第54色 マーカラの休日
昨日突然、サラから呼び出されて、今私達が夢幻迷宮で、ユキさんを報酬にチャレンジしているゲームは、冗談と聞かされました。
私も間違っている事だと自分でも思いながら、聞かされた時には、自分の血に眠る何かが目覚めそうになるくらいショックでした。
でもその表情に焦りを感じたのか、サラから直ぐに理由を聞かされました。
私自信も意味もなく焦っていたのかもしれません。簡単な事なのに、考える事を止めて、いい切っ掛けだと甘んじて調子に載ってしまいました。
ダンジョンの異変が異常では、済まされない状態になってしまったみたいです。
潜る事は数日お休みになるかもしれないと...。
なので、明日はユキさんとデートしていい事になりました。
「やっぱりマーカラは、本気だったよな...。
大丈夫。ユキにはしっかり言っている。
デートして貰って構わない。
...だから...頼むから、魔力を抑えてくれ...。
その魔力こそ異常だろ。何処にぶつける気なんだ!?」
途中からサラが言ってる意味が分からなくなりました...。
明日はお昼時前に、街で待ち合わせをしてデートする事に決まりました。
...ムードを感じで欲しいと説教をした事が今となっては、自分の事の様に恥ずかしく感じてしまいます。
殿方との、初デート...。
やっぱりお弁当は、私が作るべきでしょう...。
でもユキさんも必ず作る筈...。
今日は期待して眠れそうにありません。
もうユキさんが入校される日まで30日を切ってしまいました。
このままでは、離れる事が嫌になってしまいそうです。
何とかして私との心の壁を一段...階壊さなければ...。
少し積極的になる必要があるかもしれません...。
☆
昨日夜の仕込みをしていたら、突然誰かの魔力が異様に高まったので、何事かと思っていたら、サラが降りてきて、事情を教えてくれた。
何故!?
何故それで、魔力が高まる!?
俺に例えたら全力の大雷ぐらいの魔力でしたけど!?
...それぐらいマーカラさんは本気で居てくれたんだろう。
ここは、前みたいに何も考えていなければ痛い目をみるかもしれない...。
転移で色々見て回るのもいいかもしれないな...。
明日は作り置きのご飯でいいみたいなので、明日は心置きなく楽しめるし、楽しもう。
お弁当何かも軽く作っておこうかな?
明日は、本当に楽しみだな。
☆
待ち合わせは、昼前だったので少し早めに準備している。
少し広場の様な場所に、少し小さ目の噴水がある。
この街のデートスポットなのだろうか...。
取り敢えず直ぐに転移したい程に顔見知りが多すぎる。
八百屋の息子仕事しろよ...って一緒に居るのはパン屋の娘かいっ!?
みたいに、プライバシーがないに等しい...。
...直ぐに、この街から転移しよう。
「ユキさんお待たせしました」
声に振り向く。
一瞬誰が来たのか、本気でわからなかった。
白のワンピースに、銀に近い髪の色がマッチして透き通る様な肌は、よりマーカラさんの神秘的な綺麗さを倍増させている。
麦の帽子は清楚な雰囲気に合っており...初めて合う様な印象に思わせる。
「綺麗...です」
しまった...不意に出てしまった。
本当に綺麗だ...それしか言いようがない。
でもその言葉に顔を赤くしながら、モジモジとするマーカラさん...。
「ありがと...」
久々の......惚れてまうやろぉーっ!!?
可愛すぎやろぉーっ!!?
この姿を見れただけで、今回のデートに満足してしまいそうです。
ご馳走様でした。有難うございます。
っと気を取り直して、デートを始めましょうか...。今日は、まだ始まってない。
楽しみは、これからだ。
...先ずは、この街から離れましょう。
☆
「私、この街を余りちゃんと見た事なかったんです。すごく楽しみです」
「僕も余り詳しくは、知らないんですけど、リサーチはバッチリですよ」
港街をデートスポットに選んだのは、正解だったな。この前は、バタバタしていたし、俺の失踪も
あったからな...。
転移さまさまだな...。
ゴブリンキング...この魔導書を本当に有難う。
港街なだけに他の大陸の名産なんかも手に入るこの街は、色んな物に目移りしてしまう。
見た事ない、果物、織物、小物に...良く見ても分からないもの...。
なんだコレ...。
「私生まれてから、こんなにいろんな物を見た事がないかもしれません。
祖母の関係で一族は、皆バラバラになってしまったんで...。
だから今は、凄く楽しいです」
そう言って貰えて何よりです。
...もっと楽しんで貰わないとな...。
市場以外にも、色んな見る所があるし、煉瓦造りの町並みは、雰囲気もある。
エリーゼやリリーナさんに感謝しないとな...。
色んなスポットを教えてくれたエリーゼは、流石領主の娘。女性が喜ぶスポットを良くしっている。
交換条件が...。
「ユキ様...私もデート1回の報酬が欲しいです」
だったけど...。
お安いご要望です。
勿論お任せ下さい。
☆
「ユキさん、そろそろお昼にしませんか?」
もうそんな時間かな?
お昼はとっくに過ぎているけど、楽しかったからお腹が空くのも忘れていた。
「分かりました。ゆっくり出来る所に移動しましょうか?」
港近くにある憩いの場。
公園の様な場所で、ベンチに座りマーカラさんがバスケットの中身を取り分けてくれる。
サンドウィッチか...量もかなりあるので、俺のお弁当はアイテムボックスの中でお蔵入りかな?
彩り鮮やかなサンドウィッチは、食欲をそそる...凄く美味しそうだ。
少し厚めのパンに包まれたサンドウィッチは、両手に持って丁度いい。
とても美味しそうな香りがする。
...コレは、期待出来そうだな。
「いただきまーす...」
...。
...。
あれ...俺は一体何をしてたんだっけかな?
...横に居るのは、マーカラさん...?
「ユキさんどうかされました?」
...マーカラさんの手には、サンドウィッチ...。
...。
全て思い出した。
「マーカラさん凄く美味しかったです。
僕もマーカラさんに作ってきたのでこちらを食べて下さい」
2人分のサンドウィッチ何て軽い軽い...。
アイテムボックスからマーカラさん様のお弁当だけを出す。俺の分こそお蔵入りだな。
「嬉しい...交換ですね。
サンドウィッチ気に入って貰って良かったです」
中を開けて喜んでくれているマーカラさんを見るだけで満足です。
...改めて...頂きます...。
☆
夕方...サンセットが見える綺麗な丘に来ている。
エリーゼが教えてくれた、また別の丘だ。
「凄く綺麗ですね...」
心から出る言葉...感動してくれている...よかった。
お昼を食べてから、少し時間の感覚がズレたような感覚...。
次元魔法が組み込まれていたのかもしれない。少し体も麻痺している。
マーカラさんの本気の弁当...残す訳には行きません。美味しく頂きました。
「本当に楽しかったです。
ユキさんを近くに感じれて、凄く嬉しかったし楽しかった。
1つお願いがあるんです」
「なんですか?」
...夕日を背にして、凄く綺麗なマーカラさん...。
「敬語は、止めて下さい」
ゆっくりと歩いてマーカラさんの手が肩に触れる。
「マーカラ...さん?」
「さんも止めて下さい」
...凄く近い...。
息がかかりそうだ。
...寝ている時は、もっと近かったけど...。
本気度が伺えるな...。
「マーカラ...」
「はい...」
両目を瞑り、こっちに顔を向けるマーカラさん...。
あれ?この雰囲気?流されていいのか?
大丈夫なのか?
でもコレは...間違いない...。
息を呑む...。
...。
マーカラさんの唇は、凄く小さくて、柔らかくてドキドキした。
1度離して、見つめ合う。
そしてもう1度ど唇を重ねた。
...キス...。
頭が、痺れて、思考が定まらない。
何と言うか...最高に良い...。
寮の前まで帰ってきた。
あれから2人で手を繋いでいるが、何も話せていない。
ドキドキしすぎて、頭がまだ麻痺している。
寮の前で不意にマーカラが振り返り、唇を重ねてくる。
...積極的な年上のお姉さん...。
素晴らしいです。
「今日は楽しかったです...また夜に潜り込みに行きますね...」
あ、やべぇ可愛い過ぎる...。
今日は、本当に人生最大のハッピーイベントです。
惚気けていたから分からなかったと言い訳したい。
今の今まで感じれていなかかった。
俺に向けての、体感した事のない最大の殺意を...。




