昨日は、お風呂をあがったら直ぐに寝てしまった。

 洗った衣服は、まだ少し濡れている。


 昨日テーブルに置いてあった置き手紙を再度確認する。


【第二試験、合格おめでとうございます。

 第三試験は、明日の9時から開始致します。

 荷物は、部屋に置いたままで結構ですので、戦闘準備だけ整え、ギルド職訓練校正門前まで越し下さい。

 第三試験は、魔力テストです。

 万全な状態で、お越し頂けます様、お願い申し上げます】


 まさかの第二試験クリア...まぁ何となくそう思っていたけどね。

 昨日見付けていたけど、お風呂の興奮と喜びが優先しちゃいました。

 子供の時は、殆ど毎日入っていたけど、師匠とし修行している5年間は、数えるぐらいしか入れていなかった。

 ゆっくりコトコト体の疲れと言うアクが、お湯に溶けていました...。


 ああぁ、本当に気持ち良かったな...。


 朝風呂したいけど、時間より早く向かいたい...。

 これから入れる事を、住める事を祈って、寮の部屋を後にした。


 昨日は、夜であまり見えなくて、分からなかったけど、山は手付かずの自然が多く、山菜や薬草等も生えている。

 モンスターではない野生の動物もチラホラ見えた。

 凄い場所にある寮だけど、一年通うだけで間違いなく鍛えられそうだ。


 少し早いけど、何が起こるか分からないから早く寮を、出た。


 持ち物は、愛剣のみ。

 防具は、最低限の急所を防ぐ革の胴当てのみで、かなりの軽装だ。


 ...これから魔力の試験。

 試験内容によっては、間違いなく落ちる項目だ。


 僕は、魔力が絶対的に少ない。

 少ない魔力で生きて行くために、5年間を我武者羅に修行して力を付けた。

 師匠に教えて貰った【仙術】で弱いながらもモンスターと戦える様になれた。

 太く短くをもっとうに生きて行く為に。


 世界を楽しむ第1歩は、なる様になるだけだし...楽しまないと意味がないしね。

 悔いが残らない生き方がしたいから、無駄な物を持たず1番のパフォーマンスを出せる格好で挑みたかった。


 それがこれ--

 師匠に貰った愛剣さえあれば問題ない。

 問題があっても仕方がない。


 正門には、昨日とは打って変わって、かなり数が減っていた。

 予定の時刻まであと30分ぐらいだろうか...。


 今此処にいるのは、20人を切っていた。


 ...もう少し居てると思ったけど、全然残っていないな...。


 少し遠くの場所にカヅキさんと他の面々がいる。

 昨日仲良かったメンバーは全員残っているみたいだ。

 やっぱり只者じゃなかったな...。

 黒髪のヤツも...。


 それから15分程経過すると--


 「皆、おめでとう。

 第二試験は、非公開でさせて貰った。

 低ランクのFクラス以下のモンスター3匹を操り襲わせた。

 攻略者としての、最低限の能力を見させて貰った。

 夜の森は知識がないと迷ってしまう。歩いている方角さえままならない。

 視界の悪い場所でのモンスターからの奇襲。

 危機管理能力がなければ、幾らFランクでも致命傷は、ま逃れない。

 ...色んな知識や経験が必要で不可欠だ。


 今回は、武器などを預かっていたので、適応力、順応性も見るに値した。

 第一試験と第二試験である程度の魔力も同時に見させて貰った。

 ここに居る皆は、合格だ。

 ギルド職訓練校の入校を認める。」


 「えっ!?」


 皆...驚愕の表情。

 正直納得出来てしまうな...。

 凄いハードルの高い試験だったのは、間違いないよね。

 弱ってた人達は、モンスターに間違いなく襲われて怪我してるだろうし、総合的に考えたら間違いないだろうな。


 「合格は確実だが、特別扱いはしない。

 今までの受験生が不公平だからな。

 これから魔力テストは、お前達の[クラス]を測る為にやらせてもらう。

 これからの訓練校で学ぶクラス分けだな。

 受け持つ講師がクラスによって違う。

 1年後に受かるかは、そのクラス出来次第といっても過言では、ない。

 ...ま、本人次第だかな。

 今から各受験生は、試験官の誘導にしたがってくれ」



 ☆☆☆☆☆



 「コレをですか?」


 「はい、コレをです」


 綺麗に整地された訓練場らしき場所。

 地面は固く、足場は万全だ。


 ...足場は...。

 うん、足場は...ね。


 銀髪金眼の獣人の、またまた目が覚める様な美人の試験官の女性に案内されて、説明された内容は...。


 見た目は鉄?

 1本の大きな円柱の柱がある。黒光りする光沢は見た目には、金属に見えるが、材質は石らしい。


 試験官のクレスさん曰く、この石柱に魔力を使って、全力で攻撃してほしいらしい。

 それが最後の試験らしいが...。


 「コレを...ですよね?」


 「はい、コレです...」


 ヤバイ...。石の存在感が半端ない。

 かなりの魔力を石柱自体が纏ってると思う。

 こんなの攻撃して大丈夫か...。


 こんなの愛剣で斬りたくない...。

 何か折れそう。......折れないかもですけど、何かなりそう。

 魔力を纏っているから、大丈夫では、ないと思うんですけど...。

 でも、もし切り倒す事が出来ても、魔力を判定がどうかわからないもんな...。


 またシビアな試験を......まともにして下さい。


 制限時間は、1分。

 1分以内に、石柱に攻撃する。攻撃回数は、制限時間内だったら何度でもOK。下調べは、見るのは大丈夫だけど、触るのはNGと...。

 ただ攻撃するだけでは、ダメだろうな。

 割る勢いで攻めるしか...。


 「では、は--


 ドオオォンッ!!!!


 えっ?

 音との発生源をみてみる。

 砂埃の中には......。


 黒髪


 またアイツか...。


 「あぁぁ...ユキさんやり過ぎです...」


 ...え、試験官の人、アイツ知ってるのか?


 ...あの人、ユキって言うのか...。

 確かにやり過ぎだ。

 うん、馬鹿げてる...。


 思わず笑いが込み上げてくる。

 何なんだアイツ...。


 砂埃が、辺りに舞っている。

 何をどうしたのか、分からないけど、凄い一撃を繰り出したんだろな。


 ...石柱が、跡形もない...。


 周りには、石の破片が、細かく散ってる。

 担当の試験官の人は、少し怯えてるな...。

 ここから見てもプルプルしてます。

 可哀想だから、止めてあげて...。


 「ふぅ...」


 あー、でもなんか吹っ切れたわ。


 これで...。

 これで、僕も負けてられないよな...。


 「よし!すいません、クレスさん。始めちゃってもいいですか?」


 「えっ?あ、はい。すみません!失礼致しました。

 それでは、最終試験を始めます」


 「宜しくお願い致します」


 今から1分...。

 多分アイツは、一撃で決めたんだろうな--


 石柱に触り、魔力の流れてや性質を調べる。

 無機質な質感。

 かなり硬いな...砕く為には...かなり力がいるよな...。


 --やっぱり普通じゃなさそうだ。

 石には、衝撃や魔力の流れを吸収して地面に逃がす様に出来てるみたいだ。


 これは、あんなに爆砕するものじゃない。

 どんな魔法ぶち込んだんだ。

 マジでユキってやつは、只者じゃないな...。


 僕には、そんは能力がない。

 実際に魔力を大量に蓄える事も出来ないし、使う事も出来ない。

 正直、本当に僕は欠陥だらけだ。

 昔は、色々悩んで挫折したけど...。


 --けど、僕には僕しか出来ない事がある。

 僕しか出来る事がある。


 それが、わかった。


 石柱に何度も触り、魔力を流し、流れを濁す。

 少しだけでいい。大量じゃなくていい。

 一滴、一滴をゆっくり落とす様に...。


 石柱の地面へと逃げる魔力は、ゆっくりだから水面の波紋の様に広がり、他の波紋と重なる--。


 何とかなりそうだ。


 「クレスさん、少し離れて下さいね」


 「あ、はい、レッドさん大丈夫ですか?」


 「はい、木っ端微塵にぶっ壊します!」


 「えっ!!?」


 腰に差した、愛剣をゆっくりと抜く。

 師匠に貰った剣...。



 ...コイツに切れないモノなんてない。



 静かに集中する。


 波紋は、まだ残ってる。


 大丈夫、焦らないでも......大丈夫だ。


 息を、静かに整える。


 全身の少ない魔力を、引金にして剣先に一点。


 魔力を最大限に込める。


 大気中の魔力も吸収する様に、息を吸う様に...。


 その一点に。


 一点に...。


 ......。



 バアァァァンッ!!



 鼓膜が、破れるぐらいの破裂音。


 確かな手応え。


 周りは、煙だらけで少し煙たい...。


 内部から木っ端微塵に粉砕している。

 手応え通りに、跡形もない。


 愛剣も勿論無事だ。


 「クレスさん、いいっすか?」


 「あ......はい。大丈夫だと思います。

 待合室までご案内します。どうぞ...」


 「お願い致します」


 アイツに出来て、僕に出来ないなんて、思いたくない。

 話した事ないけど、何となく。


 負けたくない。

遅くなりました。申し訳ございません。

ご愛読頂き有難うございます。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。