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男が最弱な異世界。それでも最強を手に入れる。  作者: CHIKAY
Lv.3 tone~第1ダンジョン~
55/62

第54色 マーカラの休日



 昨日突然、サラから呼び出されて、今私達が夢幻迷宮で、ユキさんを報酬にチャレンジしているゲームは、冗談と聞かされました。


 私も間違っている事だと自分でも思いながら、聞かされた時には、自分の血に眠る何かが目覚めそうになるくらいショックでした。


 でもその表情に焦りを感じたのか、サラから直ぐに理由(いいわけ)を聞かされました。


 私自信も意味もなく焦っていたのかもしれません。簡単な事なのに、考える事を止めて、いい切っ掛けだと甘んじて調子に載ってしまいました。

 ダンジョンの異変が異常では、済まされない状態になってしまったみたいです。

 潜る事は数日お休みになるかもしれないと...。


 なので、明日はユキさんとデートしていい事になりました。

 「やっぱりマーカラは、本気だったよな...。

 大丈夫。ユキにはしっかり言っている。

 デートして貰って構わない。

 ...だから...頼むから、魔力を抑えてくれ...。

 その魔力こそ異常だろ。何処にぶつける気なんだ!?」


 途中からサラが言ってる意味が分からなくなりました...。


 明日はお昼時前に、街で待ち合わせをしてデートする事に決まりました。

 ...ムードを感じで欲しいと説教をした事が今となっては、自分の事の様に恥ずかしく感じてしまいます。

 殿方との、初デート...。

 やっぱりお弁当は、私が作るべきでしょう...。

 でもユキさんも必ず作る筈...。


 今日は期待して眠れそうにありません。


 もうユキさんが入校される日まで30日を切ってしまいました。

 このままでは、離れる事が嫌になってしまいそうです。

 何とかして私との心の壁を一段...階壊さなければ...。

 少し積極的になる必要があるかもしれません...。



 ☆



 昨日夜の仕込みをしていたら、突然誰かの魔力が異様に高まったので、何事かと思っていたら、サラが降りてきて、事情を教えてくれた。


 何故!?

 何故それで、魔力が高まる!?

 俺に例えたら全力の大雷ぐらいの魔力でしたけど!?


 ...それぐらいマーカラさんは本気で居てくれたんだろう。

 ここは、前みたいに何も考えていなければ痛い目をみるかもしれない...。

 転移で色々見て回るのもいいかもしれないな...。


 明日は作り置きのご飯でいいみたいなので、明日は心置きなく楽しめるし、楽しもう。


 お弁当何かも軽く作っておこうかな?

 明日は、本当に楽しみだな。



 ☆



 待ち合わせは、昼前だったので少し早めに準備している。

 少し広場の様な場所に、少し小さ目の噴水がある。

 この街のデートスポットなのだろうか...。

 取り敢えず直ぐに転移したい程に顔見知りが多すぎる。

 八百屋の息子仕事しろよ...って一緒に居るのはパン屋の娘かいっ!?

 みたいに、プライバシーがないに等しい...。


 ...直ぐに、この街から転移しよう。


 「ユキさんお待たせしました」


 声に振り向く。

 一瞬誰が来たのか、本気でわからなかった。


 白のワンピースに、銀に近い髪の色がマッチして透き通る様な肌は、よりマーカラさんの神秘的な綺麗さを倍増させている。

 麦の帽子は清楚な雰囲気に合っており...初めて合う様な印象に思わせる。


 「綺麗...です」


 しまった...不意に出てしまった。

 本当に綺麗だ...それしか言いようがない。


 でもその言葉に顔を赤くしながら、モジモジとするマーカラさん...。


 「ありがと...」


 久々の......惚れてまうやろぉーっ!!?

 可愛すぎやろぉーっ!!?


 この姿を見れただけで、今回のデートに満足してしまいそうです。

 ご馳走様でした。有難うございます。


 っと気を取り直して、デートを始めましょうか...。今日は、まだ始まってない。

 楽しみは、これからだ。


 ...先ずは、この街から離れましょう。



 ☆



 「私、この街を余りちゃんと見た事なかったんです。すごく楽しみです」


 「僕も余り詳しくは、知らないんですけど、リサーチはバッチリですよ」


 港街をデートスポットに選んだのは、正解だったな。この前は、バタバタしていたし、俺の失踪も

 あったからな...。

 転移さまさまだな...。

 ゴブリンキング...この魔導書を本当に有難う。


 港街なだけに他の大陸の名産なんかも手に入るこの街は、色んな物に目移りしてしまう。

 見た事ない、果物、織物、小物に...良く見ても分からないもの...。

 なんだコレ...。


 「私生まれてから、こんなにいろんな物を見た事がないかもしれません。

 祖母の関係で一族は、皆バラバラになってしまったんで...。

 だから今は、凄く楽しいです」


 そう言って貰えて何よりです。

 ...もっと楽しんで貰わないとな...。


 市場以外にも、色んな見る所があるし、煉瓦造りの町並みは、雰囲気もある。

 エリーゼやリリーナさんに感謝しないとな...。

 色んなスポットを教えてくれたエリーゼは、流石領主の娘。女性が喜ぶスポットを良くしっている。

 交換条件が...。

 「ユキ様...私もデート1回の報酬が欲しいです」

 だったけど...。

 お安いご要望です。

 勿論お任せ下さい。



 ☆



 「ユキさん、そろそろお昼にしませんか?」


 もうそんな時間かな?

 お昼はとっくに過ぎているけど、楽しかったからお腹が空くのも忘れていた。


 「分かりました。ゆっくり出来る所に移動しましょうか?」


 港近くにある憩いの場。

 公園の様な場所で、ベンチに座りマーカラさんがバスケットの中身を取り分けてくれる。


 サンドウィッチか...量もかなりあるので、俺のお弁当はアイテムボックスの中でお蔵入りかな?


 彩り鮮やかなサンドウィッチは、食欲をそそる...凄く美味しそうだ。


 少し厚めのパンに包まれたサンドウィッチは、両手に持って丁度いい。

 とても美味しそうな香りがする。


 ...コレは、期待出来そうだな。


 「いただきまーす...」


 ...。


 ...。



 あれ...俺は一体何をしてたんだっけかな?

 ...横に居るのは、マーカラさん...?


 「ユキさんどうかされました?」


 ...マーカラさんの手には、サンドウィッチ...。


 ...。


 全て思い出した。


 「マーカラさん凄く美味しかったです。

 僕もマーカラさんに作ってきたのでこちらを食べて下さい」


 2人分のサンドウィッチ何て軽い軽い...。

 アイテムボックスからマーカラさん様のお弁当だけを出す。俺の分こそお蔵入りだな。


 「嬉しい...交換ですね。

 サンドウィッチ気に入って貰って良かったです」


 中を開けて喜んでくれているマーカラさんを見るだけで満足です。


 ...改めて...頂きます...。


 ☆



 夕方...サンセットが見える綺麗な丘に来ている。

 エリーゼが教えてくれた、また別の丘だ。


 「凄く綺麗ですね...」


 心から出る言葉...感動してくれている...よかった。


 お昼を食べてから、少し時間の感覚がズレたような感覚...。

 次元魔法が組み込まれていたのかもしれない。少し体も麻痺している。

 マーカラさんの本気の弁当...残す訳には行きません。美味しく頂きました。


 「本当に楽しかったです。

 ユキさんを近くに感じれて、凄く嬉しかったし楽しかった。

 1つお願いがあるんです」


 「なんですか?」


 ...夕日を背にして、凄く綺麗なマーカラさん...。


 「敬語は、止めて下さい」


 ゆっくりと歩いてマーカラさんの手が肩に触れる。


 「マーカラ...さん?」


 「さんも止めて下さい」


 ...凄く近い...。

 息がかかりそうだ。

 ...寝ている時は、もっと近かったけど...。

 本気度が伺えるな...。


 「マーカラ...」


 「はい...」


 両目を瞑り、こっちに顔を向けるマーカラさん...。

 あれ?この雰囲気?流されていいのか?

 大丈夫なのか?


 でもコレは...間違いない...。


 息を呑む...。


 ...。


 マーカラさんの唇は、凄く小さくて、柔らかくてドキドキした。


 1度離して、見つめ合う。


 そしてもう1度ど唇を重ねた。


 ...キス...。

 頭が、痺れて、思考が定まらない。

 何と言うか...最高に良い...。



 寮の前まで帰ってきた。

 あれから2人で手を繋いでいるが、何も話せていない。

 ドキドキしすぎて、頭がまだ麻痺している。


 寮の前で不意にマーカラが振り返り、唇を重ねてくる。


 ...積極的な年上のお姉さん...。

 素晴らしいです。


 「今日は楽しかったです...また夜に潜り込みに行きますね...」


 あ、やべぇ可愛い過ぎる...。

 今日は、本当に人生最大のハッピーイベントです。



 惚気けていたから分からなかったと言い訳したい。


 今の今まで感じれていなかかった。


 俺に向けての、体感した事のない最大の殺意を...。

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